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免疫とは、自己と非自己を認識し、自己は受け入れ、非自己を排除する反応です。
例えば、病原体に対する免疫も、厳密には「病原体だから」排除しているのではなく、「自己でないから」排除したものが、病原だったというだけです。
今回の実験では、先ほどの説明に出てきた非自己のものが、病原体から、違う系統の皮膚やリンパ球に変わっただけです。
自己は受け入れ、非自己は排除するというのは、自己なら通し、非自己は通さない検問があると考えると分かりやすいかも知れません。

実験1.A系統のマウスにA系統の皮膚を移植したところで、皮膚は脱落しません。これは、A系統のマウスにとって、A系統=自己→排除しなくてもいい、となるためです。

実験2.1と同じく、A系統のマウスにとってはA系統=自己であるので、逆に言うと、≠A系統→非自己になります。B系統は当然A系統ではないので、非自己と認識されて脱落します。

実験3.これは、2との比較で考えます。2との違いは、「すでにB系統の皮膚を移植され、脱落した経験があるかないか」「脱落するまでの期間」の2つです。脱落するまでの期間に差があったのは、B系統の皮膚が脱落した経験の有無に依るものだと考えるのが自然です。
経験の有無による変化といえば、記憶細胞があります。免疫機能の一つに、免疫記憶というものがあり、同じ抗原(非自己)の二度目以降の侵入に対しての応答(二次応答)が、一度目の応答(一次応答)よりも早く強くなるというものです。これは、一度目の抗原侵入に反応したB細胞やT細胞が、抗原を記憶し、二度目以降にそれを使うためです。
例えるなら、初めて解く問題よりも、以前に解いたことのある問題の方が、早く正確に解くことが出来ると思います。これは、問題(抗原)に対する解き方(排除の仕方)を記憶していたからです。
よって、二度目以降のB系統の皮膚の移植に対しては、記憶細胞が働き、早く脱落するのです。

実験4.出生直後には、免疫機能が未発達なため、非自己を自己と認識してしまうことがあります。よって、出生直後のB系統のマウスにA系統のリンパ球を移植すると、そのB系統のマウスは、A系統を自己と認識したまま成熟します。もう少し詳しく述べると、A系統を非自己として認識する細胞が除去されたまま成熟することになるので、成熟後にA系統の皮膚を移植しても、自己と認識し、脱落しないのです。

わざわざ長文本当にありがとうございます。
ひとつひとつ丁寧でとても分かりやすかったです。

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