列に関する同様の操作を列基本変形という。すなわち
(1) Aの2つの列を入れ換える
(2) Aの1つの列をc倍する (c≠0)
(3) Aの1つの列に他の列のc倍を加える(cは任意の数)
行基本変形と列基本変形をあわせて基本変形という。
次の定理が成り立つことは, 容易に確かめられる。
列基本変形
22.3 基本変形は可逆な操作であり, 行列 A が ある基本変形に
よってBに移るならば, 行列 Bもある基本変形によってAに移る。
定理 22.4 行列 A に任意の基本変形を施しても, 階数は変わらない。
証明 行列Aに上の6種類の基本変形のいずれかを施してBに変わった
とする。 このときAとBの階数について
r(B) ≤ r(A)
①
が成り立つことを証明しよう。 AとBをmxn行列,r(A) = r とする。
1) r = m または r = n の場合は,(B)≦rであり,① が成り立つ。
2) 上記以外の場合. A の r + 1 次の小行列式はすべて0である。基
本変形後の行列Bの任意の +1次の小行列式は,変形前の行列Aのr
+1次の小行列式 (またはその定数倍)の1個または2個の和であり, した
がって 0 である。よって,系 22.2によりr (B) < r +1 となり,① が成り
立つ.
さて、定理 22.3により基本変形は可逆な操作であるから,BをAに移
す基本変形が存在する。この変形についても①と同様のことがいえるから
r(A) ≤ r(B)
②
①,②より(B) = r (A), すなわちAとBの階数は同じである。 ◇
任意の行
標準形
準的な形に変形するこ
まずA=0のとき
ることはない。 次に
列の入れ換えにより,
0m 倍すれば,Aは
-
の形となる。 次に A
ぞれ引くと,(2,1),
列から第1列の a12′
(14) 成分が0とな
注意1 上の A' から
き出しという。
ここで*印の成
の入れ換えにより