地学
高校生

成層圏では紫外線がオゾンに吸収されるから気温が上昇します。また、熱圏でも太陽からのX線、紫外線、電子が吸収されるから温度が上昇します。なぜ、紫外線などが吸収されると温度は上昇するのですか?熱圏でも吸収しているのはオゾンなのでしょうか。

大気圏 成層圏 熱圏 オゾン

回答

非常に良い質問です。

まず化学反応には発熱反応と吸熱反応があり、化学反応する時に周囲の温度が上昇するのが発熱反応、逆に周囲の温度が下降するのが吸熱反応です。オゾンが紫外線と反応する場合は発熱反応に相当します。

オゾンができる過程は、酸素分子が紫外線を吸収して酸素原子が作られ、酸素原子が酸素分子と結合します。式で表現すると、

O2 + 紫外線(0.24μm以下) → 2O
O2 + O + M → O3 + M
(※Mとはオゾンを生成する為の触媒となる任意の分子。主に窒素や酸素が使われる)

となります。この時作られた酸素原子は「紫外線(0.24μm以下)」が持つエネルギーを内部に秘め、これが将来的にオゾンになります。

そして、成層圏でオゾンが波長の長い紫外線を浴びた時、酸素原子がオゾンになる過程で紫外線を吸収した時のエネルギーが反応熱となって出てくる事になります。

O3 + 紫外線(0.32μm以下) → O + O2

よって、オゾンが紫外線を吸収する時の反応は発熱反応となり、成層圏の高温を形成しているのです。

熱圏については、紫外線やX線などの太陽光を吸収するのは窒素原子や酸素原子です。原子たちは紫外線を吸収することで電離し、この時に熱が発生する事で熱圏の温度を作っています。熱圏の上部に行く程紫外線は強くなる為、高度がさらに高くなれば電離がさらに活発になり1000K以上の温度に達するそうですが、熱圏に存在する分子または原子の数が極端に少ない(空気が薄い)ので、体感的には熱く感じる事はないのだとか。まあ、熱圏に行ったことがないのでわかりませんが。

長くなりましたが、難しい質問だったので調べるのに少し時間がかかりました。大変長らくお待たせ致しました。

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