論述
少 員人
口101 植生の遷移(3) 九州のある火山地帯(海抜 300 m以下)では, 噴出年代の異な
る5つの溶岩流A~Eがあり、それぞれに森林が発達している。それぞれの溶宕流
の森林において,同じ大きさの方形枠(区)を設定して、その中に生えている a種と
b種の樹木の直径を測り,本数を数え,下図のような結果を得た。 の
A
B
C
D
E
b種
本
a種
L
A JI
J |
数
0 20 40 60 0 20 40 60 0 20 40 60 0 20 40 60
0
20 40 60
直 径 (cm)
(1) a種とb種は, それぞれ陽樹と陰樹のどちらか。
(2) A~Eの森林の遷移の順序を示せ。(解答例:A→B→C-→D→E)
(3) 一般に,遷移の過程において, 森林形成時にはまず陽樹林が形成され, やがて陰
樹林へと変化していく。 このように陽樹林から陰樹林へ変化する理由を50字以
CS 述Sよ。nnerでスキ
(長崎大)
6章 植生の多様性と分布 | 151
101 植生の遷移3)
解答
a 種…陽樹 b種…陰樹
(2) A→E→B→C→D
(3) 陽樹林の林床は照度が低いので、陽樹の芽生えは生育できないが,陰樹の芽生えや幼
木は生育できるから。(48字)
(1) 図より,a種はすべて直径20cm 以上であり.直
径が小さい(細い)個体は森林内に存在しないことが
わかる。したがって、a種は森林内の暗い環境下で
は芽生えが生育できない陽樹であり,細い個体(芽
生えや幼木)が森林内で成育できるb種が陰樹であ
ると考えられる。九州のような温暖帯では,タブノ
キやスダジイ,アラカシなどがみられる。
(2) Dはb種のみからなる陰樹林であり,それ以外
は混交林である。遷移は混交林→陰樹林のように進
行するため,遷移の早い段階では陽樹の本数が陰樹
の本数よりも多く(A), 陽樹はしだいに減少して
(E→B→C), 陰樹のみの状態(D)になる。
(3) 陽樹は,陽葉のみをもつ陽生植物である。これに
対して、陰樹は芽生えの時期は陰葉しかもたないが、
成長するにつれてしだいに陽葉ももつようになる。
陽葉は光飽和点が高く,陰葉は光飽和点が低いので
強い光の下では陽葉のほうが見かけの光合成速度が
大きくなる。また, 陰葉は,強い光の下で正常な成
長が阻害される。このため, 低木林のような林床の
照度が比較的高い場所では, 陽樹の芽生えや幼木の
ほうが、陰樹の芽生えや幼木よりも速く成長し、 陽
樹林を形成する。しかし, 陽葉は,呼吸速度が大き
く光補償点が高いため, 陽樹の芽生えや幼木は弱い
光の下では生育できない。一方, 陰葉は, 呼吸速度
が小さく光補償点が低いため, 陰樹の芽生えや幼木
は弱い光の下でも成長できる。したがって, 陽樹林
が形成されて林床の照度が低下すると, 陽樹の芽生
えや幼木は育たないが,陰樹の芽生えや幼木は成長
する。
A-E
陽樹
の光補償点や光飽和点が高く, 陽
生植物の特徴を示す。
の弱光下(日当たりの悪いところ)
では育ちにくく, 開けた明るい
場所でよく生育する。
陰樹
の芽生えや幼木の時期に陰生植物
の特徴を示す。
2芽生えや幼木の時期には, 日当
たりの悪いところで成長し, あ
る程度成長すると日当たりのよ
いところほどよく成長する。
陰樹が成長した結果,陰樹の高木が陽樹林に混ざ
るようになり,混交林が形成される。 陰樹は成長す
ると,陽葉を多くもつようになるため, 強光下にお
CS のる成長が促進されるようになり, 陽樹の高木が枯
死するにつれて, 陰樹に置きかわっていく。 こうし
て,陰樹が優占種となり, 陰樹林が形成される。陰
『H掛け出育できず。
理解しました!
ありがとうございます🙇♂️