0+
68. 回転するリング■ 半径aの円形状につくられた針金
が,鉛直面内に立てられており, 針金は,中心を通る鉛
直軸のまわりに回転することができる。 また, 針金には,
質量mのリングRが通してあり, リングRは , 針金に沿
って自由に運動することができる。重力加速度の大きさ
をg として,次の各問に答えよ。
まず,針金とリングRとの間に摩擦がない場合を考え
る。 図のように、針金を鉛直軸のまわりに一定の角速度
で回転させたところ, リングRは,Rと針金の中心Oを
結ぶ直線と鉛直軸が角度0をなす位置で,針金に対して
静止した。
リング R
鉛直軸
(1) リングRが受ける重力の,針金の接線方向の成分の大きさはいくらか
(2) 針金が鉛直軸のまわりに回転する角速度はいくらか。
(3) リングRが針金から受ける垂直抗力の大きさはいくらか。
次に、針金とリングRとの間に摩擦がある場合を考える。針金を一定の角速度で回転
させたところ, リングRは,Rと針金の中心Oを結ぶ直線と鉛直軸が角度0をなす位置
で, 針金に対して静止した。 針金とリングRとの間の静止摩擦係数をμとする。
(4) リングRを針金に対して静止させるための, 針金が鉛直軸のまわりに回転する角
速度の最大値はいくらか。 ただし,μ- とする。
cose
1(e)
sine
(獨協医科大改)
例題 7.10
0
例題 7
a
針金
68. 回転するリング
g
解答
mg
(1) mgsine (2)
(3)
a coso
coso
sin+ucose
g
(4)
coso-μsine asino
指針 リングRとともに回転する観測者の立場で考えると,リングR
は遠心力を受けて静止して見え, はたらく力がつりあっている。 (1)~
(3) では, リングRは重力, 垂直抗力, 遠心力を受ける。 (4) 動き出
す直前には、リングRが受ける静止摩擦力は最大摩擦力となり,針
金の中心方向と接線方向のそれぞれで力のつりあいの式を立てる。
解説 (1) リングが受ける重力を,針金の接線方向と中心方
向に分解すると,図1のようになる。 したがって,接線方向の成
分の大きさは,mg sino
0
図 1
(2) リングRとともに回転する観測者から見ると, リングRが受ける
重力,遠心力,垂直抗力はつりあっている(図1)。 角0の位置にある
リングRの回転半径rは, r=asin0 なので, 角速度をω とすると,
遠心力の大きさF' は,
F'=mrw²=masino.w 2
針金の接線方向の力はつりあっているので,
g
Wo=
…①
a coso
mg sind-masind.woxcos0=0
3) リングRとともに回転する観測者から見ると,リングRが受ける
針金の中心方向の力はつりあっている (図1)。 垂直抗力の大きさを
No とすると,
No = mg coso+ma sin0w×sin
式① を代入すると,
mg
No=mgcose+masin²0× g
=mg
cos20+ sin20
coso
acoso
coso
] 角速度をwo よりも大きくすると,遠心力が大きくなり、接線方向
の上向きにはたらく力が大きくなる。したがって,リングRが受ける
静止摩擦力は、接線方向の下向きである。角速度が最大値のとき,リ
ングRはすべり出す直前であり, 静止摩擦力は最大摩擦力となる。 そ
このときの角速度を W1, 垂直抗力の大きさをN とすると, リングRが
a sine.
masine
mg 0
別解 (2) 慣性系
えると,次のように
重力と垂直抗力の合
向心力となる (図2)。
運動の運動方程式は,
masindw2=mgta
g
Wo=
acoso
No
mgtand
図 2
0
別解 (3) 鉛直方
力のつりあいから(
Nocos0=mg
mg
No=-
coso
ありがとうございます。助かりました。
今度からその方法を実践してみます!