演習問題
1節青年期の意義
2節青年期の課題と生き方
【1】次の文章を読んで,以下の問いに答えなさい。
(a)青年期を生きるわたしたちは,( ① )のめざめとともに孤独を体験したり,ときに劣等コンプレッ
クスをもったりして,(b)アイデンティティの確立がうまくいかないこともある。しかし,幸福に生きる
ことについて,多くの先人たちもみずからの苦難の体験の中から答えを導きだしてきた。
オーストリアの精神科医で( ② )の創始者( 3 )が神経症の治療の過程で無意識の存在を明
らかにしたように,人間は理性的な自意識の世界だけで生きているわけではない。彼は心の奥底にさま
ざまな欲望があることを明らかにし,そこでの(c無意識的葛藤を意識化し,( ①)の優位を回復す
ることが,神経症を克服し,ひいては幸せに生きるために必要なことだとした。
また,健康な人が幸せに生きることを,自己実現としてとらえたアメリカの心理学者に(④)が
いる。彼は,人間の欲求は,生理的欲求,安全の欲求,所属と愛情の欲求,尊重の欲求,(⑤)の
欲求の5段階からなると説く。ある階層の欲求は、より低次の階層の欲求が満たされないとあらわれな
いが,高次の欲求があらわれると低次の欲求の強さは( A )と考えた。
オーストリアの精神科医(6)は,アウシュヴィッツ強制収容所での極限状況を体験し,
(O )を失った人は,そうでない人に比べてはるかに死にいたる可能性が高かったとのべている。
そして,どういう状況下であれ( ⑦ )を見出すことは可能であり,そのためには,「わたしは
( 8 )に何を期待できるか」ではなく,「( 8 )はわたしに何を期待しているか」と問うことが
必要なのだという。
問1
空欄(0)~( ® )にあてはまる語句.人名を答えなさい。
問2 空欄(A )にあてはまる語句を,次のア~ウのうちから一つ選んで記号で答えなさい。
ア.強まる
イ.弱まる
ウ.変わらない
問3 下線部(a)について,青年を「マージナル·マン」とよんだドイツの心理学者はだれか。
問4 下線部(b)について,アイデンティティの説明として,最も適当なものを次のア~エのうちから一
つ選んで記号で答えなさい。
ア.満たされない性的欲求を,芸術活動などにうちこむことで解消しようとする心
イ.自分が何者であり,社会の中でどんな役割を担っていくのかを見出そうとする心
ウ,欲求不満から無意識的にのがれ,心理的な安定を保ち,環境に適応しようとする心
エ,親から精神的に独立し,だれにも頼らずに一人で判断し,行動しようとする心
問5 下線部(C)にあるような葛藤を避けるため,人はさまざまな防衛機制をとることがある。次のア~
ウのような反応は防衛機制のうち何にあてはまるか,語群から選んで答えなさい。
ア.失敗や望ましくない行為を言いわけして正当化することで, 自分への否定的感情を回避させる。
イ.欲求と正反対の行動をとることによって,危険な願望があらわれるのを防止する。
ウ.望ましくない欲求を無意識の中におしこめて,自分はそのような欲求はもたないと思いこむ。
反動形成
【語群】 抑圧
合理化
同一視
逃避
置きかえ
の
演習問題
*節人間とは何か ~
2節ギリシャの思想
【1】 次の文章を読んで,以下の問いに答えなさい。
フランスの哲学者(①)が「人間は考える華である」というように,(a)人間を動物から区別する
のは考える力,すなわち理性であるとされてきた。そして,理性を頼りに人間や世界の根本を探求する
ことを「哲学する」という。
哲学の営みは古代ギリシャではじまった。万物の根源を「水」とした(②)ら自然哲学者は,世
界のさまざまな事象を合理的思考によってとらえようとした。やがてbソフィストたちが登場すると,
おもな思索の対象はピュシスから(③ )へと移行した。真理に対するソフィストの姿勢を批判しつ
つ、( )法を用いて徹底した探求をおこなったのがソクラテスである。彼は,「魂への配慮」を説
き、知· (c徳幸福の三者を一致させることを目指した。彼の弟子プラトンは,たえず移り変わる現実
世界の背後に,永遠で不変のイデアの世界が実在すると考えた。感覚ではなく(6)によってのみ
知りうるイデアこそが真の実在であり,人間の魂はイデアへのあこがれである(⑥)を抱く。この
ような理想主義的な傾向は,アリストテレスによって修正された。彼は,現実の事物に内在するイデア
を(O)とよび,すべての運動は(① )の実現を目的としているという自然観をとなえた。ま
た、アリストテレスは,友愛やa正義といったポリスの成立に不可欠な徳を重視したことでも知られる。
ヘレニズム時代にはいり,ポリスの崩壊がはじまると,公的生活よりも個人の内面的幸福を求める思
想がおこった。(8 )派は,永続する精神的快楽を求め,魂の平安をみだすものから自由になるこ
とを説いた。ストア派は,自然をつらぬく理性にしたがい,情念に動かされない(9)の境地を目
指した。人間は自然をつらぬく同一の理性にしたがうべきであり,その意味で人間は平等であるという
思想は,ポリスにしばられない(0)としての生き方を生み出すと同時に,後に近代自然法思想の
源流の一つとなった。
問1 空欄(1)~( 0 )にあてはまる語句·人名を答えなさい。
問2 下線部(a)に関連して,博物学者リンネは人間をどのように定義したか。
問3
下線部(b)に関連して,代表的なソフィストであるプロタゴラスのことばとして適切なものを,次
のア~エのうちから一つ選んで記号で答えなさい。
ア.ただ生きるのではなく善く生きよ
イ.人間は万物の尺度である
ウ.隠れて生きよ
エ.人間は国家的(社会的)動物である
問4
下線部(c)について,ソクラテス,プラトン,アリストテレスの考え方として適切なものを, 次の
ア~ウのうちから一つずつ選んで記号で答えなさい。
ア、理性が知恵の徳を,気概が勇気,欲望が節制を実現するとき, 全体として正義の徳が成立する。
イ.倫理的徳を形成するには, 日常生活の中で思慮を働かせ中庸をとる習慣づけが必要である。
ウ、徳は知であり,善悪についての知が実現すればその徳が実現される。
問5 下線部(d)について,アリストテレスのいう配分的正義とは何か,簡潔に説明しなさい。
5)
の
2
問1
6
の
8
問2
問3
アリストテレス
問4|ソクラテス
プラトン
O
の
の