常温常圧で無色の固体
124 正確な濃度のシュウ酸標準溶液を用いて過マンガン酸カリウム水溶液の濃度を求め,その過マンガン酸カリウム水溶液を用
いて過酸化水素水中の過酸化水素 H2O2 の濃度を求めることができる。
純粋なシュウ酸二水和物(COOH)2・2H2O0.630g を蒸留水に溶かしてメスフラスコに入れ, 蒸留水を加えて100.0mLにした。 このシ
ュウ酸水溶液10.0mL をホールピペットでコニカルビーカーに取り, 9.00mol/L 硫酸 5.00mL を加えて (a) 60℃まで温め, (b) 濃度未知の
過マンガン酸カリウム水溶液で滴定したところ, 9.80mL を要した。
濃度未知の過酸化水素水 10.0mL をホールピペットで取ってメスフラスコに入れ, 蒸留水で薄めて全量を 100.0mLとした。 この
過酸化水素水 10.0mL をホールピペットで取り, 9.00mol/L 硫酸 5.00mL を加えて先の過マンガン酸カリウム水溶液で滴定すると,
9.45mL を要した。
無色透明な液体
なお, 原子量はH=1.0,C=12.0, 0=16.0 とし, 数値は有効数字3桁で答えよ。
(1) 次の文章中の
に適する化学反応式を入れよ。
硫酸酸性における過マンガン酸カリウムとシュウ酸との反応を化学反応式で書くと(ア)となる。 過酸化水素水は、 過マン
ガン酸カリウムのような強い酸化剤に対して, 電子を与えるはたらきをする。 硫酸酸性における過酸化水素と過マンガン酸カリ
ウムとの反応を化学反応式で書くと(イ)となる。
(2) 滴定の終点は,どのような色の変化でわかるか。
(3) 下線部(b)の滴定の結果から,過マンガン酸カリウム水溶液のモル濃度を求めよ。
(4) 下線部(c) の過酸化水素水について、薄める前の① モル濃度, ②質量パーセント濃度を求めよ。 ただし,水溶液の密度は
1.00g/cm² とする。
(5) 下線部(a)について, 溶液を温める理由を簡単に説明せよ。
(6)この実験では溶液を酸性にするのに硫酸を用いているが,塩酸や硝酸を使用すると正しい結果が得られない。この理由を60字
程度で説明せよ。 (香川大改)