■ (3): 下線 ① のようにベンゼン環は付加反応を起こしにくいが, 一般 1,3−ブタ
ジエンのような 1,3-ジエンは付加反応を起こしやすく、酸を触媒とした水
との反応では、下の図に示すように炭素陽イオン中間体を経由して二種類の
アルコールを生じる。一方, トルエンからニトロトルエンを生じる反応
は,ニトロニウムイオン NO2+とベンゼン環から生じる同様の炭素陽イオン
中間体を経由する置換反応である。ここで, ベンゼン環を 1,3,5-シクロヘ
キサトリエン環として考え,置換反応ではなく付加反応が起こると仮定す
る。p-ニトロトルエンを生じた過程で,中間体が水と反応して生成するアル
コールについて,考えられる構造式をすべて記せ。 ただし, 立体異性体につ
al-0 1-
いては無視すること。
K
&H*
H*
CH2=CH-CH=CH2
HR
H2O
炭素陽イオン中間体
CH3–CH-CH=CH2
→ CH3-CH=CH-CH2
2009 18
(は,二重結合や電荷の移動を表す)
CH3-CH-CH=CH2
T
OH
および CH3-CH=CH-CH2
1
OH
+H*