2 以下の説明を読み、 設問 (1) (6) 答えよ.
授業中に周波数を少しずらした二つの音を発生させて、唸りが聞こえるこ
とを実演した.この現象を数学的に記述してみよう。
音とは、空気の振動が空気中を伝播して耳に届くことで認識される自然現
象である. tを時刻 (単位:秒) として、振動がy=sin (ct) (cは定数) の
形で表される波を正弦波と呼ぶ。
正弦波の周波数 (単位:Hz=1/秒) とは 「波が1秒間に何回振動する
か」 を表す量である. 例えば sin (2t) は 「周波数1の正弦波」 であるが、
この音波は人間の耳には聞こえない。 人間の可聴域はだいたいf=20Hz
15,000Hz であると言われている。
(1) 周波数 f(Hz) の正弦波を時刻t (秒) の関数で表せ。 (ヒント: f
は正の整数であると考え、 t=1のときに sin の中身が 「f回回転
「した角度」を表すように定数を定めれば良い)
さて, 音波は重ね合わせの原理が成り立つ。 つまり、二つの地点から発せ
られる音波がある地点Pでそれぞれ a(t), b(t) で表されるとき, それら
を同時に発生させると P では a(t)+b(t) という音波となる.
いま周波数 f=400Hzを中心として、そこから前後に1Hz ずらした二つ
の周波数 f=399 Hz, fz = 401Hz を考えよう。
(2) 周波数ffzの正弦波を同時に発生させたときに観測される音波
a(t) を二つの三角関数の和の形で表せ。 (式になったの値は代入
しなくて良い。)
(3) h = f1 = f +1 であることと、 三角関数の加法定理を用
いて、上の式を二つの三角関数の積(の定数倍) の形で表せ。
(4)
この積に現れる二つの三角関数のグラフの概形をt=-1からt=
1までの範囲でそれぞれ描け. (一方は正確に描くのは人間には
不可能なので雰囲気で良い。 もう一方は正確に描くこと.)
(5)
(4) を用いて音波 α(t) の概形を描け.
(6) この唸りの周期は何秒か?
以上.