Contemporary writings
高中
22〜24までの回答を持ってる方見せてください
ださい。
273 54
2
2
アムリタ
ステップ3
基礎力を完成させよう
吉本ばなな
読解 「私」の胸に熱い塊をつくったものは何だ
課題 比喩表現から心情理解を深めよう
読標
目
(注)
ある日、「私()」は階段から転落してしまう。病院で意識を取り戻した「私」であったが、記憶の一部を
失っていて駆けつけた母のこともよく認識できずにいた。そんな「私」の脳裏にひとつの記憶がよみがえる。
家で、母が泣いているときの記憶だった(うちってどこだろう、どの空の下の、どんな建物なんだろう?
と思ったけれど)。涙の記憶、映画の回想シーンにフィルターがかかるように、記憶の湖の透明な水面から
浮かび上がってきた。祖父が死んだとき、たしかそうだった。 人の涙は本当に、あとからあとからあふれ
て、ほほをつたって地面に落ちるんだ…と思った。
それから味。名前は思い出せなかったが、妹、という概念とともにあんまりかわいい子が浮かんできた 5
ので、私はそれを自分が捏造した妹かと思ってしまった。でもそれはたしかに真由の姿だった。妹の遺品
を整理しているときの、後ろ姿。 私が独り暮らしをしていたころ、恋愛に失敗して思わず電話で泣いてし
まったとき、母がぽろっと言った言葉。「大変、 朔美が泣いてる。」私はあんまり泣かない子だったから。
ああ、こりゃ間違いないわ、お母さんか………傷つけちゃいけないな。 その思いだけが決してオカしては
いけない何かとして真のように繰り返し、痛い頭にぼんやり響いていた。彼女は私がまだ麻酔でぼけて10
いると思っている。目の下に限があって、潤んだ瞳は私が無事に目覚めたことから喜びの水分をたたえて
いる。......ことがわかった。こういう気の使い方で何とか生きのび、こういう気の使い方で疲れ果ててき
たのだろう、と私はそのよく知りもしない「サクミ」という人の人生を思った。しかしそれも今日かぎりな
のです 今からはいきあたりばったりにやってもらうほかありません。 と覚悟を決めた。
「お母さん。」と私は言った。 母がゆっくりうなずいた。うれしそうに、心をこめたうなずきかたで。そ15
して花嫁みたいに笑った。私は今、人がこの世で一番はじめに知る世にも暖かい単語を口にしたのに、何
だか結婚詐欺をしているちんぴらのように寒々しかった。頭が痛く、母という概念が濃縮された濃い濃い
汁になって脳みそにしみていくような痛さだった。しかし同時にその発音は、左胸の下あたりにほんのり
と熱い塊をつくった。何なんだろう、と思った。
見れば真昼の病室、キョウレツに晴れた空が窓の外に見えた。私の記憶のようにすっからかんで、真っ 20
青だった。記憶はすぐに、あぶりだしみたいに徐々によみがえってきた。ただ、私と私の間の透明なはず
ダラスに、まるで
別にいい
がったときみたいに水滴がついてしまった。どうしても消えない。
)に線を引き、どのようなことを表現しているかイメージしよう→問五を攻略
⑤5~4
②ときの記憶
間
映画の回想シーンにフィルターが・・・
―映画などの回想の場面で、映
像がセピア色やモノクロで映し出
されることをふまえてのたとえ。
真言 仏教の呪文。
要旨をつかむために!
▼空欄を埋めていこう
文章展開図
母が
・妹→(母の後ろ姿
・電話→(母の言葉
3.
