I 次の会話文を読み, 下の各問いに答えよ。
先生:今日は, 食酢に含まれている酢酸CHCOOH のモル濃度を,中和反応を用いた
実験によって求めてみましょう。食酢に含まれている酸は,酢酸のみであると考
えて構いません。どのような実験器具を用いますか。
生徒X:ビュレットやホールビペットを用いればよいと思います。
先生:よくわかりましたね。次に示している器具を用意していますので, 自由に使って
ください。器具はすべて乾いています。 また, 中和滴定に用いる塩基は,
0.10 mol/L の水酸化ナトリウム水溶液を用いてください。
[用意している器具)
容量 25 mL のビュレット,容量 10mLのホールピペット,
容量 100 mL のメスフラスコ,容量 100 mLのコニカルビーカー,
ろうと,ピュレット台,安全ビペッター
先生:それでは, 食酢をホールビペットで10.0mL はかりとって, コニカルビーカー
に入れたものを試料Aとして,指示薬を加えて滴定実験をはじめてください。
生徒Y:酢酸は弱酸だから,同じモル濃度と体積の塩酸とくらべると,(1pHは酢酸水溶
液の方が大きいし, 2中和点までに必要な水酸化ナトリウム水溶液の体積は, 酢
酸水溶液との滴定の方が少なくてすむよね。
生徒X:この反応は弱酸と強塩基の中和だね。3中和点は塩基性側に偏るから, 4指示薬
はフェノールフタレインを用いることにしよう。
生徒Y:先生。ビュレットに入れた水酸化ナトリウム水溶液をすべて加えても, 指示薬の
色が変わりません。 何か失敗したのですか。
先生:実験では,うまくいかないことはよくあります。 食酢 100mL 中に酢酸のみが4.2g
含まれているとして, 食酢10.0mLを用いた滴定実験で過不足なく中和するまで
に必要な 0.10 mol/L の水酸化ナトリウム水溶液の体積は何 mL ですか。
生徒Y:
mL になります。だからうまくいかなかったのですね。
a
先生:その通りです。では,何を改善すればうまくいくと考えられますか。
生徒X:わかりました。このままでは一度に滴定できないので、
を試料Bとし
b
て滴定実験をすると,うまくいくと思います。