発展問題
思考 計算
139. 塩基の割合とDNA 次の文章を読み, 下の各問いに答えよ。
ある細菌のDNAの分子量は 2.97×10° で, アデニンの割合が31%である。 このDNA
から3000種類のタンパク質が合成される。 ただし, 1ヌクレオチド対の平均分子量を660,
タンパク質中のアミノ酸の平均分子量を110とし,塩基配列のすべてがタンパク質のアミ
ノ酸情報として使われると考える。また,ヌクレオチド対10個分のDNA の長さを3.4nm
とする(1nm=10-m)。 また, ウイルスには,いろいろな核酸を遺伝物質としてもつもの
がある。
問1. この DNAに含まれるグアニンとチミンの割合をそれぞれ記せ。
問2.この DNA は何個のヌクレオチド対からできているか。
問3 この細菌のDNA の全長はいくらになると考えられるか。
問4. この DNAからつくられる mRNA は, 平均何個のヌクレオチドからできているか
問5. 合成されたタンパク質の平均分子量はいくらか。
問6. 表は4種類のウイルスの核酸の塩
基組成 [モル%] を調べた結果である。
以下のア〜エのような核酸をもつウイ
ルスを. ①~④からそれぞれ選べ。
HXDELE
K
ア.2 本鎖 DNA イ. 1本鎖DNA
ARD.
ウ.2本鎖RNA エ.1本鎖RNA
ウイルス
(1)
②
(3)
③
(4)
思考実験・観察
T
塩基組成 (モル%)
A
C
G
T
U
29.6 20.4
20.5 29.5
0.0
30.1
15.5
29.0
0.0
25.4
24.4 18.5
24.0 33.1
0.0
27.9 22.0
22.1 0.0 28.0
OES
2
FE
ヒント
N
HTUE
間 5. タンパク質1つ当たりのアミノ酸の数を求め, アミノ酸の平均分子量をかければよい。
問6. 2本鎖と1本鎖の構造の違いから考える。
(福岡歯科大改
問題 p.44~49
39. 塩基の割合とDNA MET
解答
問1. グアニン : 19%, チミン : 31%
問2. 4.5×10個
問3. 1.53×10nm
問4. 1.5×10個
問 5. 5.5×10'
問 6. ア・・・ ① イ・・・ ③
解法のポイント
ウ・・・ ④ エ…. ②
1.DNAの塩基の割合は,A = T, G=Cである。 問題文よりA(アデニン)の割合が
31%なので,チミンの割合は31%である。また, A+T+G+C=100(%) であるから,
AとTの31%を代入するとG+C=38(%) で, G=C なのでG=19 (%) となる。
問2.DNA 全体の分子量が、問題文より2.97 ×10°で1ヌクレオチド対の平均分子量
が660であることから、DNAの全体の分子量を1ヌクレオチド対の分子量で割れば,
何個のヌクレオチド対からできているかわかる。したがって,
2.97×10÷660=4.5×10個となる。
3. 問題文より, 10ヌクレオチド対で3.4mm の長さになる。 また, 問2より,この
DNA は 4.5×10個のヌクレオチド対でできている。 したがって
第2章 遺伝子とその働き
4.5×10×3.4÷10=1.53×10nm となる。
4. 1種類のmRNAから, 1種類のタンパク質がつくられると考える。この問題で
は DNAの塩基配列のすべてがタンパク質のアミノ酸情報に使われたと考えるので,
このDNAは3000種類のタンパク質のアミノ酸を指定する塩基配列のみからなってい
ると考える。したがって, 1つのタンパク質当たりのアミノ酸を指定するのに必要と
なる塩基対の数を計算すれば,それが, mRNAの塩基の数 (=ヌクレオチドの数) と一
の致する。 この DNA の総ヌクレオチド対の数は, 問2より, 4.5×10°個である。 平均
を求めるので, これをタンパク質の種類数で割ればよい。 4.5×10÷3000=1.5×103
となる。
問5 タンパク質1つ当たりのアミノ酸の数がわかれば,アミノ酸1つの平均分子量は
問題文に指示されているので, タンパク質の平均分子量を求めることができる。
DNAの塩基3つでアミノ酸1つを指定しているので、 問4で求めたタンパク質1つ
当たりのヌクレオチド対の数を3で割って, アミノ酸の平均分子量110をかけてやれ
ばよい。したがって, 1.5×10×110÷3=5.5×10 となる。 5125
問6. DNA と RNAの塩基の違いに着目する。 チミン (T) をもつものがDNA, ウラシ
ル (U) をもつものが, RNAである。 また,塩基の割合が, A=T (RNA の場合は A=U),
G=C となっていれば, 2本鎖である。なお, ウイルスのなかには,DNAではなく
RNAをゲノムとするものがあり、1本鎖の RNAをもつものと2本鎖RNA をもつも
のが存在する。 1本鎖RNAをもつものにはインフルエンザウイルスやA型肝炎ウイ
ルスなどが,2本鎖RNAをもつものにはロタウイルスなどがある。 したがっ