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Chapter 1 電磁気
Section 4
交流と荷電粒子の運動
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例題 35
交流回路②
以下の空欄(ア)~(シ)にあてはまる式または語句を解答用紙の該当す
る欄に記入せよ。 また, 空欄(a), (b)にあてはまる答えを図3から選び、
その番号を解答用紙の該当する欄に記入せよ。
る。したがって、同じ電圧振幅 V を発生する交流電源に接続するとき,
コンデンサーが蓄えるエネルギーの最大値は直列接続の場合(
[J] であり, 並列接続の場合(ク) 〔J〕 である。 また, コイルが蓄え
るエネルギーの最大値は、 直列接続の場合は) [J] であり,並列
接続の場合は) [J] である。 並列接続の場合, コンデンサーが蓄
えるエネルギーの最大値とコイルが蓄えるエネルギーの最大値が等
しくなるのはω=)〔rad/s〕のときである。
コンデンサーから放射される電磁波の強さは, コンデンサーが蓄積
するエネルギーに比例するとしよう。 交流電圧源の電圧振幅 Vo を一
として、交流電圧の角振動数を変えて電磁波の放射エネルギーを大
きくしようとするとき, コイルとコンデンサーの直列接続と並列接続
とを比較するとシン) 接続のほうがより強く電磁波を放射すると考
えられる。
図1に示すように, 電気容量がC〔F〕] のコンデンサーを角振動数ω
[ rad/s ] の交流電圧を発生する電圧源に接続する。 回路には時間を
[s] として,図2に示すようなIo cos wt 〔A〕 の交流電流が図1の矢印の
向きを正として流れる。 t=0s でコンデンサーの電圧は0Vで,コンテ
ンサーの蓄える電荷はOCであった。 交流電流が流れることによって
時刻に図1のコンデンサー上側の極板が蓄える電荷は) [C]で
あり、コンデンサー両端の電圧は() [V] である。この交流電圧
はコンデンサーの極板間に,時間的に変動する電界を作る。
変動する電界付近には, 変動する磁界が発生する。 図2の0<t<
/ 200の間では,コンデンサーの極板間の電界の向きは図3の(a)
の向きである。この向きの電界の時間変化率は0<t < π/20 の間で正
であり、この間に変動する電界は、コンデンサーの上側極板に流れ込
む電流が,そのままコンデンサーの極板間を流れるものと考えた場合
に発生する磁界と,同じ向きに磁界を発生する。 したがって,0<t
<π/20の間にコンデンサー周囲に発生する磁界は図3(b)の向
きである。 この磁界の周りには、変動する電界がさらに発生する。 こ
うして、コンデンサーの周りには、次々と変動する磁界と電界が発生
し、周りの空間に伝えられる。 これが電磁波である。 光の速さをc[m/
s] とすると,このコンデンサーから放射された電磁波の波長は(ウ)
[m〕 と計算される。
コンデンサーから電磁波を発生させるとき, コンデンサーとコイル
を接続した回路がよく用いられる。 電気容量C [F] のコンデンサーと
自己インダクタンスL [H] のコイルを,図4のように直列接続する場
合と,図5のように並列接続する場合を比較しよう。図4の直列回路
I cos at 〔A〕 の交流電流が流れるとき, 電圧源が発生する電圧の振
幅は国〔V〕である。 一方, 図5の並列回路のコイルとコンデンサー
Vosin at 〔V〕 の電圧を加える場合には, コンデンサーに流れる電流
の振幅は(オ) [A], コイルに流れる電流の振幅はカ) [A] であ
図 1
考え方の
キホン
電流
415
図4
電流 [A]
Io
0
-10
2ω
②
3
w2w
図2
図5
2x
時間
t(s)
コンデンサー
-0
電流
図3
(同志社大)
交流で電圧や電流を求める場合、 普通は,振幅(最大値) と位相を
別々に処理すればよい。 振幅はオームの法則から求め、位相はπ/2
だけ進むとか遅れるとかを判断し, cot+π/2とかwt-π/2とかとすればよい。ただ
この問題では、設問の順序からみて、 微分や積分を用いて解答するのが、出題者
の意図であろう。
1-4 交流と荷電粒子の運動
電磁気
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