解答

行列は、連立方程式から派生したものなので、問2の(3)を見てみましょう。連立方程式を解くためには、例えばxを求めたいのであればyの係数を合わせますよね。このとき、方程式を何倍かして、方程式同士を足し算したり、引き算するはずです。それを端的に言うと、連立方程式を解くときには、① 方程式を何倍かする、② 方程式の何倍かを別の方程式に加える、のいずれかを行うとのです。また、これらの2つの処理に加えて③ 方程式の位置を入れ替える、ことを実行しても、x,yの値が変わってくるということは絶対ないですよね。
今までのことをまとめると、あの有名な行基本変形になるんです。整理すると、
① Q_i(c):i行目をc倍(c≠0)する
② R_ij(c) : i行目のc倍をj行目に加える
③ P_ij : i行目とj行目を入れ替える
となります。
結局、行列というのは、普通に連立方程式を解くのと全く同じ思考回路で、求めたい解x,yの係数だけに着目して機械的に処理できる手法なのです。
さて、掃き出し法がわからないということですが、掃き出し法というのは、連立方程式を解くときにどうせならもっと係数を人間が見やすいように並べた方が解きやすいですよねっていうことなのです。そうしたら、自然と係数だけを抽出した行列を簡略化することが思い浮かぶと思います。簡略化は行列に出来るだけ0を作って簡単に数を並べることです。ここで簡単に並べるとは、行の先頭の数は1にするように数を並べることです。先頭の数が1になれば、全ての数に対してc倍(c≠0)すれば、その1が含まれる列がその1以外全て0にできると思います。こうして行基本変形を施して行列を簡略化すれば、連立方程式の係数を整理することができます。
さて、行列を簡略化したならば、ラストスパートです。ここで、簡略行列の行に関して1が含まれれば、その行は解を求めるための情報を1つ持っているということになります。簡略行列において、この1は重要な指標になるので、主成分と呼ばれています。さらに、簡略行列(= A)の主成分を含む行をrank(A)と言います。よって、
❶ (求めたい解の数)=rank(A)なら、解は一意に決まる
❷ (求めたい解の数)>rank(A)なら、(求めたい解の数)-rank(A)分だけ、パラメータを置く
ということがわかると思います。
❶の場合はそのまま解くだけなので、❷の場合を考えたいと思います。主成分を含む列と対応する解は、必ず他の解の係数が整数な一次結合で表されます。と言っても分かりにくいと思うので、例を使って説明します。
(行列が汚くなってしまいますが、ご了承ください)
x_1
1 0 2 0 x_2 = 0
0 1 -5 3 x_3
x_4

⇔ x_1+2x_3=0
x_2-5x_3+3x_4=0
⇔ x_1=-2x_3
x_2=5x_3-3x_4
よって、解x_1,x_2,x_3,.x_4は全てx_3,x_4で表されます。ゆえに、
x_1 -2x_3 -2 0
x = x_2 = 5x_3-3x_4 = x_3 5 + x_4 -3
x_3 x_3 1 0
x_4 x_4 0 1
よって、簡単に解を求めることができます。

長々と説明しましたが、これで大丈夫ですか?

掃き出し法
ゲスト

問1の(2)みたいな問題はどうすればいいですか?

DoDoraemon

Ax=bの形の場合は、拡大係数行列(Ab)を簡略化すれば大丈夫です。b=0のときは、0を簡略化しても0なので、Aだけを簡略化すればいいのです。

ゲスト

問1の(2)は、上の2列を使って簡略化すればいいですか?
上の2列で先頭の数字の1を作ればいいですか?

DoDoraemon

行列の簡略化は行基本変形によらず、一意に決まります。上でも説明した通り、簡略行列は
1 ********0*0*
0 0 1 0 *****0*0*
0 0 0 1 *****0*0*
0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 *0*
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1*
*は何の数でもよい。
というような行列です。
なので、質問者さんが言っている「上の2列を使って簡略化すればいいか」という質問ですが、一部分だけ簡略化するというこうはないです。そもそも上の簡略行列になって初めて「簡略化」と言います。上の2列だけでなく、全ての行に関して簡略化しなければなりません。
何回も繰り返しますが、簡略化は行基本変形がどんな手順であっても、同じものになりますので、うまいこと先頭を1であわせないとダメなのかなとかは考えなくて大丈夫です。

ゲスト

先頭の数字に1がない場所はどうすればいいですか。

DoDoraemon

1がない場合は0になりますよね。

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