Questions
高中
問5が特にわからなくて、教えてもらえるとありがたいです。
国語 ●満点10点 ●時間50分
次の各文の――を付けた漢字の読みがなを書け。
山頂から朝日に輝く雲海を眺める。
② 他校の生徒会役員を招いて懇談する。
展覧会に出品した絵を先生に褒められる。
氷上の華麗な舞いに、観客の拍手が起こる。
⑤ 入学式を前に、新しい制服をハンガーに掛ける。
二 次の各文の を付けたかたかなの部分に当たる漢字を楷書
で書け。
親友と将来のユメを語り合う。
高原の牧場で、新鮮なギュウニュウを飲む。
幹線道路をチュウヤの別なく車が行き交う。
長年の努力が実験を成功へとミチビいた。
⑤ 発表の資料を作るために、図書館で文献をフクシャする。
三
(*印の付いてい
次の文章を読んで、あとの各問に答えよ。
る言葉には、本文のあとに〔注〕がある。)
しまむらちえ
小学校五年生の島村千恵は、ふだん行き来のなかった祖父の
えんじ
エンジ (圓治)の家で夏休みを過ごすうちに、自宅に帰りたくな
くなっていた。千恵の気持ちを察したエンジは、千恵が夏休み
の間、少しでも長くとどまれるよう、その口実を作るために、
道具箱を階段の上から投げ落として大きな音を立て、自分が階
下に落ちて膝にけがをしたふりをしていた。
しばらくして、エンジは板塀を直した。あの道具箱から、ノコギ
(5) (4) (3) (2) (1)
(3) (2) (1)
ひさ
ロミニ
かいしょ
リやらゲンノウやらを出し、木を切ったり、釘を打ったりした。
あっという間に、ぼろぼろだった板塀は、立派になった。
「これでまあ、あと十年は平気だ。」大彦
エンジは得意気に笑った。いつかエンジは言っていた。塀より自
分の方が先にいってしまうから直さないのだと。なのに、どうして
直す気になったんだろう。
せたがや
やがて夏の終わりがやってきた。 千恵が世田谷に帰る日だった。
エンジの膝は治った――ということになっていた。電話してみたと
ころ、美紀ちゃんは旅行に行っていて会えなかった。千恵は例
の壁画のところに向かい、壁に描かれた切れ長の目の美紀ちゃんに
言った。
「さよなら。」
またね、という言葉を足すかどうか迷ったけど口にできなかった。
なぜだろう。
「さて行くか。」
そう言ったエンジは、いつものダボシャツとステテコではなく、
透かしの入った服と、濃紺のズボンをはいていた。エンジがそんな
格好をしてるのは初めて見た。 千恵はびっくりした。
「え、なんで。」
千恵は尋ねたけど、見当違いの言葉が返ってきた。
いや、あるいはばっちりだったのか。
えいたいばし
「永代橋を渡りたいんだろう。」
「あ、うん。」
「一回くらい渡っておいても損はないな。 ありゃ立派なもんだ。橋
の向こうも、どうせ同じ地下鉄だし。」
1 「エンジも渡るの。」
「そうな。」
エンジは、しばらくのあいだ、考える振りをした。
み
平成21年・東京都 (41)
あの道具箱から、
その気持ちは明らかなのだが。
「まあ渡ろうか。」
「向こう岸に行ったことあるの。」
「そりゃあるさ。」
ぐずぐずしている千恵を促したのは、エンジの方だった。
「忘れ物はないか。」
「うん。」
「じゃあ行こう。」
エンジはいつもの散歩道を通った。 永代通りを真っ直ぐ歩いた方
が早いのに。裏道を行き、倉庫の角を曲がった。自然と千恵の足取
りは遅くなった。少し歩くごとに、エンジは待っていてくれた。
「いつでも来られる。」
エンジは言った。
*シゲが調べてくれたんだ。」
「え、なにを。」
きよすみしらかわ
「清澄白河駅なら一本だ。」
千恵の住む世田谷と、エンジの住む深川は、直通電車がある。地
上線と地下鉄だけど、繋がっているのだ。
つな
「そうだね。」
なぜ、そのとき、胸が痛くなったんだろうか。
「すぐだよね。」
やがて永代橋にたどり着いた。 太陽はビルの向こうに沈んで、そ
の輪郭だけが光っていた。
橋の手前で、エンジは立ち止まった。
「行こうか。」
るぞ」
なかなか歩き出さない。しかし最初の一歩が伸びると、あとはス
「うん。」
した。
ノコギ
エンジは、しばらくのあいだ、 考える振りをした。
つな
ムーズだった。いつしか、千恵はエンジと手を繋いでいた。エンジ
の手は大きくて、ごつごつしていた。硬かった。
「手、硬い。」
そう言うと、エンジは笑った。誇らしげだった。
「職人だからな。」
空いている右手で、千恵は永代橋の欄干に触ってみた。たくさん
のでこぼこがあって――リベットというのだとエンジが教えてくれ
