22
語を作っていても、 常に尊敬の意味
「す」「さす」しむ」
意味の判別法の
原則
次の例のように、使役の対象がある場合は使役の意味である。
(7)このかたに心得たる人々に弾かせ給ふ。
(源氏物語・末摘花)
音楽の方面に心得のある女房たちにお弾かせになる。)
山本周回
応用問題
次の文中の傍線部の助動詞の意味を答えよ。
1
次の文中の傍線部を、例にならって文法的に説明せよ。
1月の都の人まうで来ば、捕へさせむ。
(竹取物語)
月
の人が参上するならば、捕えさせよう。
例 尊敬の助動詞「す」の未然形
これだか
今「かかること。」と、声高にものも言はせず。 (土佐日記)
今夜は、「こんなにひどいありさまである)こと。」と、(従者たちに)大声でも
みかうし
みす
のも言わせない。
③ などかうは泣かせ給ふぞ。 この花の散るを惜しうおぼえさ
どうしてこのようにお泣きになるのですか。 この花が散るのを惜しくお思いに
ふか。
①(私が女官ニ)御格子あげさせて、御簾を高くあげたれば、
(私が御前の)御簾を高く掲げたところ、
(中宮様ハ)笑はせ給ふ。
②人をやりつつ求めざすれどさらになし。
人を行かせて
(枕草子・二八〇)
(大和物語)
なるのですか。
(宇治拾遺物語)
4人に食することなし。 ただひとりのみぞ食ひける。
他人に食べさせることはない。いつも自分だけで食べた。
(御鷹は)まったく見つからない。
③ あなかま、人に聞かすな。
しっ、静かに、
てんりやく
(更級日記)
いつたり
ごせん
(徒然草 六〇)
また知らず、仮の宿り、誰がためにか心を悩まし、何によ
また(私には)わからない
(であるこの世の家)を、誰のために心を
り。
目を喜ばしむる。
方丈記)
ませて作り)、どういう理由で目を喜ばせる(ように飾り立てる)のかが
4 天暦の賢帝は、五人に仰せて『後撰集』を集めしめたまへ
天暦の聖帝(村上天皇)は、五人(の撰者)に命令して
(新古今集・仮名序)