むやみに高い関税をかけるデメリットは主に２つあります。
①相手国と対立を生む場合がある
近年のアメリカがそうです。アメリカは強硬な保護主義的な通商政策を行った結果、中国やフランスなど欧州連合、インド、トルコなど、多くの国との対立を生んでいます。
②貿易が低迷することによって、国の生産性向上が阻害され、経済の成長力が低下する恐れがあります。具体例を言うと、アメリカの鉄鋼業界は外国の安くて品質の良い鉄鋼を恐れ、政府に鉄鋼輸入に高い関税をかけるよう働きかけました。アメリカの鉄鋼業は外国製と競争する必要がなくなり、品質改良や企業努力を怠った結果、国内からも不評が相次ぎ、高関税が解除されて雪崩れ込んだ外国製に対抗できず、壊滅状態になったのです。
