二酸化炭素(CO2)
二酸化炭素(C02)
I.
二酸化炭素 (C02)
葉肉細胞一酸化炭素(CO2)
炭酸水素イオン (HCO3)
葉肉細胞
カルビン
ベンソン
回路
C4化合物 C3化合物
デンプンなどC3
原形質連絡
C4化合物 C3化合物
二酸化炭素(CO2)
図1 植物の炭酸同化における2つの
異なる反応経路の概略図
2
カルビン
ベンソン
回路
デンプンなど
問1 文章中の空欄にあてはまる語を答えよ。
問2 植物 AとBを1つの密閉容
(イ)
(ロ)
0.04。
い)
器で育てた場合, 図2のような二
0.03-
酸化炭素濃度の変化を示したのは
なぜか。図の(イ), (口), (ハ)の 3つの
0.02-
時期に分けて, それぞれの植物の
0.01-
二酸化炭素の吸収量や放出量と成
長の有無と関連づけて説明せよ。
0.00
0
24
48
光照射を開始してからの時間 (時間)
72
問3 下線部のうち, 植物 Aのみ
図2 植物 A とBを1つの密閉容器に入れて光を
照射したときの二酸化炭素濃度の経時変化
を入れて測定した場合, 容器内の
二酸化炭素濃度はどのようになると予想されるか。図2に点線で図示せよ。
と 日 ミ > + L日
密閉容器内の
二酸化炭素濃度(%)
7 光合成と環境適応
から取
ていかに効率よく利用するかは, 重要な問題である。植物の衣皮は二酸化炭素をに、し
1
を通して行われる。
り込まれた二酸化炭素は, さらに葉肉細胞内へと溶け込んでいく。
多くの植物では, 図1-Iで示したように, 葉肉細胞内に溶け込んだ二酸化炭素が。
にカルビン·ベンソン回路に入り, デンプンなどの有機物質となって固定されるこ
炭酸同化は起こる。 しかし, 植物のなかには図1一IⅡで示したように炭酸同化の反応終。
通さず、二酸化炭素の取り込みは, もっぱら
2
を葉肉細胞と
素イオンとなり, これが酵素反応により炭素数3の化合物 (C3化合物)と結びついて出
へと運
接にカルビン·ベンソン回路に入って固定されるのではなく, 葉肉細胞でいったん炭藤」
2
数4の化合物(Ca化合物) となる。 生じた C4化合物は原形質連絡を通じて
ばれ,そこに存在する酵素のはたらきで C3化合物が生成されるとともに再び二酸化炭素
が放出される。この二酸化炭素がカルビン·ベンソン回路に入って炭酸同化に利用される
2で
のである。この反応経路のおかげで, 図1一Iのような炭酸同化を営む植物の
は、二酸化炭素の濃度が, 図1-Iのような炭酸同化を営む植物の葉肉細胞中の二酸化炭
素濃度と比較して数倍にも高まるという。
図1-Iで示したような炭酸同化を営む植物 A と, 図1-Iで示したような炭酸同化
を営む植物Bを,空気(およそ0.035%の二酸化炭素を含む)を満たした1つの密閉したガ
ラス容器に入れ, いずれの植物にとっても光飽和となるような一定の強さの光をあて続け,
容器内の二酸化炭素濃度の経時変化を測定した。 測定の間,ガラス容器内は, いずれの植
物も生育可能な一定の温度に保った。 図2で示したように, 光照射を始めてから3時間
ほどで, 容器内の二酸化炭素濃度は0.01%程度まで減少し, その後, 一定の濃度をしばら
く保ってから徐々に低下した。 植物Bはこの間, 成長を続けたが, 植物 Aの成長は3時
間を経過した頃には止まり, 30時間以降にはその代謝活性がほとんど認められなかった。
また, 72時間を経過した頃には, 葉の黄化や落葉といった特徴がみられた。なお, 同様
の実験を,植物 Aのみ, あるいは植物Bのみをガラス容器に入れて行ったところ, いず
れの場合も,成長は12時間を経過した頃には止まっていたが, 72時間を経選O下もの
黄化や落葉は観察されなかった。
S°DA