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基幹農業と産業のコメとはなんですか?

回答

基幹産業じゃなくて基幹農業ですか?
基幹産業ですと、かつては鉄鋼業でしたね。日本の主要工業の一つ、自動車工業ではエンジンやボデー、シャーシ、タイヤ、ガラスなど1万点くらいの部品を組み立てます。高度経済成長期までの主要工業には、造船業もありました。いずれにしても鉄を材料にした産業ですよね。建設現場を想像してください。木造の住宅やプレハブ住宅も多いですが、少し大きな建造物ですとまず鉄の骨組みから始まりますよね。コンクリートでできた基礎の中にも鉄骨が入っています。つまり、鉄がなければあらゆる工業は成立しない。だから基礎になる、幹になる産業ということで「基幹産業」と呼ばれました。エネルギーとしては、1960年代に石炭から石油へと主役が交代していきました(エネルギー革命)が、原油の輸入が大きくなるにつれて、エネルギーとしての利用にとどまらず原料として石油が活躍するようになって、特に1970年代からプラスティック製品、ビニル製品、合成ゴム製品などの需要が高まっていきましたが、1990年代くらいになると石油化学工業が基幹産業的に成長しましたし、2000年代以降ですと集積回路の入っていない家電製品、ゲーム機、通信機器、工作機械、輸送機械など考えられない世の中ですから、現代日本の基幹産業は集積回路を製造する精密電子機械工業では?と思いますね。しかし、集積回路の生産は中国などでも活発になっていますから、日本企業は国内生産に頼ることなく輸入するようになっています。また、「基幹工業」ならまだしも「基幹産業」といえば果たしてそんな時代だろうかと思ってしまいます。もはや日本は工業国からも脱皮して、ソフトウェア産業やサービス業が産業の主役になっていますからね。
さて、基幹農業というのはあまり耳慣れないですが、それは相変わらず水稲栽培でしょうか。しかし、それは上に述べた「基幹」とは少し意味が違っていて、米で何かを作るということではなくて、農業の主役というか、農業政策の基礎となり幹となる存在というところからでしょう。主食であり、圧倒的に農業従事者の多くが水稲作に携わっているからです。そんなコメの存在を元に、集積回路のことを「産業のコメ」という愛称で呼ぶことがあります。この言葉と「基幹産業」という言葉はほぼ同じ意味だと思いますが、大きくて重い鉄鋼に対して小さいけれど・・・という意味が含まれているのではないかと想像します。

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