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次の文章を読み、後の各問いに答えよ。 温度はすべ
水に対する塩素 Cl の溶解度は, 25℃, 1.013 × 10 Pa で 0.090 mol/Lであり、水に
けた Cl は一部が水と反応して塩化水素 HCI と次亜塩素酸 HCIO を生じる (①式)。
6.09mal ル
Cl + H2O HCI + HCIQ ... D
0.5mol
0.03 marz
0.03 mol/L
HCI は強酸であり水溶液中で完全に電離する。 一方, 弱酸である HCIO は水溶液中で
その一部が電離して水素イオンH+と次亜塩素酸イオン CIO を生じ, ②式のような平衡
状態となる。 25℃におけるHCIOの電離定数 K を③式に示す。
次に, 0.090mol/Lの塩素水 20mLに、0.10mol/Lの水酸化ナトリウムNaOH水溶液
を滴下したところ,図1のように二段階からなる滴定曲線が得られた。ただし,V[mL)
は水酸化ナトリウム水溶液の体積を表している。
PH↑
0.03
HCIOH+ CIO-
K=[H+][C10]
[HCIO]
......②
3.0×10mol/L ...... ③
0.090 mol/Lの塩素水では, 0.060mol/LのCl 分子は分子の形のままで溶解し、残りの
0.030mol/LのCl 分子はHCI と HCIO に変化する。 HCI から放出されたH+により、
HCIO の電離は大きく抑えられるので、塩素水中のH+はHCI の電離によるもののみを考
えればよい。 よって, 0.090mol/Lの塩素水のH+のモル濃度は, [H+]=
mol/L
[CIO]
となる。 また, ③式より, 0.090mol/Lの塩素水では
キ
[HCIO]
と求まり, 塩素
水中ではHCIO はほとんど電離していないことがわかる。
10+10
-6
CD2H2O 2 Hol + Hclo
0.09
-003
0.06
3.0×10
36×10^
8
0.03
70.03
7003
0.03
0.03.
[C20]
[HCRO]
V 1.5V 2V
水酸化ナトリウム水溶液の滴下量 〔mL)
図1 塩素水の滴定曲線
滴定曲線が図1のようなグラフになったことを,次のように考察した。
《考察》
(i) NaOH は, HCI および HCIO と中和反応する。
() 中和反応で酸が消費されると、 ①式の反応が右に進み、酸が新たに生じる。
() 塩素水の中和が完了すると、 分子の形のままで溶けていた Cl2 も ①式の反応を通じ
塩化ナトリウムNaCl と次亜塩素酸ナトリウム NaClO だけが
てすべて消費され
溶けている水溶液になる。 図1の滴定曲線で, 中和が完了したのは滴下量2V 〔mL]
のところである
(iv) 中和反応が進行中の段階で、水溶液中に HCI が存在するときは、その電離によっ
て生じたH+によってHCIO の電離が抑えられる。 そこで、 ①式の反応で新たに生じ
るものも含めてHCI がすべて中和されてなくなった後, HCIO が NaOH により中和
されていく。 このため二段階からなる滴定曲線になる。