-
-
子式は、CH,Oと CoH,O の2種類しか存在しない。
また。
1.0078, 酸素'®O の相対質量は15.9949 であることから, 炭素?C.水素 'H, 酸素
160 で構成される CH-O2 の精密な質量は58.0054. C,H,O の精密な質量は58.0417
となる。したがって,高分解能質量分析法によって精密な質量が測定できれば, 元素
分析を利用しなくても,分子式が決定できることになる。
(1) 炭素 C.水素H, 酸素Oの3種類の原子のみで構成される炭素数5以下の化合
物Eがある。化合物Eの整数で表される分子量が90 のとき、 下線部①のように、
その分子式の数学的な組み合わせは,何種類あるか答えよ。
(2)(1)のうち、下線部②のように,実際に存在すると考えられる化合物 Eの分子式
をすべて示せ。
(3) 下線部3のように,炭素'"C,水素 'H, 酸素 16O で構成される化合物 Eについて,
高分解能質量分析法によって小数点以下第4位までの質量を測定したところ。
90.0315 であった。(2)で解答した分子式のうち、化合物 Eの分子式として適切な分
子式を示せ。
(4) 化合物Eは、環状構造を含まない構造をしており,不斉炭素原子を有していた。
化合物Eを還元すると、不斉炭素原子をもたない多価アルコールである化合物F
が得られた。化合物 Eおよび化合物Fの構造式を示せ。
(5) 化合物Fに濃爾酸と濃硫酸の混酸を作用させると起こる反応の化学反応式を示
2
芳香族化合物
解答O別冊84真
炭素2C の質量を12.0000 とし、これを基準とした水素 'H の相対質量は
6機器分析による構造決定
次の問間1~3に答えよ。 構造式は記入例にならっ
記入例:
H.C 6-o-0
て示せ。
原子量:H=1.00, C=12.0, O=16.0
次の文章を読み,(1), (2)に答えよ。
油田の油井から汲み上げられた石油をア
という。一方、液体の混合物を沸点のわずかな差を利用して,蒸留によって成分ごと
に分離する操作をイ]という。製油所の精留塔内部には数十段のトレーがあり、
下部で加熱されたア]は蒸気となり,沸点の ウ物質ほど、上のトレーに凝縮
してたまる。口イ]によりア]から軽油、灯油,粗製ガソリンとよばれる I|
などの成分に分けられる。エ]は,熱分解によってベンゼンやオ]などになり、
化学工業の原料に使われる。また,石油の中に含まれる硫黄化合物は、大気汚染や酸
性雨の原因になるので、触媒などを使って取り除かれる。このような操作を カ
という。
(1) |アコ~ エおよび口カに当てはまる語句を記せ。
(2) ベンゼンと オ]を触媒を用いて反応させると,エチルベンゼンが合成される。
| オの構造式を示せ。
問2 次の文章を読み、化合物 A~Cの構造式を示せ。
ベンゼン環を有する分子式 C,HgO で表される化合物A~Cがある。化合物 Aは金
属ナトリウムと反応しないが,化合物 B, C は金属ナトリウムと反応し、水素を発生
問1
H,C-CH H
CH3
せ。
(千葉大)
7配向性と芳香族化合物の合成
する。
有機化合物の構造を知る方法として、核磁気共鳴分光装置を利用し
た構造決定法がある。 核磁気共鳴分光装置により,有機化合物を測定
すると,有機化合物の物理的性質や化学的性質の異なる水素原子がそ
れぞれ何種類存在するかを観測することができる。例えば,右に示す
クロロペンゼンの測定を行うと,H, Hおよび H。という3種類の水素原子が存在し、
その存在比は2:2:1の比率であることがわかる。
核磁気共鳴分光装置により化合物Bの測定を行い,化合物Bの水素原子を分析し
たところ,異なる性質をもつ水素原子が4種類観測され,その水素原子の存在比は
3:2:2:1であった。同様の測定を化合物Cについて行ったところ,5種類の水素
原子が観測され、その存在比は2:2:2:1:1であった。
問3 次の文章を読み, (1)~(5)に答えよ。
有機化合物の分子式は,一般に, 分子量と元素分析による組成式から決定するが、
最近では,高分解能質量分析法を用いることによっても分子式を決定できる場合があ
る。例えば、炭素C. 水素H, 酸素Oの3種類の原子のみで構成される化合物の分
子量が8のとき、
CHsO, CH-O2 CaH,O の5種類が考えられるが
次の文章を読み、問1~5に答えよ。
ベンゼン環上の換基の種類により芳香族化合物の置換反応の位置が異なることが知
られている。ヒドロキシ基(-OH)やアルキル基をもつ芳香族化合物は、 オルト位とパ
ラ位で置換反応が起こりやすく、カルボキシ基(-COOH)やニトロ基 (-NO2)を有する
化合物では、メタ位での反応が優先する。このような性質を,配向性という。
トルエンをニトロ化し、ニトロ基が1つ導入された化合物 A とBが生成した(次図)。
AとBを分離した後、臭素を作用させると、AからはCが主に生成し、BからはDと
Eが得られた。化合物 C. D,Eは男
アミンドへ変換し、亜爾酸ナトリウムと塩酸を加えて、化合物Gを得た。Gと化合物
1との反応で、化合物2が生成した。
サリチル酸は、|ア]に水酸化ナトリウムを作用させた後、高温·高圧条件下にお
けるイ]との反応で合成されている。一方、
から三段階の反応で合成できる。
H。
H。
H, やH。
CI
れぞれ1つ有している。Cを芳香族
サリチル酸の異性体3は、トルエン
その分子式の数学的な組み合わせは,CH30O, CH,402
実際に存在する化合物の分
52
第4章 有機化合物
53