た。――それに触れるたび、頭ではなく、手のひらが膨らみを記憶
していった。この感触は、ずっと残る。そう思った。 頭で覚えたこ
とは忘れてしまうかもしれないけど、体で覚えたことは決して忘れ
ないだろう。
「気が向いたら来い。」
「うん。」
「気が向かなかったら来なくていい。」
「うん。」
ためら
エンジは少し躊躇った。言葉が残っているのがわかった。
迷った末、千恵は尋ねた。
「なに。」
エンジはしばらく答えず、ただ橋を渡った。 永代橋はぐんと天に
向かって延びていた。とてもきれいだと思った。どこまでもどこま
でも登っていけそうだ。向こう岸のビルは、ちらほらと光を灯しは
じめていた。まるでキャンドルのようだった。これから、わたしは
あそこに行くのだ。
お
「俺はずっとここにいる。」
エンジは言った。
うなず
千恵は頷いた。
「うん。」
どうしたって他の言葉は出てこなかった。エンジと手を繋いだま
とも
平成21年 東京都 (40)
ま、千恵は永代橋を渡った。
ピルがぴかぴか光っていた。
風が吹いた。
にお
海の匂いがした。
千恵はエンジの手を、強く、強く、握りしめた。
(橋本紡「永代橋」による)
〔注〕 ゲンノウーかなづち。
美紀――千恵がエンジの住む深川で知り合った同じ年の女の子。
例の壁画――美紀が卒園記念に描いた自画像。
美紀の祖父でエンジの古くからの友人。
シゲ
〔問1] 1 エンジも渡るの。」とあるが、このときの千恵の気持ち
に最も近いのは、次のうちではどれか。
一人だけで大きな永代橋を渡ることを心細く思い、エンジに
橋の向こうまで連れ添ってくれるように頼もうと思っている。
イ家に帰る日になってようやく願いがかない、エンジが立派だ
と言う永代橋を、一緒に渡れることを誇らしく思っている。
ウ永代橋を渡れることをうれしく思い、エンジも一緒に行って
くれるのを分かりながらも、さらに確かめようと思っている。
エ深川を離れることを実感して寂しく思い、渡りたかった永代
橋に、せめてエンジが一緒に行ってくれないかと思っている。
〔2〕 19 少し歩くごとに、エンジは待っていてくれた。とあるが、
この表現から読み取れるエンジの様子として最も適切なのは、次
のうちではどれか。
ア その場を去りがたそうな千恵の気持ちを察し、名残を惜しま
せてやろうとさりげなく気遣っている様子。
イ 思い出深い町並を歩いているうちに、千恵が家に帰りたくな
くなるのではないかと不安に思っている様子。
ウ ゆっくり歩きたがる千恵の気持ちを理解しながらも、早く家
5
に帰るように促そうかと迷っている様子。
遠回りをしていつもの散歩道を歩くことで、少しでも長く千
恵と一緒にいられることを喜んでいる様子。
[3] 18 「行こうか。」「うん。」「渡るぞ。」とあるが、この表現に
ついて述べたものとして最も適切なのは、次のうちではどれか。
ア力強く励ますエンジの様子と沈みがちな千恵の様子とを、二
人の言葉を描き分けることによって対照的に表現している。
イ迷いを振り切るように永代橋を渡ろうとしている二人の様子
を、短い言葉を重ねることで印象的に表現している。
ウ 永代橋を渡ることを決心するまでの二人の様子を、その場の
会話を順序立てて描くことで説明的に表現している。
エ渡りたかった永代橋を前にして勢い込んでいる二人の様子を、
生き生きとした会話によって躍動的に表現している。
ためら
ためら
〔問4] エンジは少し、躊躇った。とあるが、エンジが「少し、
「躊躇った」わけとして最も適切なのは、次のうちではどれか。
ア 自分の本意ではないことを言ったにもかかわらず、 千恵があ
っさりと同意したのでその本心を問いただそうかと思ったから。
イ 千恵に言ってしまった言葉に付け足し、自分のところにいつ
でも来られるということを言おうかどうかと迷ったから。
ウ 千恵が意外な受け答えをしたので、自分の本当の気持ちがま
ったく伝わっていないように感じて心外だったから。
エ 帰って行く千恵に自分の思いを伝えたが、続けて本心を言っ
ても理解してもらえるかどうか不安に思ったから。
〔問5] 16 千恵はエンジの手を、強く、強く、握りしめた。とある
が、あなたが千恵だとして、このときの気持ちをエンジに伝える
としたら、どのように言うか。 あなたの話す言葉を五十字以内で
書け。なお、 や。などもそれぞれ字数に数えよ。
平成21年・東京都 (39)
解答
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