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近代世界システム論とは、もはや大学受験レベルを超えているようにも思いますが・・・
簡単に言えば、産業革命によって、イギリスは清やオスマン帝国などのアジアから原材料を輸入し、また製品を輸出する必要があったからです。
簡単に言えば、16世紀以降の世界経済を「中核」「半周辺」「周辺」に分け、国際的な分業の構造を説明しようとした学説です。ここで言う「中核」とはイギリスやフランスなどの先進地域で技術や資本が蓄積した豊かな国々、「周辺」とは東欧やアメリカ大陸などの後進地域で天然資源や安価な労働力を提供する地域を指します。「半周辺」はその中間と位置づけられますから、イタリアやスペイン・ポルトガルなど南欧があたります。
で、近代世界システムというのはもともとヨーロッパとその植民地であるアメリカだけの概念でした。それがアジアを含む世界全体に拡大したきっかけがイギリスの産業革命です。
産業革命によって、イギリスは工業製品の生産に必要な原材料をヨーロッパ以外の世界中から調達する必要があり、また大量生産した製品を海外の市場に売ろうとするようになりました。そして、清やオスマン帝国を新たな原材料の供給地として、また新たな市場として見なすようになります。その結果、例えばアヘン戦争が発生し、南京条約が結ばれました。入試には出題されませんが、イギリスはオスマン帝国とも不平等な通商条約を結んでいます(バリタ・リマヌ条約)。