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量子力学、有限井戸型ポテンシャルの問題です。
(5)がわかりません。V_*=π^2hbar^2/8ma^2と求めました。

以下の問I、II に答えよ。ただし、プランク定数を 2mで割った定数をんとする。 I.1次元のポテンシャル中の質量mの粒子を量子カ学的に取り扱う。粒子の座標をとし、ポテ ンシャルをV(z)とする。aと %を正の定数として、図1のように| >«の領域でV(z)= % で|<』の領域でV(z) = 0のとき、V%の値を小さくしていったところ、V%<V,のときに東 縛状態が一つだけになった。 (1) 図2のようにV% が無限大のとき、すなわち ||>aの領域でV(z) が無限大で || Saの領 域でV(a) = 0のとき、基底状態のエネルギーおよび第1励起状態のエネルギーを求めよ。 (2) 図1のポテンシャルでV%> V,のとき、基底状態の波動関数および第1励起状態の波動関 数の概形を描け。 (3) 図1のポテンシャルでV%> V。のときを考え、基底状態のエネルギーと第1励起状態のエ ネルギーをそれぞれ Eo, E, とする。このポテンシャルを、図3のように、a<0の領域で はV(z) が無限大となるように変更する。変更後の系の基底状態のエネルギー Eを Eと EEのうちの必要なものを用いて表せ。 (4) V,を求めよ。 (5) 図4のように、|2| < 3a の領域および ||> 5a の領域でV(z) = V./2で3a< ||| < 5aの領 域でV(z) = 0のとき、束縛状態の数を答えよ。厳密に導出する必要はないが、根拠を簡 潔に記すこと。またすべての束縛状態の波動関数の概形をエネルギーが小さい順に描け。 V(2) V(2) V% * E ーa 0 a ーa 0 a 図1 図2 V(2) V(x) Vo Iv./2 0 a ー5a -3a 0 3a 5a 図3 図4
量子力学 有限井戸型ポテンシャル

回答

✨ ベストアンサー ✨

まずV_*/2の状況でなく、無限に深い2つの井戸の場合で考える。(3≦|x|≦5aのところのみV(x)=0,それ以外で無限大)
この場合の固有状態はどうなるか?井戸が一つの場合(1)を参考にして下から4つほどエネルギー固有値固有状態を考えよ。
固有状態が縮退していることに注意して、縮退している固有状態の線形結合を適切にとり、パリティ演算子と同時固有状態にすることができる。
(固有関数を偶関数or奇関数にすることができる。)

次に、ポテンシャル壁が有限の場合を考える。
この場合の固有状態も、井戸が一つの場合(2)を参考にして考えられる。無限の場合と違って正確な固有値固有状態は求められないが、"染み出し"が十分小さいとすれば近似的に求めることができる。

二重井戸ポテンシャル
てすら

無限井戸の場合を考えてみましたがいかがでしょうか?(画像1枚目)演習不足なものでパリティ演算子の存在を初めて知りました。
大問の(2)は2,3枚目のように解いたのですが、これに倣えばいけますか?

Crystal Clear

画像2,3枚目はOKです。

画像1枚目は誤りです。

例えばka=nπ/30は代入すればわかる通り、境界条件を満たしてません。
3ka=π/2+n1π
5ka=π/2+n2π
となりますが、kaを消去すれば1+10n1=6n2となって、左辺が奇数で右辺が偶数でこれはあり得ません。

が、そもそも初めの議論が誤りです。
エネルギー固有状態をパリティ演算子との同時固有状態で考えると、固有関数は偶関数または奇関数にとれる。
(2)と同様に、
ψ(x)=0 (|x|<3a)
ψ(x)=0 (|x|>5a)
ψ(x)=? (3a<x<5a)
ψ(x)=?? (-5a<x<-3a)
とおいて、全xに対してψが偶関数または奇関数になるように?を設定するのが正しいです。
これを考えると、?には制約がなくて
偶関数のときは??を?を折り返したように
奇関数のとき??を?を折り返してひっくり返したように
設定することになります。
だから、?自体を偶関数or奇関数とする画像1枚目の議論は誤りで、ψ全体が偶関数or奇関数とするのが正しい議論です。

Crystal Clear

(5)は(2)のようにやれば厳密な議論ができます。
それが理論的に正しい方法ですが、出てくる関数がtanやcotよりも複雑になって手計算では手に負えません。
問題で指示されているようにラフな議論ならば(2)のエネルギー固有値をつかって近似的に表せます。

あとで私が解いたものを上げます

Crystal Clear

すみません、上の
kaを消去すれば1+10n1=6n2となって、左辺が奇数で右辺が偶数でこれはあり得ません。
は誤りでした。
上に書いた通り、そもそもの議論に誤りがあってここの議論は不要なので許して下さい

てすら

無限井戸の場合を解き直したのですがいかがでしょうか?

Crystal Clear

無限の場合とそれからの類推

Crystal Clear

(続き)
H=p^2/2m+V(x)
で書ける一次元ハミルトニアンの束縛状態は(V(x)が無限になるような領域がない場合)縮退しない。
また、V(x)が偶関数だからパリティ演算子PとHは交換可能。よってHとPの同時固有状態を全状態の基底にとることができる。
上の二つから、すべてのHの固有状態はPの固有状態になる。
つまりエネルギー固有関数は偶関数または奇関数である。
また、波動関数の節が少ない方がエネルギーは小さい(たぶん)。
よって、近似的に基底状態は|S>,第一励起状態は|A>となる。対応するエネルギー固有値はおよそE0。

次の励起状態も同様に考えると、(2)のE1の固有状態を(反)対称化したものになるが、これらのエネルギー固有値はおよそE1。
固有値たちがほぼ同じということは(2)のαβ図式もほぼ同じということで、およそV0<V*でE0の固有状態だけになる。
よってV0=V*/2のときは束縛状態はE0に対応する2つのみになる。

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ちなみに厳密に計算したところ、量子化条件は画像のeq1,eq2となりました(αβ図)。
eq1は偶パリティ,eq2は奇パリティに対応しています。
井戸が一つの時のtan,cotがわずかに分裂してほとんど縮退したeq1,eq2になることがわかります。
偶パリティの方がわずかに奇パリティよりもエネルギーが低いです。

ちなみに井戸の間隔を広くとれば染み出しが小さいので近似の精度が上がり、井戸の間隔が狭いとき染み出しが無視できなくて近似の精度が悪くなるはずです。
そこで3a,5aをba,ba+2aに変更してbの変化によって固有状態がどう変わるか調べました。
変更したあとの量子化条件はeq1,eq2の3をbに変えればよくて、geogebraでやればわかるのですが、思った通りbが大きいほどtan,cot曲線に近づきました。

Crystal Clear

画像中の文字がアプリ版だと読みにくいので文字に起こします

上から
x tan(x)
-x cot(x)
sin(2 x) (y^2 tanh(3 y)-x^2)+cos(2 x) (x y+x y tanh(3 y))=0
cos(2 x) (x y+x y coth(3 y))+sin(2 x) (y^2 coth(3 y)-x^2)=0
x^2+y^2-π^2/8=0

てすら

Geogebraを自分でも操作してみて、縮退している様子や偶パリティと奇パリティのエネルギーの差がよくわかりました。コメントを元に簡潔に根拠を説明できるよう努めます。ありがとうございました。

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