手段を表すbyと道具を表すwith
これは知ってれば簡単に区別できて
withの後ろには具体的なものを表す名詞が来ます
with the moneyもそうだし、
例えば「ナイフで」と言いたければwith the knife とか
難しいのはbyなんです。
難しいって言っても形で見分けが付くんですが
「手段のby」は、後ろに次のような名詞が来ます。
①手段となる行為を表す動名詞や抽象名詞
(どちらも、つまりは動詞を名詞形で書いたような表現)
②無冠詞単数の名詞
by carとかby busとかby trainとか
②は説明しようとするとややこしくて、
これのせいで、by〜とwith〜とか他の前置詞の表現が、ごっちゃになると思うんですが
例えばcarでも
the carとかa carとかcarsとかthis car(s)とかだと
具体的な形をもってこの世に存在してる「車」
を表していて
その車・一台の車・複数の車・この車 に乗って
とかっていうときは
in the car とかin this carとかっていうんです
一方で
名詞を、無冠詞の単数形で使うときは
この世に形ある物 ではなくて、
その名詞からイメージされる行動
を表してると思ってください。
(無冠詞と言っても、the/a だけじゃなくてthisとかmyとか名詞の前に何にも付かないで、ということ)
だからby car やby bus っていうのは
「車やバス "に乗る、という行動"」を表してるんですよ。
そういう名詞とのセットでbyを使うときは「手段」です。
これをby the carと言ってしまうと
「この世に形ある物体として存在する車」にbyがついているので、「その車の側で」っていう「近接」の意味になります。
以下余計な説明かもしれませんが
無冠詞単数の名詞と前置詞の組み合わせで他によく使われるのは
go to bed 「寝る」
これはgo to the bed 「ベッドに行く」ではない
bedからイメージされる行動(=寝る)を表してる
go to school 「登校する」
これもgo to the school「学校(の建物)に行く」ではない
schoolからイメージされる行動(=学校で授業を受ける)を表しています
質問に直接お答えするのを忘れてました
by the money だと
(この世に存在する有形物としての)「お金」+ 「のそばで」
の意味になっちゃうと思います
じゃあby money だったら言えるかというと
それも難しくて、その理由は2つあるんです
1つ目はこうです。手段のby は動名詞とか抽象名詞とかなら割と制限なくいろんな名詞とセットになれるけどbusやcarみたいに普通の名詞を無冠詞単数っていう特殊な方法で使う場合は、何でもかんでもOKではなくて、ある程度使い方が決まってると思います。moneyが使えるかというとあまり見たことない表現なので、避けた方が無難でしょう。
2つ目はもっと単純で、今回の場合はthe money I had saved というふうに関係詞節がついていて
「私が貯めた」と言っているので、この「お金」は、この世に存在する有形物としてのお金のことだとしか捉えようがないから、その点で無冠詞単数でby money I had saved とはならないのです。
でも調べてみたら
例えば、レジでお支払いの方法はどうしますかー?って聞かれて
by money 「現金で」
とは言えるみたいですね。あんまりそのイメージなかったです
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/5699649.html
だからby money単独なら「現金で」とは言えるかもしれないけど
今回の場合は2つ目の理由
by money I had saved だと
I had saved moneyとは言えないからおかしい
というのが決定的な理由になりますね
by moneyは可能ですか?