ああ、こりゃ間違いないわ、
か・・・
→傷つけちゃいけないな
「」と私は言った
母 花嫁みたいに笑った
私結婚詐欺をしている
ちんびらのよう
痛さ しかし同時に――
ほんのりと熱い塊をつくった
大きくとらえよう
【各1点】
のポ
戻
の涙の
兄
「
【各2点】
要約への第一歩
〇場面
意識を取り戻した「私」に、
んだけど。気にしてないけど。
ガイド 比喩表現(直
JO
がよみがえる
問 漢字 傍線部~ ②について、 カタカナは漢字
で、漢字はその読みをひらがなで書け。 【各3点】
問五〇課題 傍線部 ③について、ここで「私」がこのよ
うに感じるのは、なぜか。 母の様子をふまえて、
三十字以内でわかりやすく書け。
○「私」の心情
その発音
を
→ほんのり
ステップ
20
問二語句 波線部A「捏造」の意味として、最も適切
〇場面
理解を深めよう
要約のための確認【各2点】
なものを、次から選べ。
【4点】
⑦ とりつくろう
受け入れる
→お母さんか
隠している
でっちあげる
夢中になる
問六読解 本文において、「私」は、駆けつけてくれ
た母にどのような気持ちを抱いたのか。最も適切
なものを、次から選べ。
状況
ぜ
【7点】
と
問三指示 傍線部①とあるが、「私」は、どのようなこ
とを思い起こしたのか。二十字以内で書け。【6点】
⑦ 愛情の深さを実感し、うれしくなっている。
親がそばにいてくれることに安心している。
花嫁みたいなその笑顔に、安堵している。
記憶にかかわらず、愛情が湧いてきている。
泣かせたことを後悔し、 申し訳なく思ってい
思い→「お母さん。」と呼びかけた
〇「私」の心情
あんど
e
結婚詐欺のよう
しかし、その発音→
55 ステップ3
小説
問四表現 傍線部について、「私」の気づかいを説明
した、次の一文の空欄を補うのに適切な語句を、
は二字は九字で本文から抜き出して書け。
娘のに涙を浮かべる母親を、
る。
問七表現 二重傍線部XYの表現の効果の説明として、最も適切なものを、次から選べ。
⑦「私」が、記憶を完全には取り戻すことができていないことを表現している。
痛みとともに、
各3点
⑦「私」が、事故の前の自分と今の自分に違和感を抱いていることを表現している。
①「私」が、急によみがえったさまざまな記憶に混乱していることを表現している。
「私」が、見通しの悪いまま病院生活を余儀なくされることを表現している。
M「私」が、記憶はあまり気にしておらず楽観的に考えていることを表現している。
【7点】
モバー
ださい。
基礎力を完成させよう
ステップ3
ステップ3
基礎力を完成させよう
泥の文明
砂の文明石の文明・
ほわもとけんいち
「文化」や「文明」のあり方を考えよう
課題 接続語のはたらきに注目しよう
七標分
3
5
答1
文
問解
文字が
文明とは普遍的なものであって、非常に使いやすいものである。それゆえ文明は、一つの民族やチイキ
に固定することなく、グローバルに浸透してゆく。たとえば、中華文明を象徴する漢字は、
で、
わたしは「文化」について、「民族の生きるかたち」といつも言いかえている。 これは、それぞれの民族が
固有にもっている個性的な暮らし方であり、伝統であり、風習にほかならないからである。普遍的な文明
からすれば野蛮人のように見えるかもしれないが、それぞれの風にのっとった暮らし方、それぞれの暮
らし方から編みだされる個人と共同体の守り方、それゆえの価値観といったものに従ったかたちがある、
ということだ。これはまさに個々の民族がもっている文化と見たほうがいいだろう。
青文字が三割程度になっている。「川」という象形文字を見て、たしかにこれはわれわれのところ
を流れている川にもあてはまると思えば、漢字があったほうが便利である。だから漢字をもたない民も積
極的に取り入れることになる。あるいは近代西洋文明で言うと、自動車というものが非常に便利で生活に 10
役立つと思えば、キョウセイされなくてもだれもが手に入れようとする。そうした普遍的なものの考え方
文物が文明によってもたらされるのである。
しかし闘って言うと、普遍的なものというのは、つねに次の新しい普遍的なものに取って代わられる可
能性がある。だから、「文明は普遍的ではあるが、それゆえに必ず滅びてゆく」ものである。それに対して
(注8)
文化は、その民族の生きる固有のかたちだから、それぞれの時代の文明に応じたり、あるいはもっと時代 15
に合ったかたちに変容することが必然化される。そのため、「文化は変容しつつも滅びない」のである。
中華文明にしても、ローマ文明にしても、自分たちが文明であると思っているところは、その文明意識
を強固にすると、周りはすべて野蛮人に見えてくる。特に自分たちの周りにいる人間が喋っている言葉が
わからないと、そのシュンカンに「彼らは野蛮である」と思う。特に漢字という文明がなかったり、ラテン
語(文字)というものがなかったりすれば、すべて野蛮人であると思うのである。
しゃべ
20
6文物
7闘って
すべてにあてはまるさま。
(注)
普遍的
―地縁や血縁でつながった
共同体
伝統や風習を共有する人々の集団。
地球規模の。
グローバル
4象形文字
形声文字
∞ラテン語-
要旨をつかむために!
