人権保障の歴史の中で最も早く主張されたものは、
自由や平等といった権利であった。
身体の自由や経済活動の自由を最大限に尊重したこの考えは、初期の資本主義経済体制・自由主義社会の確立に大きく貢献した。
さらには、国家と言う概念をすら生み出した。
しかし、自由が保障される反面、国家が国民生活に極力介入しないというこの体制では得られた権利で資本家はますます豊かになり、労働者はいつまでたっても貧しい生活から抜け出せず、貧富の格差は拡大するばかりであった。
結果的として自由権が保障されていても、社会的弱者の生活は、「自由」というスローガンの下に改善されなかったので
20世紀に入ってからは人間らしい生活を営めるよう、積極的な施策を国家に要求するようになっていった。
この要求に応えようとする国家を福祉国家と言い資本主義によって生じた問題を解決するために、国家が最低限の生活を保障しようとするようになった。
『福祉国家』を実現させようとする『権利』のことを
『社会権』といいます。
