207 (1) (ア) HNO3 (イ) H2SO4
(2) ①
② い ③ う
(3) X
(4) H2N- -COOCH2CH 3
解説 トルエンからの経路をまとめると次のようになる。
1. CH3
CH3
CH3
ニトロ化
HNO3
H2SO4
NO 2
混酸を用いてニトロ化すると, o- とかの置換体が主に生成する。
2. CH3
COOH
Z
酸化
KMnO4
NH2
-NO 2
NO2 X
NO2 Y
KMnO4 で酸化した後, 酸性にすると弱酸(-COOH) が遊離する。
3. COOH
COOH
COOH
還元
遊離
H+
Sn
HCI NH3+
NO2 Y
NH2 Z
ニトロ基を還元するが, 溶液は酸性で-NH3+ となっている。
ふつうは強塩基を加えて遊離させるが, Zには−COOH があるため
強塩基と反応して塩になってしまう。 よって, 強い塩基性としない
意味で 「中性にする」 と答えた。
4. COOH
COOC2H5
遊離
エステル化 遊離
C2H5OH OHT
H2SO4
OHT
NH2
ベンゾカイン
エステル化の触媒として H2SO4 (濃硫酸) を用いる。 -NH3+ を - NH2
にするため,塩基性にする。
(3)Zには−NH2とCOOH Y には -COOH があるため, 分子間で水
素結合を形成するが, X には −NH2 や COOHなどの官能基がない。
よって, Xは分子間力が最も弱く, 融点が最も低いと考えられる。
(クロロホルム) CHCl3
テトラクロロメタン
(四塩化炭素) CC14
ベンゼン環に結合した置換基
の種類により、次の置換基の
入りやすい位置が決まること
を配向性という。
-CH3, -NH2, -OH, C1 など
はベンゼン環に,少し電子を
押し出す性質 (電子供与性)
がある。 このとき,次の置換
反応は, 電子密度の高くなる
o位とか位で起こりやすく
なる (オルト・パラ配向性)。
[参考] NO2, -COOH, SO3H
などはベンゼン環から電子を
引っ張る性質(電子吸引性)
がある。 このとき, ベンゼン
のo位とか位の電子密度
が低くなり, 相対的に高い
m-位で次の置換反応が起こ
りやすくなる (メタ配向性)。
化学重要問題集 119