①
Cu
AI
Ag
(Cul
/cu
AI
HCI水溶液
HCl水溶液
|濃HNO3 水溶液
CuSO 水溶液
|AgNO3水溶液
濃HNO3 水溶液
(1) 気体が発生したものの図番号と, 発生した気体の化学式を答えよ。
(2) 金属が析出したものの図番号と,析出した金属の名称を答えよ。
(3) 金属が溶けたものの図番号と、溶け出した金属イオンの化学式を答えよ。
(4) 変化がない,あるいは変化が途中で進まなくなるものの図番号と理由を答えよ。
解答
(1) ① H2
③ NO2
(2) ⑤ 銀 (3) ① A3+ ③ Cu2+
Cu2+
(4)② 水溶液中のH+ より 金属 Cuのイオン化傾向が小さいから。
④ 水溶液中の Cu2+ より 金属 Agのイオン化傾向が小さいから。
⑥ AI は濃HNO3 中では不動態となり溶けないから。
ベストフィット
イオン化傾向
イオン化傾向が大きいほど酸化されて陽イオンになりやすい。
Li >K>Ca > Na > Mg > AI> Zn> Fe > Ni > Sn> Pb > (H2) > Cu> Hg > Ag > Pt > Au
解説
イオン化傾向の大きい金属が溶液中でイオンであるならば, 安定なので変化が起こらない。 逆に,イオン化傾
向の小さい金属が溶液中でイオンであるならば、不安定なため還元されて金属に戻ろうとする。
① 溶液には,塩酸から生じる H+ と単体 AI が存在している。 イオン化傾向は AI>H の関係にあるので,AI
は酸化されて AI3+ になる。
② 溶液には,塩酸から生じる H+ と単体 Cu が存在している。 イオン化傾向はH> Cuの関係にあるので,
変化は起こらない。
③ 濃硝酸は酸化力が強く Cuは酸化されて Cu²+になる。
④ 溶液には, CuSO4 水溶液から生じる Cu2+と単体 Agが存在している。 イオン化傾向はCu>Agの関係
にあるので,変化は起こらない。
⑤ 溶液には,硝酸銀水溶液から生じる Ag+ と単体 Cu が存在している。 イオン化傾向は Cu>Agの関係に
あるので, Ag+は還元されて Agになる。
⑥ Fe, Ni, Al は濃HNO3 中では不動態となり,それ以上変化は起こらない。
⑤は変化が起こりそれぞれの化学反応式は次のようになる。
① 2AI +6HCI→ > 2AICl3 +3H2
③ Cu + 4HNO3
←
→Cu(NO3)2 +2H2O +2NO2
⑤ 2Ag+ + Cu→2Ag+Cu2+
水素が発生
二酸化窒素が発生
銀が析出
112 第3章 物質の変化