生物
高校生

生物 発生 誘導について

添付の問題は友人の塾で配られた過去問のプリントです。
回答をAとしたのですが、正解はCと書いてありました。

正解と回答との違いは、(オ)原口の形成と(イ)オーガナイザーの誘導の順番の前後関係だけなのですが、
どう考えても原口形成の方が後としか思えません。

つまり、「(イ)オーガナイザーの誘導」というのを「中胚葉誘導のこと」として考える(そもそもオーガナイザーと言うのが意味が広すぎる気はしつつも、神経誘導は選択肢にあるので中胚葉誘導だと仮定して考えました)と、
中胚葉誘導が起きる時期が桑実胚期から胞胚期であることを考えても原口形成の方が後としか思えないのです。

これは私の認識がどこか誤っているのでしょうか。
それともプリントの正解が誤っているのでしょうか。

よろしくお願いします。

X 5 次の発生現象が発生順に並んでいるのはどれか。 ア)神経誘導 イ)オーガナイザーの誘導 ウ)耳胞の誘導 エ)卵割の開始 オ)原口の形成 A. エ→イ→オ→ア→ウ B. エーイ→ア→ウ→オ C. エ→オ→イーア→ウ D. エ→オ→アー→ウ→イ E. エ→オ→ア→イ→ウ
生物 発生 誘導

回答

丁寧なコメントありがとうございます!

えーと…

tksさんの問いは
原口の形成と中胚葉誘導はどちらが先なのか
つまり、
「中胚葉誘導は原腸胚初期まで続く可能性はあるのか」
ということでよろしいですかね

ニューコープの実験でわかることは
中胚葉誘導は、予定内胚葉域から予定外胚葉域に何らかが作用することで生じる
ということです。今の私たちは、この誘導を引き起こしているのが、予定内胚葉域に存在するノーダルタンパク質であることを知っています。

問題なのは
このノーダル濃度勾配は原腸胚初期まで持続しているのか
(このとき 原口の形成→中胚葉誘導)

それとも胞胚後期で誘導を完了させてしまうのか
(このとき 中胚葉誘導→原口の形成)

ということになります。

ここでもし、後者が正しいとしましょう。つまり、中胚葉誘導は胞胚期で完了すると仮定します。では、なぜ中胚葉誘導が完了した時の図は胞胚期でないのでしょうか(下の図右側、他にも誘導完了時の図を探したところ、全て原腸胚初期になっています)。分かりづらかったらすいません。

写真の図より、私は中胚葉誘導は
桑実胚(胞胚腔なし)→胞胚→原腸胚初期
にかけて起きていると考えました。

なんだか屁理屈みたいに聞こえますね…すいません。
私の見解に矛盾があれば教えてください!

tkn

SJRさん

返信ありがとうございます!

>>tksさんの問いは、原口の形成と中胚葉誘導はどちらが先なのか つまり、「中胚葉誘導は原腸胚初期まで続く可能性はあるのか」ということでよろしいですかね

おっしゃるとおりです!
オンライン上なので「なるべく正確に言語化しよう」とは思っているのですが、
長すぎて要領を得ない質問になっていたらすみません(汗)

>>ニューコープの実験でわかることは中胚葉誘導は、予定内胚葉域から予定外胚葉域に何らかが作用することで生じるということです。

SJRさんのおっしゃるとおり、この中胚葉誘導の実験からわかることのひとつは、
「予定内胚葉域から予定外胚葉域に何らかが作用すること」だと思うのですが、
添付させてもらった画像{実験(2)(11行目~17行目)}の文章の読み方によっては、
その事実に加えて、「胞胚期にその何らかの作用を完了する」ということも、
言えてしまう気がしているんです。。

--
※※念の為、先程添付した画像の実験(2)で記載のあることを下記にそのまま記載しました※※
「切り分けた胞胚のAとCを、少しの間(3時間)接着させた後、"分離して"培養すると、
Aは中胚葉に分化(Aから筋肉や脊索が分化)したが、Cからは中胚葉は分化しなかった」
--

