6
じん臓は、血液中の不要な物質を体外に排
イヌリン
ブドウ糖
尿素
出するはたらきをしている。 血液中の血しょ
うはじん臓でろ過されて原尿 (尿のもとにな
る液体で, タンパク質を含まないこと以外は
血しょう中の成分と同じ) となる。 その原尿
の中から、ブドウ糖やアミノ酸など、体に必要な物質は毛細血管に吸収されて血
液中に戻される。水分もまた 99%以上が吸収され, 吸収されずに残ったものが
尿として排出される。 しかし、体に不要な物質の一部も水と一緒に吸収される場
合もある。 このじん臓のはたらきを調べるために次のような実験を行った。
表2 尿中の成分
イヌリンという物質(炭水化物の一種)を
物質名
ある正常な人の体内に注射で投与し,しばら
くしてから血液を採取してその成分を調べた
(表1)。 イヌリンは体内にもともと存在しな
い物質で、体の中では利用されず, じん臓で
ろ過されて原尿中に出てくることがわかっている。 そして, 毛細血管にはまった
く吸収されずに尿中に排出される。
濃度(mg/cm²)
3.60
イヌリン
ブドウ糖
尿素
0.20
+/14.40
この人の24時間の尿量は1500cm であった。 この尿中の成分を調べた結果を
表2にまとめた。
次の(1)から(3)までの問いに答えなさい。
□□(1) イヌリンは、何倍の濃度に濃縮されて尿中に排出されたことになるか、求め
表1 血しょう中の成分
物質名
濃度(mg/cm²)
0.03
0.85
0.30
なさい。
■□ (2) (1)の結果から考えて、この人のじん臓で1日にろ過されてできた原尿は何cm
と考えられるか, 求めなさい。
(3) ろ過された尿素は何%が毛細血管に吸収されたか、求めなさい。