未来のことと、現在及び過去のことというのは他の方も説明している通りなので、Her jobの文について説明したいと思います。
①Her job is to counsel teenagers.
②Her job is counseling teenagers.
この文はどちらも不自然な文ではありません。
ただ、使う場面は少し異なります。
①はto counsel teenagersがto不定詞です。
to不定詞は動名詞との比較で「未来のことを表す」と説明されるのは確かなのですが、これについて、文法的にというよりはもう少し詳しくイメージがわかると、頭の混乱が解決するのではないでしょうか。
なので文法の細かい理屈を少し横に置いて説明します。
to 不定詞のtoは、もともとは普通の前置詞のtoと同じもので「行き着く先」とか「向き合っている」というイメージを持っています。
一般に
to不定詞を使った文は、それより前の部分で
不定詞の動作に対する
意志・目的意識・必要性や義務感
といった"内面的な認識"を表します。
例えば
I want to visit Paris. パリに行きたい
I need to study harder. もっと勉強する必要がある
どちらも
visit Paris／study harderに対して
I want／I needという内面的な認識が書かれている
だから
①Her job is to counsel teenagers.は、
counsel teenagersという行為に向き合って[=to]
それに対する内面的な認識が
Her job is の部分に表されている
つまり
彼女の抱いている意識（仕事としてやらなきゃ、やろう）の“向かう先”が、
10代の子たちの相談に乗ること
ということです。
文法的なことを補足すると
I want to visit Paris.は第3文型
Her job is to counsel teenagers.は第2文型
というふうに文型も違ったりとかするのですが
とはいえ
S V to 不定詞 という同じ語順を取っているので
イメージ的には似ていると思います。
それと
いま説明した「動作に対する内面的な認識」というのは、実は一般的に助動詞にも当てはまることです。
なので、
すごく極端に言うとto不定詞は助動詞に近い「意志・必要性・義務」などのニュアンスが読み取れる場合が多いのです。
先ほどのto counsel teenagersを「やら【ないといけない】」と書いたのはそのようなことを踏まえてのことです。
①の文は
ここまで説明したようなことを踏まえて訳すならば
①Her job is to counsel teenagers.
彼女の仕事は10代の子たちの相談に乗ること
(で、仕事としてそれをやらないといけない/やろうと思ってやっている)
という感じです。
そして「やらないといけない」「やろうと思って」ということは、その日本語をそのまま受け止めるなら、まだやってなくてこれからすることなわけで、
一般的な「to不定詞=未来のこと」という説明とも親和性があることがわかるでしょう。
一方②の文は、counseling teenagersが動名詞です。動名詞は「〜すること」と訳しますが、見かけ上は〜ingの形を取りますので、いまやっていることやもうすでにやった経験があることを述べるときに使います。
これは①よりは理解しやすいのではないでしょうか。
だから
② Her job is counseling teenagers.
彼女の仕事は10代の子たちの相談に乗ること
(で、普段そうしている)
ということです。
最初の方で「使う場面が違う」と書いたのに、それを書き忘れてしまいました。
①to不定詞の場合は、課せられている仕事の内容をきちっと説明しているニュアンスが強く出ますから、例えば会社案内の「社員さんのお仕事紹介」とか、堅めの文章や公の場で職務内容を説明するようなときに使うことが多いと思います。フォーマルな感じです。
②はもう少し日常語っぽい感じがするかもしれません。（あくまで①との比較の話で、②がとてもカジュアルだというわけでもない）
普段の仕事内容をフラットに説明したいときに使います。友達との会話で「ガールフレンドは仕事何してるの？」とか聞かれたときには間違いなくこっちですね。