もし、特に記載がないだけで、「分離する前の"少しの間(3時間)"の間に、胞胚期が終わっている」というふうに読むのであれば、
SJRさんのおっしゃる前者(「ノーダル濃度勾配は原腸胚初期まで持続しているのか」)を考慮しなければ、と思うのですが、
もし、そのまま「分離する前の"少しの間(3時間)"の間では、胞胚期が終わっていない」として読むのであれば、
前者を考えるまでもなく、SJRさんんのおっしゃるところの後者(「それとも胞胚後期で誘導を完了させてしまうのか」)一択ということになってしまいます。

要は、「この"少しの間(3時間)"の間に胞胚期が終わっているのかいないのか」、によって中胚葉誘導が胞胚期までに完了するのかどうかが変わってくるのだと思うのですが、
もし、この3時間の間で胞胚期が終わっているのであれば、流石にその記載はしてくれるはずじゃなかろうか、、、と思ったため、
お聞きした次第です。

>>では、なぜ中胚葉誘導が完了した時の図は胞胚期でないのでしょうか(下の図右側、他にも誘導完了時の図を探したところ、全て原腸胚初期になっています)。

こちらの資料(チャート)には、添付させてもらった画像の通り、中胚葉誘導の結果としては、原腸胚の図は書かれていなかったのですが、
SJRさんが添付してくださった画像を見て、そこは私も少し疑問に思いました。
ただ、上に記載した内容から、「ただ単に中胚葉誘導の完了した後の原腸胚の図を示しているだけなのかな?」と考えていました。

いろいろお手間を取らせてしまって申し訳ありませんが、
親身になって答えていただいていること、改めてありがとうございます。

こちらはもう生物の授業が終わってしまい、次に生物の先生に聞ける機会がいつ取れるかわからないので、
もしわかれば教えていただけると嬉しいです。

SJR

こちらこそ的確な解答を示すことができず申し訳ないです。
🙇‍♂️
どうやら教材間でも説明にズレがあるようですね…そうなるともう手の打ちようがない…

>>「この"少しの間(3時間)"の間に胞胚期が終わっているのかいないのか」、によって中胚葉誘導が胞胚期までに完了するのかどうかが変わってくるのだと思うのですが、
もし、この3時間の間で胞胚期が終わっているのであれば、流石にその記載はしてくれるはずじゃなかろうか、、、

確かに私もそう思います。
残念ながら自分にはこれ以上手に負えないですね…
回答者としてほんとに申し訳ないです…

ですので、後日うちの学校の生物教師に聞きに行こうと思います。実は授業ではまだこの分野まで進んでないので、ちょっと聞きづらいですが…😅(うちの生物教師は予習することを嫌ってるんですよ)
けどやっぱ気になりますね。大学問題に出てますしね。
ですので、後日またこのコメ欄に報告を入れたいと思います。もう少々お待ちください!

あ、もしtknさんの方でなにか分かったことがあれば、共有していただけると嬉しいです

tkn

いえ、細かい疑問にも丁寧に答えて頂いていること、どう表現すればよいのかわかりませんが、感謝に耐えません。

>>ですので、後日うちの学校の生物教師に聞きに行こうと思います。

そこまでしていただいてしまい、すみません(土下座)
お手数をお掛けしてしまうこと自体、本当に申し訳ないのですが、躓いているところなので大変助かります。

先生が予習がお嫌いとのこと、
SJRさんと先生との関係性に支障が出なそうな状況であれば、ということで構いませんので
くれぐれもご無理はなさらないように。

>>あ、もしtknさんの方でなにか分かったことがあれば、共有していただけると嬉しいです
承知いたしました!ネット上にはなかなか見当たらないので、ちょうど明日本屋で参考書を漁ってみようと思っていたところなのですが、
合致するものがありましたら、こちらに追記させていただきます!(ありますように。。。)

SJR

tknさん

お久しぶりです。報告が遅くなり申し訳ありません!
私の学校では今日ちょうど中胚葉誘導の授業があったので、授業の後に先生に質問してみました…

が、残念ながら納得のいく返答は得られませんでした。授業では中胚葉の形成が胞胚後期に完了していると思われる図を書いていましたが、正直なところ曖昧な部分らしいです。

力になれず申し訳ありません🙇‍♀️

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確かにそうだよなあ…と思ったので調べました。
写真はどちらも学校で配布された資料集に載っていたです。