空欄を埋めていこう
○文章展開図
①文化・・・
↓
物の形から作った文字。
意や音から作った文字。
文化に関する産物。
反対に。 他の方面から。
古代ローマの共通語。
=「民族の生きるかたち」
文明・・・普遍的
→グローバルに浸透
例:漢字・自動車
③ 普遍的なもの
次の新しい普遍的なもの
に取って代わられる
文明は周りを
【各2点】
イント
にもつ
本誌で確認
の記憶がよみがえり、
ちゃいけないと思
の心情
詐欺のようで寒々
落要旨 空部
母が泣いている
妹真由の遺品
いたときの
野蛮人と見る
傷つけちゃ
すべての民族
言葉・
しかし、
し、すべての民族は、たとえ漢字やラテン語がなくても、それぞれの言葉を使い、共同体(コミュニ
ディ)をつくっている。
大きくとらえよう
とに気づ
H
「お母
とい
ガイドのうち、原因・理由と結果をつなぐ役割を果たすものをで囲もう→間四を攻略
要約への第一歩
【2点】
玉
(税について。 カタカナは漢字
で、漢字はその読みをひらがなで書け。(各3点
について、「普遍的なものの考え方
【7点】
文物」の例として、最も適切なものを、次から選
〇話題
「民族の
としての文化
栄養
土地の気候に対応した建築物
欧米流のマナーやエチケット
漢字から発明されたひらがな
近代の民主主義の考え方
ある国の伝統的な民族衣装
筆者の主張
民族はそれぞれの言葉を用い、
間語句 波線部A「個性的」について、反対の意味
を示す語句を、解答欄に「非」「不」「未」「没」のうち
一つを書き入れ、完成させよ。
共同体をつくっている
理解を深めよう
個性的
【4点】
問六内容 傍線部④「それに対して」とあるが、筆者
は文明と文化の違いをどのように考えているか。
次の一文の空欄を二十字以内で補え。
。
要約のための確認【⑥各2点】
話題
「民族の
それぞれ
【各3点】
【6点】
間指示 傍線部①「これ」の示す内容を説明
次の一文の空欄を補うのに適切な語句を、iは二〇普遍的な文明は、次の普遍的なものに取って代
字は四字で本文から抜き出して書け
られ、必ず滅びるが、文化は民族の生きるか
たちであり、
=文化→固有にもつ
筆者の注目している点
文明・・・グローバルに浸透
問題の解
に従って形作られる、
や伝統、風習などの「民族の生きるかたち」。
的であるため滅ぶ
H
筆者の主張
民族・・・
問四〇課題 傍線部のとあるが、「文明」が広く「浸透」
していくのはなぜか。 「文明」の性質をふまえて、
三十字以内で書け。
新傾向
と見られるが
→それぞれの言葉・共同体=文化
57 ステップ3 評論
【8点
問七読解 傍線部⑤には、筆者のどのような考え方が反映されていると考えられるか。 最も適
切なものを、後の選択肢から選べ。
⑦ 文化は、特定の風土のなかでしか通用しないものであり、広く活用される文明に劣る。
【7点】
文化は、それぞれの民族が固有に築く生きるかたちであり、文明に劣るものではない。
文化はつねにかたちを変えるものであり、その全容をとらえることは不可能である。
文明はいずれ滅び去るものなので、個々の民族のなかで更新される文化にかなわない。
文明も文化も人々が時代を超えて共有してきたものなので、それぞれにすぐれ
点がある。
ステップ3
725Ntn
基礎力を完成させよう
和6年
次の
CG
た。
口業
使われることに。
ねえ とに
気の
頭ごなした
幸田
● 「私」の、父の思い出を読み取ろう
課題者の視点に立って、その感動をつかもう
いがけなくいい美術品などを見ることができました。などと言うし、
で、というように以前はしてい
言うこと言うことが、
今は言わない。
あの人も悪い人間じゃないのに、口の強
ある。口にある、とも言う。今でも口に毒のある人という言い方は5
と言っきから
わわわやられれば、理由なき反戦なんて苦もなくできちまうものである。
運のよいこと。
2 未来に善悪の報いをもたらす
行為。
3いかれた―ここでは、強くひきつ
けられたの意。
・眼の病気のこと。
4眼疾
5叱言小言のこと。
要旨をつかむために!
