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【最後の合戦】
100 ~ 平家物語・木曽の最期
問一
木曽左馬頭義仲は、その日の装束としては、赤地錦の鎧直垂の上に、唐威の鎧を着けて、鍬形を
打ちつけた
「その日の装束には」 とある
が、義仲の装束として挙げられて
いるものを、「直垂」に続けて順に
本文中から抜き出しなさい。
にひたん かりあきこ よう
木曽左馬頭、その日の装束には、赤地の錦の直垂に、唐威の鎧着て、鍬形打つたる
甲のひもをしっかりと締めてかぶり、大きく堂々と見えるように作った大太刀を腰にさげ、石打ちの
矢で、その日の戦闘で射て少し残ったのを頭高に背負い、
おかだろ
甲の締め、物作りの大太刀はき、石打ちの矢の、その日のいくさに射て少々残つたるを、
滋籐の弓を持ち、有名な木曽の鬼葦毛という馬 (①
「が気
みにみ
頭高に負ひなし、滋籐の弓持つて、聞こゆる木曽の鬼葦毛といふ馬、
たいそう太ってたくましい馬に、
(主語...
黄覆輪の鞍を置いて乗っていた。
きはめて太うたくましいに、
黄覆輪の鞍置いてぞ乗ったりける。
(主語...
は馬上で鐙を踏んばって立ち上がり、大音声をあ
げて名のったことには、
ふんばり立ち上がり、大音声をあげて名のりけるは、
木曽の冠者のことを、そして今こそ、 その姿を目の前に
見(②
木曽の冠者、今は見る②らん、
(そこの軍勢は) 甲斐の国の一条次互い【(
郎と聞いた。
甲斐の一条次郎とこそ聞け。
兵衛佐頼朝に見せよ。」と言って、 (③
や?夜のす
兵衛佐に見せよや。」とて、
「今名のるのは敵の大将軍だ。
「ただいま名のるは大将軍ぞ。
大勢の中に取り囲んで、 (④
と進んだ。 木曽の三百余騎は、
う?
大勢の中に取りこめて、我討つ取らんとぞ進みける。
木曽三百余騎、
敵の六千余騎 (⑤
中を、縦・横・蜘蛛手・十文字に走り抜け、敵のうしろへずっと (⑥
六千余騎 ⑥が中を縦さま・横さま・蜘蛛手・十文字に駆けわって、後ろへつつと⑥出でたれば、
(木曽軍敵軍は)五十騎ほどにな (⑦
)。そこを打ち破って行くうちに、
五十騎ばかりになりにけり。
そこを破って行くほどに、
土肥二
(⑧
郎実平が二千余騎で守って
)。 それをも打ち破って行くうちに、
土肥二郎実平、二千余騎でささへたり。
それをも破って行くほどに、
あそこでは四、五百騎、ここでは二、三百騎百四、五十騎、百騎ほどというように守る敵の中を、
あそこでは四、五百騎、ここでは二、三百騎百四、五十騎、百騎ばかりが中を、
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のさま
のさまの
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でじろう
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だか
Jo
きなり 今
)、
「昔は聞いたであろう
が、
「昔は聞きけんものを、
(それが私) 左馬頭兼伊予守、朝日の将軍源
義仲であるぞ。
左馬頭兼伊予守、朝日の将軍源義仲ぞや。
この義仲を討って、
互ひによい敵ぞ。
義仲討つて
馬を走らせる。
一条次郎は、
③いてく
一条次郎、
お前たち、敵を討ち残すな。 若者どもよ、敵を討ちもらすな。 討
てっ。」と言って、
わひたう
あますなども、もらすな若党、討てや。」とて、
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くぼがた
さまのおのかみ
)】に好敵手だ。
問二 木曽左馬頭義仲が、華美な
装束に身をかため、大音声で名の
をあげているのは、なぜか。
問三 義仲の軍と一条次郎の軍が
ぶつかった様子を表す表現を本文
中から四つ抜き出しなさい。
問四 「木曽三百騎」が敵陣を突破
する様子を効果的に表している反
復表現を、本文中から五字で抜き
出しなさい。