回答

学生さんの定番の問題集なんでしょうけど、
全く同じ問題についての質問に
少なくとも10回は答えたことがあります。

繰り上げ構文 っていうやつです。

①People believe that he made a fortune in his youth
(能動態・SVO・Oはthat節)

この文は次のように書き換えられます。
(正確には微妙にニュアンスとかは違いますが)
②People believe him to have made a fortune in his youth
(能動態・SVOC・Oはhim・Cはto have made〜)

①のthat節の主語を、that節の外に出して
believeの目的語にする
するとthat節の中は、主語が外に出ていっちゃったので、節の形では成り立たない
だから主語がなくても成り立つto 不定詞で書き換える

↑このように理解すると良いです。
正確な説明ではないのですが、わかりやすいと思う。
こういう書き換えのことを
「繰り上げ構文」と言います。

今回の問題は、これを受動態にしたものです。
受動態というのは、能動態の目的語を主語にして
文の意味が変わらないように、
全体を書き換えたものです
He loves her 彼は彼女を愛している
↕︎
She is loved by him 彼女は彼に愛されている

①の受動態は、
目的語のthat節を主語にすれば良いのですが
普通that節が主語になるときは、
形式主語のitを置いて、that節は後ろに残しますよね
(that節をそのまま置いても間違いじゃありませんが)
つまり
③It is believed that that he made a fortune in his youth(by people)
(受動態・SV・Sはit =that節・Vはis believed)

②の受動態は、目的語のhimを主語にすれば良いから
④He is believed to have made a fortune in his youth(by people)
(受動態・SVC・Cはto have made〜)

そして③と④を見比べてください。
実は、③の繰り上げ構文が④なのです。
③のthat節の主語heを、that節の外に出す
するとthat節は主語がなくなるから、to 不定詞で書き換える。

そして元々のthat節の主語heは、
is believedの目的語の位置ではなく、主語の位置に来ています。
この理由は次の通りです。
believeは能動態のときに目的語を1つしか取らない動詞です。これが、受動態で使われている。
受動態は、能動態の目的語を主語の位置に動かしているのだから
believeの場合は受動態には目的語はないはずです。
believeは目的語を1つしか取らないから。
だから③を繰り上げ構文で書き換える際も、
that節の主語heはis believedの目的語ではなく、主語の位置にきます。

まとめると
①↔︎②
↕︎ ↕︎
③↔︎④
横矢印↔︎ は「繰り上げ構文」の書き換え
縦矢印↕︎は、能動態と受動態の書き換え
を表しています。

今回の問題では
いま紹介した①〜④の4つの形だけが正しくて、
あとは似たような形でも文法的に間違いになります。
だから、画像の選択肢だと③が正解

長いので一度切ります。

ののののの

sayの問題の方も、同じく繰り上げ構文なのですが
実はsayには繰り上げ構文に関係する重要な制限があります。
sayは「目的語にthat節しか取らない」のです。

つまり、理屈としてあり得る4つの型のうち
◎① They say that he studied abroad(以下略)
× ② They say him to have studied abroad
◎③ It is said that he studied abroad
◎④ He is said to have studied abroad
ということです。

②がダメなのに、それを受動態にした④はありなの?と思うかもしれないけど
④は、②の受動態じゃなくて、③の繰り上げ構文と考えれば良いと思います。

繰り上げ構文は、
主語+動詞+that節 という形を取る動詞なら
どんな動詞にも起こり得ることです。
特に多いのは、thinkとかbelieveみたいに
「思う・考える」系の動詞。
それと、sayみたいにちょっと特殊な型になるものもあります
I am sure that he will win
↔︎ He is sure to win
It seems that he was sick in bed
↔︎ He seems to have been sick in bed

be sure to〜 きっと〜する
seem to〜 〜ようだ
とかって、熟語として機械的に覚えさせられるやつ
これも繰り上げ構文で、
ただしbe sureもseemも他動詞じゃない、なので
受動態にできないし、
繰り上げ構文にしたときに、能動態のままで
that節内の主語が、文の目的語ではなく主語の位置に移動します。

こんなふうに
繰り上げ構文とその能動態・受動態の使い方に
制限があるものもあります。

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