を埋めていこう
↓空欄を埋め
文章展開図
【各1点】
ご
おかしたひそめ
と言ったことは私に「口」をひとつおぼえにおぼえさせた。
それがことのみに止めておこう、というしおらしい気になって、身にしみておぼえる。父親が気
にいかれたかというと、実態があったからだと思う。ただし、そのときそう思ったのではな
なぜ気の毒にいか
そのときはただ、ほっとしたのである。あとで考えてみて、私が勝手にそうスイサツしたのである。
(注4)
④ 貧乏というのもその人が一時期だけ貧乏したという短期貧乏もあるし、私のうちなどは祖父母だかその
前からだかの、長期貧乏であるようだ。だから父親は栄養失調の眼疾で困ったりして育ったが、本という
ものへ惹きつけられる性質だった。ところが貧乏の兄弟たくさんだから、学校はもとより、気ままに勉強
をしていられる身分じゃなかった。 それでも本が読みたい。それで早く月給取りになって、ひとりで本を 20
読んで、とうとう一生本とともに押し通したが、あるとき父の母が、つまり私にはおばあさんが、何か父
言を言ったらしい。きっと虫の居所がいけなかったのだろう。 父は腹を立てて「かあさん、わたしはあ
っとつらい一生迎えめになった子であると
まりあなたのお世話にはなりませんでした」と言い放ったという。おばあさんはこたえたらしい。十年も二
十年も父の胸にあったうっぷんだったと思う。だが、それを言って母を傷つけてしまったから、言わない
だって、父という人の舌もも菜をもっていたからである。 自分の口業を承知していたに違いない。 とす
れば私に気の毒と言うとき、うそやいつわりでない悲しみをもって言ったはずである。父親の口業の一つに
私ははっきり聞いて知っている。
くのも口の一種か。
ガイド 段落で、父のふるまいや様子が具体的に描かれた箇所に線を引き、筆者の視点に立とう→問四を攻略
言うこと言うことが、
人を傷つけフユカイに
→トラブル
口の強いうまれ=私
・・・まこと
(父)
私身にしみておぼえる
実感があった
(約のポ
面
③私に
と言うとき
母の涙の
状況
傷つけ
→うそやいつわりでない悲しみ
44(父の体験)
拭えぬ記憶
大きくとらえよう
【②各2点]
話題
という言葉
筆者の所感
要約への第一
E
漢字 傍線部~ ②について、 カタカナは漢字
で、漢字はその読みをひらがなで書け。【各3点】
行為。
問四〇課題 傍線部②のように、父には「実感があっ
た」のだと思ったのは、「私」がどう考えるからか。
本文から二十字以内の一文で抜き出し、初めの五
字を書け
話題
父・・・
ない
父の言葉に、うそやいつわりで
理解を深めよう
を感じた
要約のための確認 【 各2点】
強くうまれて、
問二語句 波線部A「しおらしい」の意味として、最
も適切なものを、次から選べ。
【4点】
まことに気の毒だ
【7点】
筆者の気づき
思慮深い (つつしみ深い
怒りっぽい
わざとらしい
気の毒・・・
があった
思いやりの深い
問五内容 傍線部③とは、どのような「記憶」か。 最
も適切なものを、次から選べ。
【7点】
筆者の所感
間三傍線部について、次の問いに答えよ。
父のうそやいつわりでない
内容 どのようなことを「口業」と言うのか。
最も適切なものを、次から選べ。
6点
⑦ つい人の悪口を言ってしまうこと。
言いたい放題に母に反抗していた記憶。
ためこんだ不満をつい母に漏らした記憶。
腹立ちまぎれの言葉で母を悲しませた記憶。
母の言を素直に聞けなかった記憶。
を傷つける...
一生拭え
記憶
食べ物に対し執着心が強いこと。
言葉がもとで災いを引き起こすこと。
想やたら人に反論してさからうこと。
挨拶や礼をきちんと言わないこと。
勉強ばかりで孝行できなかった記憶。
59 ステップ3 随想
問六読解 本文に描かれる「私」の心境を説明した、次の一文の空欄を三十字以内で補い、文を
2文脈 この行為を、「私」はどのようなものと
「気の毒だ」という言葉から、
【8点】
を感じている。
して受けとめていたのか。解答欄に合うように、
本文から二十字以内で抜き出して書け。【6点】
解答
尚無回答
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