pH を縦軸に取り、 曲線を描くと中和滴定曲線が得られる。 この中和滴定曲線において、 中和
が終点に近づくと水溶液のpHは急激に上昇し、pHが5~9 の範囲ではほぼ垂直になることが
分かっている。 この場合、 中和の終点を知るために、酸, 塩基の指示薬を用いる。 各指示薬は
品によって変色する範囲(変色域)が決まっている。
pHの飛躍限界
(注2) 水溶液のpHによって特有の色調を示す化合物を酸, 塩基の指示薬という。
指示薬の例
0~10.0
Congo Red, Methyl Orange,
Methyl Red, Phenolphthalein
5~9.5
Phenolphthalein
中和滴定の種類
強酸と強塩基
(0.1N 程度)
強酸と強塩基
(0.01N 程度)
強酸と弱塩基
弱酸と強塩基
弱酸と弱塩基
0~7.0
Congo Red, Methyl Orange, Methyl Red
7.0~11.0
Phenolphthalein
6.8 ~ 7.2
Neutral Red
強酸の例: 塩酸,硫酸、硝酸
弱酸の例: 酢酸, ギ酸
強塩基の例: 水酸化ナトリウム, 水酸化カリウム
弱塩基の例 : アンモニア
[ 実験準備 ]
(器具)
電子化学天秤,薬サジ, 三角フラスコ (100ml,300ml), ホールピペット, ビーカー,
ビュレット, ロート, スタンド, ビュレットバサミ
(試薬)
水酸化ナトリウム, フェノールフタレイン (0.1%, アルコール溶液),食酢, 0.100M 塩酸
標準液
[ 実験操作 ]
(実験 1) 0.1M 水酸化ナトリウム溶液の調製と標定
(1) 0.100 M NaOH水溶液 200mL を作るのに必要な量を計算せよ (有効数字に留意するこ
と)。
0,800g
(2) NaOH の必要量をはかり、300mLの三角フラスコに入れてから蒸留水約100mLを加
えて、フラスコを回転させて溶解する。 完全に溶解させた後、 蒸留水を加えてフラスコ
のメモリで200mL とする。 (NaOH は粒状であるため、必要量を正確にとることは困
難である。 また、 三角フラスコのメモリは不正確であり、 作った溶液は正確に 0.100M
NaOH というわけではない)
(3) 0.100 M HC1 標準溶液 約 40mlを100ml 三角フラスコに移す。 ここから、ホールピペ
ットで10.0mLをとり100mLビーカーに移し、 0.1% フェノールフタレインを1~2滴
加える。 さらに蒸留水約20mL を加える。
(4) 前に作成した 0.1 M NaOH 水溶液をビュレットにとり、(3) の HC1 標準溶液に滴下す
る。 塩酸溶液を加えたら充分に撹拌する。 わずかに紅色を示し、 その色が 30 秒以上消
えない点を終点とする。滴下量は小数点2桁まで読み取ること。