第6講~8講
次の文章を読み、以下の問1~6に答えよ。
すべての細胞は,細胞膜によって細胞外の環境と隔てられている。 細胞膜は,その厚
1つの親
さが約5~10アであり,電子顕微鏡でないと判別できないほど薄い膜である。
シンガーとニコルソンが提唱した流動モザイクモデルによると, 細胞膜は,
水性部分と2つの疎水性部分をもつイ 脂質が規則的に並んだ層の中にタンパク質
細胞外か
が埋め込まれた構造をしており,イ 脂質やタンパク質は膜内で移動することがで
(b)
きる。このような構造的特徴から細胞膜は,単に静的な構造体ではなく,
ら細胞内への物質輸送や情報伝達 細胞内から細胞外への排出輸送, 浸透圧の調節,
胞内外のイオン濃度勾配の維持, 自己と非自己との識別, 神経細胞の興奮に応じた軸索
末端部からの神経伝達物質の放出など, 生体にとって重要な機能を担っている。
細
(c)
ミトコンドリアを構成する膜も,細胞膜と同じような構造をしている。 ミトコン
(d)
ドリア膜には、呼吸の電子伝達系に関与するシトクロムや, アデノシン三リン酸(ATP)
合成酵素などのタンパク質が存在する。 電子伝達系では, 解糖系とウ 回路で生じ
た還元型のエやフラビンアデニンジヌクレオチドから, オと電子が放出さ
れ、電子はシトクロムなどのタンパク質複合体の間を受け渡しされる。 この電子移動に
はさ 1
伴って, ミトコンドリア膜を挟んでオの濃度勾配が形成される。 ATP合成酵素は.
オ | の勾配を利用してATPをつくる。 このとき, グルコース1分子あたり,最大
カ |分子のATPが合成される。 このようなミトコンドリアにおける電子伝達系で
と呼ばれる。
のATP合成反応は,
★★
3 細胞膜の特性