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正解はアの本省人です。 以下、台湾の戦後史について本省人と外省人の関係という視点から大雑把に解説します。

台湾に住んでいる人々は、ざっくりと3種類に分けられます。東南アジア・オセアニア系の先住民(高山族)、近代以前に中国の福建あたりからの移住してきた人々、第二次世界大戦後に国民党と共に中国から逃れてきた人々の3種類です。このうち、国民党と共に中国から逃れてきた人々を「外省人」と呼び、それ以前からもともと住んでいた先住民と福建からの移民たちをまとめて「本省人」と呼びます。両者では、まず喋る言葉が同じ中国語でも、外省人が北京方言なのに対して本省人が福建方言で微妙に違っていましたし、50年にわたる日本の統治を経験したかしていないかで文化的な差もありました。なのでこのような区別が生まれたわけです。
両者の人口比は9:1ぐらいで本省人の方が多いのですが、第二次世界大戦後に台湾の政権を握ったのは蒋介石率いる国民党・外省人グループです。この状況に人口の9割を占める本省人は不満を感じており、二・二八事件という本省人による大規模な抗議運動が起こったほどに蒋介石政権は嫌われていましたから、普通選挙をすれば国民党は必ず負けます。そこで蒋介石は独裁化し、選挙をやめてしまいました。今からは想像できませんが、台湾は独裁政権だった時代があるのです。
この独裁政権は、冷戦期に中国と対立するアメリカが支援することでなんとか維持されていたのですが、ニクソン訪中以後にはアメリカから見捨てられ、蒋介石は失意のどん底で亡くなります。後を継いだ息子の蒋経国は、台湾が国際的に孤立する中で蒋家による独裁を維持できないと考えて、国民党所属ながら本省人である李登輝を後継者に指名し、この李登輝政権で初めて台湾で民主的な選挙が行われました。以後の台湾では外省人・経済界が支持する国民党と、本省人・庶民階級が支持する民進党の二大政党が形成されています。現在の蔡英文政権は民進党です。
余談ですが、李登輝は京都帝国大学を卒業し、日本語が極めて堪能な親日家として知られていましたが、惜しくも2020年に亡くなられました。

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