第5問 (選択問題)
(配点 16)
以下の問題を解答するにあたっては、必要に応じて(第5回-16) ページの正規
分布表を用いてもよい。
統計的な推測においては、本質的に重要な性質がある。それについて考えてみよう。
(1)母集団から無作為抽出された標本の独立性とその特徴について、実際の例をもと
に考える。
いま, 内容量 50g と表示された小袋が四つ入ったお菓子の袋(以下,「大袋」と呼
ぶ)があったとする。以下では、袋の重さは考えずに、お菓子の重さだけを考える
ことにする。四つの小袋に入っているお菓子の重さを,それぞれ X1,X2, X3, X4(g)
とし,各X, (i = 1, 2, 3, 4) は平均 (期待値) 51.0 標準偏差 0.3 の正規分布
N (51.0, 0.32) に従うとする。
このとき,Y=X1+X2+X』+X」 とおけば、各Xは互いに独立と考えてよいか
ら、確率変数Yの平均はE(Y)
計算できる。
標準偏差は (Y)=
アイウ
エ. オ
と
ところで,大袋に表示されているお菓子の重さは50×4=200(g) である。これ
と対比するために,小袋に分けられていない四袋分のお菓子の重さを表す確率変
数Z = 4X を考える。 ここでXは正規分布 N (51.0, 0.32) に従うとする。
このとき,確率変数の定数倍の平均と標準偏差についての関係式によれば,Zの
キ
平均はE(Z) = アイウであるが,標準偏差は (Z)=
カ
となり,上
で求めた。 (Y) の計算結果と異なる。この差は,X1,X2, Xs, X4 が無作為標本で
あり、各X; が互いに独立であることに起因している。
この例からわかるように、無作為標本の性質,すなわち,確率変数が互いに独立
な同一の分布に従っていることを理解しておくことが重要である。
(数学II,数学B,数学C第5問は次ページに続く。)
(第5回13)