5B細胞, ヘルパーT細胞、キラーT細胞 樹状細胞のそれぞれは、抗原
の認識や抗原に由来する情報を細胞間で受け渡すことに重要な機能を果た
し,適応免疫の発動に関係するタンパク質p~sを,表1のような特異的な
組合せでもつ。
タンパク質
|細胞の種類
p
+
+
表 1
q
+
+
B細胞
ヘルパーT細胞
キラーT細胞
樹状細胞
注 : +はそのタンパク質をもつこと,-はもたないことを示す。
rus
+
+
+
+
+
+
これらのタンパク質の働きに関して, 表1の4種類の細胞を用いて次のよ
うな実験を行い,それぞれ期待される結果を予想した。 予想 ② ~ ⑩の波線部
のうち、妥当とはいえないものの組合せとして最も適当なものを後の ①
-⑥ のうちから一つ選べ。 なお, 実験には遺伝的に均質な複数のマウスが
利用され, 移入された細胞を攻撃するような反応は生じないものする。
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予想②
ある物質Xをこれらの細胞に作用させると, タンパク質pをもつ
細胞だけが選択的に活性化されることが確認されている。 この活性化状態
にある細胞を無処理のマウス体内に導入すると、 抗原侵入に応答した適応
免疫が全般的に抑制される効果がもたらされることが予想される。
第1回 生物基礎
予想 ①⑥ タンパク質 q は, 抗原の認識に働くことが分かっている。 タンパ
ク質 q抗原を認識した後に細胞内で情報を伝える分子を欠くマウスに
ついて調べると, 抗体産生能が著しく低下していることが予想される。
予想であるウイルスをマウスに感染させたところ、タンパク質rの働き
が抑制され,適応免疫の働きが低下した。この際に樹状細胞は,食作用は
示すものの抗原提示を行わなくなったが、ヘルパーT細胞を活性化する
性質に変化はないことが予想される。
予想ⓓ 表1 中にはない別の種類のリンパ球Yを表1中の細胞とともに培
養したところ, タンパク質の働きだけが選択的に抑制されていた。リン
パ球Y と培養した4種類の細胞のうち1種類ずつを,無処理のマウス体
内にある同種類の細胞と置き換えると, 一部に細胞性免疫の働きが低下し
ないマウスが確認されることが予想される。
① 予想 ⑩ 予想 ①
④ 予想 ① 予想 C
②予想 予想 ②
⑤ 予想 ① 予想 ①
③ 予想 ② 予想 ⑩
⑥ 予想 予想 ①