ZBERK1-Z2F5-01
第6問 次の文章 (A・B) を読み、 下の問い (問1~4) に答えよ。 (配点24)
A 1個の細胞内に存在するタンパク質は数百~数千種類におよび, 細胞の生命活動を担っている。
であり、(a) DNAの塩基配列がRNAの塩基配列に転写される。 そして, RNA のうち mRNA
これらのタンパク質は全て、 遺伝子の塩基配列情報をもとに合成される。 遺伝子の本体はDNA
細胞内に存在する多様なタンパク質のなかには, 多量に存在するものもあれば、少量のみ存在
の塩基配列がポリペプチドのアミノ酸配列に翻訳される。
するものもある。(細胞内におけるタンパク質の存在量を決める要因の一つは、翻訳速度であり、
もう一つの要因はタンパク質の分解速度である。 翻訳速度は (c) mRNA の存在量で決まり、
mRNA の存在量が多ければ速く、少なければ遅い。 またmRNAの存在量は, 合成速度(転写速
(b).
度)と分解速度によって決まる。
問1 下線部(a)に関する記述として下線を引いた部分に誤りを含むものを、次の①~⑤のうちか
ら一つ選べ。 21
⑩ DNA 上の特定の塩基配列を認識してRNAポリメラーゼが結合し、 一方の鎖を鋳型
して RNA を合成する。
② 真核細胞のRNAポリメラーゼがDNA に結合する際には、 基本転写因子とともには
らく必要がある。
③ 原核細胞のRNAポリメラーゼは,2本鎖DNAがほどけていない状態で, プロモータ
ーを認識して結合できる。
⑥ 真核細胞のRNAポリメラーゼは,2本鎖DNAがほどけていない状態で,プロモータ
を認識して結合できる。
⑤鋳型となる鎖が5'-ATGC-3′という塩基配列である場合,つくられる RNAの塩基
配列は5'-AUGC-3である。
ス培地とする)で増殖している大腸菌を考える。 ラクトースオペロンから発現する mRNA
問2 下線部(b) と (c) に関連して, ラクトースが存在せず, グルコースが存在する培地 ( グルコー
ースオペロン由来のmRNA (lac mRNA とする) は存在しないと考えられる。 また、このオ
は非常にすみやかに分解されるため, グルコース培地で増殖している大腸菌内には、ラクト
ペロンに含まれる遺伝子 lacZ からつくられるラクトース分解酵素は分解されにくく長く
は無視できるほど少ないと考えられる。 グルコース培地で増殖していた大腸菌を,グルコー
スが存在せず, ラクトースが存在する培地 (ラクトース培地とする)に移すと, ラクトースオ
ペロンが発現する。 ラクトース培地に移された大腸菌内で, lac mRNAの分解速度はグル
細胞内に残るが, グルコース培地で増殖している大腸菌内でのラクトース分解酵素の存在量
コース培地で増殖していたときと同じまま, lac mRNA の細胞内での存在量が図1のよう
に変化したものとすると, ラクトースオペロンの転写速度, lac mRNAを利用した翻訳の
速度 ラクトース分解酵素の存在量は、それぞれどのように変化したと推測できるか。それ
ぞれの変化を示すグラフとして最も適当なものを、次の①~③のうちから一つずつ選べ。な
お、同じ番号を繰り返し選んでもよい。また、①~⑨の縦軸は,転写速度・翻訳速度・酵素
の存在量のいずれか相対値を示し,横軸は時間〔分] である。図中の点線は図1のmRNA
量の変化を示すものとする。
転写速度 22 翻訳速度 23 ・酵素の存在量 24
4
4
mRNA 3
量
(相対値)
2
1
5
10
$
時間 〔分〕
図 1
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