回答

✨ ベストアンサー ✨

三角形の相似条件が定義か定理か、という解釈でよいでしょうか?
この場合、たいへん難しい議論となります。個人的には、定義よりも定理といった方がしっくり来るように思います(相似の厳密な定義をし始めるとやや厄介なので、相似の演繹的な定義そのものは教科書に載っていないと思います)。しかし、定理であるとして、相似というものから証明するのもなかなかに易しくはありません(中学の数学の教科書にその証明が与えられていないことが何よりの証左です)。
もっといえば、三角形の相似条件はいずれも三角形が相似であることと同値(つまり同じ意味)ですから、いずれかひとつを定義と定めてしまうという立場も、決して誤りであると一概には言い難いでしょう。恐らく、そのような場合最も主流な立場は三辺比相等を定義とするものでしょう。

guest

つまるところ、「何を定義とするか」によって「何が定理になるか」は変わってくるのです。たとえば、我々が住む空間は限りなくEuclid空間に近いとされていますが、Euclid空間はたった5つのルール(公理)からなっています。その第五公理に関しては様々な議論がありますが、第五公理と同じ意味を持つものに平行線定理というのがあります。つまり、第五公理を出発点とすれば、平行線定理は定理となるのです。
しかし、平行線定理を第五公理のかわりに、Euclid空間の5番目の公理に持ってくることができます。この場合、平行線公理から出発しますから、第五公理は定理として導かれるものとなるわけです。
このような事例は実数の連続性に関する議論でも存在します。あまりここで深くは突っ込みませんが、実数の連続性の定義としてデデキント・カットを用いることもあれば、上界・下界の議論からスタートすることもあります。どちらから始めてももう片方は簡単に導けるのです(これに関しては、他にも同値な話はあります)。

ですから、

guest

ですから、何を出発点とするかによって話は変わってきます。答えは「一概には言えない」ですが、現時点では、とりあえず定理として考えておいた方が後でしっくりくるように思われる、というふうにお伝えしておきます。

りんね

丁寧に説明してくださりありがとうございます。
わたし自身、定義と定理について少し勉強不足なところがありました。今回の回答を通して、理解できるようにしたいです。

guest

数学は進んでいくと似たような言葉が沢山出てきます。定義と定理に加え、性質とか系とか補題とか公理とか……。簡単に言えば、定義は「人間が都合がいいようにそう決めたもの」、定理は「定義や公理から証明されるもの」です。最初のうちは混乱するかもしれませんが、そのうち開眼する日が来ると思います。頑張ってください!

この回答にコメントする
疑問は解決しましたか?