が、利用できない場合には,発酵によって獲得する。発酵においては,1分子のグルコー
このグルコースからピルビン酸に至る( 4 )と呼ばれる過程では, 脱水素酵素の働きで
1_)によってエネルギーを獲得する
76 第1編生命現象と物質
計算
266. 酵母の発酵■次の文を読み、下の各問いに答えよ。
酵母は,酸素が利用できる場合には,主として(
スは( 2 )分子のピルビン酸に分解され,結果として( 3 )分子の ATPを生じる
2分子の補酵素 NAD* が( 5 )されて2NADHとなる。2NADH は,酵母の発酵にお
いては,ピルビン酸がエタノールに変換される過程で() 6 )されて 2NAD* に戻る。
酵母は,発酵によってグルコース1分子当たり( 7 分子の二酸化炭素をつくる。
のようすを,図1のような水上置換法を利用した装置を使って調べた。まず, 内容積 150
mL の三角フラスコに煮沸済みのグル
コース溶液 30mL と酵母1gを入れ,
フラスコとゴム管とガラス管の中の気
体を手早く窒素ガスに置き換えた。そ
の後,発生した二酸化炭素の体積を,
メスシリンダーの内側と外側の水面を (50ml
合わせて読みとった。0~100g/Lの
グルコース溶液を用いて実験1~6を
行い,発生した二酸化炭素の体積を実
験を開始してから30分後および60分後
に読みとったところ,表1のようにな
ゴム管
ガラス管
メスシリンダー
才
ゴム栓
飽和食塩水
MIA
三角
フラスコ
2#
酵母を加えた 30fh
グルコース溶液
図1 酵母による二酸化炭素発生量を測定する装置
グルコース溶液からの二酸化炭素発生量
二酸化炭素発生量 (mL)
0~60分
表1
グルコース
濃度(g/L)
った。この実験では温度と気圧は一定
0~30分
で,1モルの気体の体積は24Lであ
るとし,原子量はC=12, H=1,
0=16 とする。また, 飽和食塩水とグ
ルコース溶液に溶ける気体の量は無視
できるものとする。
問1.文中の(
問2.実験2では, 実験開始30分後の二酸化炭素の発生量が160mL であったが, その後
30分経過しても二酸化炭素の発生量は増加しなかった。その理由を15字以内で説明せよ。
問3.実験4では, 1gの酵母は60分間に何ミリモルのグルコースを消費したことになる
か。発生した気体の量から計算して答えよ。
間4.実験5では, 実験開始60分後にフラスコに残っているグルコースは何gか。
間5.実験4~6の結果から, グルコース濃度が60~100g/Lの範囲においては, 酵母が
1時間につくる二酸化炭素の量は変わらないことがわかった。実験4,5および6の条
件において, フラスコに入れる酵母の量を2gにした場合, 1時間でつくられる二酸化
実験1
実験2
実験3
実験4
実験5
実験6
0
0
0
20
160
160
アマル酸
40
180
320
60
180
360
80
180
360
100
180
360
1
)~( 7 )に適する語や数字を答えよ。
O 8
炭素はそれぞれ何 mLか。
eント
問5,6.酵母1gが1時間に消費できるグルコースの量を考える。
(13. 関西大改題)
のン
し イ。
ノリ
クつ
○°。o。
ン
このことは,計算によっても確認することができる。 実験2で実験開始時に三
角フラスコ中のグルコース溶液 30mLに含まれるグルコース(分子量 180)の質量
20g
1000mL
=0.6gである。この0.6gのグルコースがアルコール発酵
は、30mL×
で分解されて発生する二酸化炭素の体積は, 次の計算から求めることができる。
[アルコール発酵酵の反応式)
CH2O6 → 2C:H:OH+ 2CO2+2ATP
180g
2×24×1000mL
0.6g
x mL
180:(2×24×1000) =D0.6:x
(2×24×1000)×0.6
180
=160mLである。
X=
この 160mL という値は, 表1の実験2で発生した二酸化炭素量と同じであり,
実験開始後30分までにすべてのグルコースが分解されたことがわかる。
直変 問3.アルコール発酵の反応式から比例計算を行う。
CHi2O6 → 2C2H5OH+2CO2+2ATP
1000ミリモル
2×24×1000mL
yミリモル
1000:(2×24×1000) =y: 360
来類 360×1000
360mL
ソ=
2×24×1000
=7.5ミリモル
問4.実験5では実験開始60分後の時点では, 二酸化炭素が360mL 発生している
ことから,問4と同じく7.5ミリモルのグルコースが分解されたと考えられる。
グルコース7.5ミリモルの質量…180×0.0075=1.35g
一方,実験開始前の三角フラスコの中のグルコース溶液30㎡Lに含まれるグル
80g
コースの質量は, 30mL×-
-=2.4gである。
直 1000mL
したがって, 60分後にフラスコ内に残っているグルコースの質量は,
2.4-1.35=1.05gである。
問5.間4.5より,酵母1gが1時間に分解できるグルコースは最大で1.35g, 発
生する二酸化炭素は 360mLである。酵母を2倍の2gにすると, 分解できる量
が2倍になり, 一定時間に発生する二酸化炭素量も2倍となるので, 1時間で最
大2.7gのグルコースを分解して 720mLの二酸化炭素が発生する。
実験4~6において, 実験開始時のグルコースの質量と,すべてのグルコース
が分解された際に発生する二酸化炭素の体積, 酵母2gが1時間に分解できるグ
ルコースの最大量と, その結果発生する二酸化炭素の量を, 下表にまとめる。
実験開始時のすべての基質が分解| 1時間に分解でき| 1時間に発生する
グルコース量 された場合に発生するグルコースの最二酸化炭素の最大
る二酸化炭素*
480mL
大量
2.7g
量
720mL
1.8g
2.4g
実験4
720mL
2.7g
2.7g
640mL
実験5
720mL
実験6
3.0g
800mL
(*は,問3と同様の比例計算で求める。)
n0
第3章
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