一枚目の写真より、中胚葉誘導が完了するのは原腸胚初期であることがわかります。しかしこれだけだと、どちらが先かを判断するのは難しいですね。

二枚目の写真は神経誘導のページですが、形成体の形成に関する文章が載ってました。私はこの文章から「原口ができる→(原口背唇付近にはノーダルタンパク質が多い)→形成体ができる」と解釈しました。

SJR

いたです→いた写真です

(´∩ω∩`)すいません

tkn

SJRさん

回答、ありがとうございます。
また、調べてくださったこと、ありがとうございます。

なるほどですね。

この中胚葉誘導周りのことはいろいろ調べたのですがなかなかネット上に情報が落ちておらず、
また、手元にあるチャートでは中胚葉誘導の実験を胞胚期で行っている絵があったので、
「中胚葉の誘導は、胞胚期中に完結するんだろうな」という理解をしていたのですが、違ったんですね。。。

わたしも今後はSJRさんのおっしゃる解釈でいこうと思うのですが、以下、確認させてください。

「原口ができる→(原口背唇付近にはノーダルタンパク質が多い)→形成体ができる」
という理解は、

中胚葉誘導の過程(この①~③自体が誤っていたらすみません)
--
①植物極側のVg1,Veg2の発現
②表層回転で30°動いたディシェベルドの発現による一部でのβカテニンの維持
③①,②によるノーダルタンパクの濃度勾配の形成
--

のうち、「(少なくとも)③は初期原腸胚期」という意味でおっしゃってる、という理解で間違ってないでしょうか。

tkn

上記②について、Veg2→VegTの誤りです。すみません。。

SJR

参考になって嬉しいです!調べた甲斐がありました笑

質問についてですが、おそらくノーダルタンパク質の濃度勾配の形成は胞胚期に完了しています。私の回答の一枚目の写真の説明部分にもそのことが明記されています。

これは私の書き方が完全に悪いですね。
胞胚後期に形成されたノーダルタンパク質の濃度勾配は原腸胚初期まで持続しているってことを書き表したかったんです。紛らわしくてすいません…

説明に不明な点があればご指摘ください!

tkn

SJRさん

返信、ありがとうございます。

>>おそらくノーダルタンパク質の濃度勾配の形成は胞胚期に完了しています
ありがとうございます。たしかにそのようです。こちらこそ読解力が足らずすみません(汗)

ちなみに、先程までSJRさんの解釈ですすめようと思っていたのですが、
帰宅途中に改めて理解をまとめていたところ、SJRさんの理解ですすめようとした際にネックになってしまう新たな疑問が出てきてしまいました。。。

どういうことかと言うと、
SJRさんの解釈の通り、ノーダルの濃度勾配に伴う誘導が原腸胚になってから起きると仮定した場合、
ニューコープの培養実験(箇条書きが汚くて申し訳ありませんが画像を添付いたしました)の結果が起こり得ないのではないか、ということです。

つまり、ニューコープの実験では、
胞胚期にのみ、予定内胚葉領域と予定外胚葉領域を接触させ、その後は其々を単独で培養する、
という実験を行い、その結果として中胚葉由来の組織に分化していると思いますが、
この結果から考えると、
中胚葉誘導のいわゆる「誘導作用」自体は、胞胚期の接触の段階で既に終えていなければ、
成り立たないように思えるのです。

入試問題なので、恐らく正解自体が誤っている訳では無いますし、
SJRさんの解釈でそのままいけるかな、と思ってもいたのですが、
この矛盾が出てきてしまい、ネット上で改めて検索したところ、
「中胚葉誘導は桑実胚期から初期胞胚期にかけて起こっていると思われる」
と記載された以下(https://www.jstage.jst.go.jp/article/biophys1961/33/1/33_1_41/_pdf)のような権威のありそうに見える文献(素人すぎる表現ですみません)も出てきて、
実際どうなのか、混乱に拍車がかかってきました。

SJRさんの解釈で、もしこのような矛盾が生じないとしたら、
お手数をお掛け致しますが、ご説明いただけないでしょうか。。。

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