回答

✨ ベストアンサー ✨

返り点の違いに対応しています。
いちばんシンプルな伝え方をすれば、9は英語でいうところのSVOCに対応し、10は英語でいうところのSVO, SVOという形に対応しています。
上の説明で理解できるでしょうか?厳しそうであれば、コメントしていただければより詳細にお伝えします

みみさん。

詳しく教えて欲しいです!

guest

わかりました。では順をおって確認していきます。
漢文では、古文同様主語は省略されます。ですから、仮想的に上に主語を(S)として補って英語の構文のように考えていくことにしましょう。

故人は伝という動詞の目的語ですから、ひとまとまりと見ることが出来るでしょう。これを今後[伝]と省略して書くことにします。

まず、9の文から見ていきます。これは、遣僕[伝]の形で、使役の句形を構成しています。これは理解出来ているでしょうか?

みみさん。

はい

みみさん。

遅くなってすみません、

guest

返り点が振ってありますから、その順番に9を読んでみましょう。すると、僕→[伝]→遣の順番になりますね。ここで、適宜和訳を当てはめてあげれば、召使い→[伝える]→させる、となるわけです。たとえば、主語で「私」(漢文では「我」など)を補ってあげれば、「私」は、「召使い→[伝える]」ということを「させる」わけですから、「私は召使いに[伝え]させる」という意味になるわけです。これはちょうど、英語の第5文型に対応しています。たとえば、この文を見てください。
I made him finish his homework.
この文は、9と全く同じ構造を持っています。his homeworkはfinishの目的後ですから、これらをまとめて[finish]と書くことにしてみましょう。すると、これはI made him [finish].です。第5文型は、目的語の中にSV(または主述の関係:S→P)的要素を含めた文で、使役と知覚が主な意味になりますから、Iは「heが[finish]すること」をmakeした、ということになり、これは「私はheに[finish]させた」と書き換えることができます。

ですから、この漢文も同様に、「(Sは)僕に[伝え]させた」という意味になります。あとは[~]を開いてあげれば、9-Bの訳ができます。ここまでは宜しいでしょうか?

みみさん。

はい!

guest

突き詰めれば、9の文はメインの動詞が1つだったのです。これは、原則として一文の中に動詞が一つであることとも関係しています。

さて、日本語の構造を見てみましょう。「私は彼に宿題を終わらせる」というように、日本語では文の「最後」に動詞がきます。そして、返り点というのは元来、昔のエリートな日本人たちが、自分たちで漢文を読みやすくするために開発したツールです。ということは、当然ながら返り点を打って読む順というのは、日本語の構造に対応していることになりますね。
念の為、漢文の構造も。漢文は、英語と同じくSVOの語順を取ります(日本語はSOVの形です)。ですから、VOがきて、次にVがきたら、先ず多くの場合、「別の文として区切って考える」ことができるわけです。英語では、この間にandが入ったりbutが入ったりしますが、漢文でもそうとは限りません(もちろん、置き字としての而という字などは、その役割を果たします。こいつにはandの意味もbutの意味もあるから厄介なのですが……)。

では、10の文を見ていきます。
こちらの方は、返り点がさっきと違いますね。9では、遣に対する目的語はSV的要素を伴っていたため、「僕[伝]」全体がある種の目的語であったのに対し、10での遣に対する目的語は「僕」のみです。これが判断できる要因は、日本語の語順がSOVであり、漢文はSVOであることから、まず返り点の認識というものが、ひとつはOからVへの返り点として振られるものである、というところからわかるのです。ここまでは大丈夫そうでしょうか?

みみさん。

はい!理解です!

みみさん。

こんなに遅くまですみません、🙇‍♀️

guest

引き続き10の文を見ていきます。上の考察から、遣の目的語は僕のみとわかりましたから、伝に対しては新たに考察する必要があります。まず最初に考えるのは、「伝」といったらやはり動詞でしょうから、これを仮定すると、やはり故人が目的語となり、解釈上問題がないことがわかります。そこで、先程同様、遣-僕のセットを[遣]、伝-故人のセットを[伝]とかけば、10の文では[遣][伝]という二つのカタマリがセットになっていることがわかるでしょう。

それでは、またもや英文で考えてみます。たとえば、このような文は10と同じ構造を持っています。
I finished my homework, and watched some videos on YouTube.
まず、基礎知識として。andは等位接続詞と呼ばれるもので、前と後ろで、原則として「文法的に同じ構造を持つもの」どうしを結びます。今回は、VOのカタマリ同士を結んでいることは明らかでしょう。
finished my homeworkがV-Oの関係性を持っていますので、これをまとめて[finished]、watched videos on YouTubeもV-O(-M)ですから、これをまとめて[watched]と書くことにすれば、I [finished] and [watched].という文構造になりますね。
ところで、watchedのカタマリにSが見当たらないのは、この主語が[finished]と同じだからです。ですから、関係性としてはSVO and SVOで、Sが共通なので前に出された感覚です。つまり、S V1 O1 and V2 O2という関係性で、SはV1の主語でもあり、V2の主語でもあるのです。

さて、既に述べたように、この英文を漢文風にした時には、andは省略されることがあり、また主語はよく省略されますから、結果として[finished][watched]という文ができあがります。
10の文構造は[遣][伝]でしたから、全く同じですね。つまり、これら2つの[~]を別々に展開して、andで結んであげれば良いわけです。

さらに、SVOは俗に言う第3文型ですが、このVには決まった意味はありませんでした。ですから、漢字の持つ本来の意味をそのまま訳してあげればよく、

guest

結果として10-Bの文が出てきます。ちなみに、10-Aの遣わすという漢字が遺跡の遺の字になっていますので、テスト本番で出るなら気をつけてくださいね〜!

大丈夫そうでしょうか?理解が厳しければ、疑問点を書いていただければ追加で説明致します

guest

こちらこそこんな遅くまで説明が長引いて申し訳ないです。引き続き頑張ってください!

みみさん。

英語に置き換えるのめっちゃ分かりやすいです!

guest

よかったです!漢文は英語と古文のミックスみたいな教科なので、その2つを磐石にしておけば案外すんなりと入ってきます。もちろん、何でもかんでも英語に直すのが良いというわけでもありませんし、邪道だと仰る先生も大量にいらっしゃるのですが、句形の知識がかなりのウェイトを占める大学入試漢文においては、記憶のフックとしては非常に有効です。ぜひ活用してみてください!

みみさん。

大体分かりました!めっちゃ大雑把にまとめると、訳が違うのは返り点のせいで、返り点のせいで主語と繋がるまとまりが変わってきて訳し方が変わるということですかね!(若干ずれてたらスミマセン😓)
長々とありがとうございました!、、、💤

guest

そういうことです!念の為、それっぽい補足をしておくと
返り点が違う→文構造の捉え方(述語動詞の纏まり)が違う→使う句形や知識が違う→意味が違う
というプロセスを踏んでいると考えれば、漢文解釈の基礎には沿っているでしょう。頑張ってください!

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