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対偶を利用した証明 (1)
基本例題 56
整数 n の平方が3の倍数ならば,nは3の倍数であることを証明せよ。
指針n² が3の倍数→nが3の倍数 を直接証明するのは, 「n² が3の倍数」 が扱いにくいの
で面倒である。 そこで, 対偶を利用した (間接) 証明を考える。
対偶を考えるとき,「nが3の倍数でない」ということを、どのような式で表すかがポイン
トとなるが,これは次のように表す (検討 参照 )。
n=3k+1[3で割った余りが1], n=3k+2[3で割った余りが2]
なお,命題を証明するのに,仮定から出発して順に正しい推論を進め、結論を導く証明は
を直接証明法という。これに対して, 背理法や対偶を利用する証明のように, 仮定から
間接的に結論を導く証明法を間接証明法 という。
解答
与えられた命題の対偶は
「nが3の倍数でないならば,n²は3の倍数でない」
である。
nが3の倍数でないとき, kを整数として,
n=3k+1またはn=3k+2
と表される。
[1] n=3k+1のとき
n²=(3k+1)^=9k²+6k+1
=3(3k²+2k)+1
3k²+2k は整数であるから,n²は3の倍数ではない。
[2] n=3k+2のとき
n²=(3k+2)^=9k²+12k+4
=3(3k²+4k+1)+1
3k²+4k+1は整数であるから, n²は3の倍数ではない。
[1], [2] により, 対偶が真である。
したがって, 与えられた命題も真である。
基本 55
0, 1)
2で割った余りが
① 直接がだめなら間接で
対偶の利用
(p.99 の検討も参照。)
検討 整数の表し方
整数nは次のように場合分けして表すことができる (kは整数)。
① 2k, 2k+1
(個数、奇数
② 3k, 3k+1, 3k+2
(3で割った余りが 0 1,2)
③ ph, pk+1, pk+2, ., pk+(p−1) (pで割った余りが 0, 1,2, ......
詳しくは数学A で学習する。
3× (整数)+1の形の数は,
3で割った余りが1の数で、
3の倍数ではない。
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