✨ 最佳解答 ✨
面白い質問ですね。
答えが1つじゃないので、あくまでも、ある1つの視点だと理解して読んで下さいね。
【はじめに比較の基準点を特定しよう】
明治維新以降の世界観は、現在の私達の世界観ほぼ同じです。戦前と戦後で違うのは、軍事活動か企業活動かと言う違いくらいです。
つまり、比較する時に、注目するのは、江戸時代と今で何が違うかです。
①経済のキーワード：産業革命
・殖産興業とか富国強兵をしなくてはならない理由は、イギリスで始まった産業革命に対応するためです。
・産業革命＝科学技術を取り入れた大量生産です。
・産業革命＝工業力の差＝軍事力の差＝外交力の差（優劣）になってしまいました。
・外交上正しいとか、道義的だとかじゃなくなったし、その他の地政学的な条件をも凌駕するようになった。
例１:アヘン戦争。アヘンという麻薬を売っといて、それを清の役人が没収して焼き払ったら、イギリスが逆ギレして戦争をしかけた。
今までの技術力では、ユーラシア大陸の端同士の国が戦争をする事は無かった。ヨーロッパを震撼させた元（モンゴル）の侵攻も東ヨーロッパまでだった。
帆船同士では、互角だったが、黒船といわれる蒸気船（エンジン付き、ただし、外燃機関だから、今の自動車の様な内燃機関より効率悪い）は、風に影響されないので、戦場で自由に動け、砲撃に有利な場所を確保できる。蒸気船と言っても、普段は帆船として動き、燃焼の節約をしていたが、いざという戦場で短距離で短時間でも自由に動けるとなると、その戦力差は絶大である。
その事を知った日本の武士が、日本に黒船がきたときに、尊皇攘夷だとか倒幕だと騒ぎ出すのきっかけとなる。このままでは日本もやれれる！
例１:黒船だけではなく、科学技術の向上は、歩兵の火器にも変化があった。マスケット（日本名、火縄銃）から、ライフル銃に進化し、弾が回転運動して飛ぶので、命中率が上がった。砲身の中にらせん状の溝を正確に加工する技術が必要。今でも、螺旋状の溝（ライフリング）を加工する「ガンドリル」という精密機械は、密造防止のために、許可制だったりする。ガンドリルは、銃製造以外にも、精密機器の加工で使われているから、精密加工をする町工場にあったりする。（私は、昔、大阪の理科の実験用具を製造している町工場を見学したときにその話を聞く。）
ライフル銃が何がすごかったかというと、戦国時代、日本を植民地にしようと考えていた欧米が、宣教師の報告を聞いて躊躇したのに、幕末は、武力を背景に開国を迫った。ヨーロッパは、戦国時代は、マスケットを大量に保有し、その実戦経験豊富な戦国武士を恐れた。事実、オランダは、日本の武士を用兵にして、太平洋のスペイン領を攻撃している。つまり、その実力を認めている。
正確には、マスケットと火縄銃は違う。ヨーロッパは、いずれ世界を植民地にするため、日本に売り込んだのは、猟銃用の銃で、軍事利用のマスケットではない。性能の劣る物を法外な値段で売り込んだ。とはいえ、技術的に同じ。日本の刀鍛冶がすごかったのは、その銃を分解して、分析して、すぐに、猟銃のマスケットをコピーして、火縄銃の国産化に成功したこと！国産化に成功したから、ヨーロッパ人が一目置く、火縄銃を大量装備した武士団ができた。
とは言え、火薬は輸入だったので、火薬の原料を買うために、九州とかでは、戦国大名が占領した領地の日本人を売って、火薬の原料を買っていた。ヨーロッパ人は、この頃から、他国を対等になんて思っていない。でも、攻めてこれなかったのは、軍事的な圧倒的な差が無かったから。
しかし、産業革命によって、前述のアヘン戦争がおって、欧米による世界支配が極東までおよんできた。
②欧米の技術を取り入れる事を促進したため、まずは、見様見真似で色んな物を真似した。当然、文化もその1つである。
「真似して、そりて、昇華させる。」この点は、日本の優れたところ、日本文化として最終的に取り込んでします。
例１：フランスの植民地だったベトナムには、バケット（フランスパン）の食文化が深く根付いている。
日本では、欧米化が一気に進んだが、同時に、「あんパン」という独自のパンを明治時代に作っている。
銀座木村家が、イーストを工夫して、欧米のパンを日本化させた
http://www.ginzakimuraya.jp/history/
例２：軍隊が一番良い例。最初は、警察も軍隊も、西洋風の制服だから刀（軍刀）も西洋のサーベルぽかった。一応、日本刀の様に、両手持ちできるように改造しているが、鍔（つば）の上に片手をおくので、鍔が鍔の仕事をしない。
るろうに剣心の宇治木（警察官）刀の持ち方
https://www.manga-diary.com/entry/rurouni-ranking
しかし、戦前には、陸軍の軍刀は、日本刀ぽくなっている。西洋から丸々真似して作った軍隊も日本文化にある意味昇華している。士官は小銃と軍刀を選べたらしいけど、映画では軍刀を持っているシーンが多い。軍刀も、お守り代わりであり、家宝の刀を持って出征した人も多いと聞きます。
近代軍隊の様式は、欧米の軍隊の文化（様式）を基本としているが、昭和になると随所に日本文化が溶け込んでいる。（文化を昇華した。これは普段の生活も同じである。）
映画「太平洋の奇跡」、これは、サイパンの実話を元にした映画。
最後の突撃まえに、司令部は、責任をとって切腹。兵は決死の突撃をする。日本的な発想ですね。（他国なら、司令官は、兵を死地に置き去りにしてでも、逃亡したり、降伏したりする事が多いのですけどね。）
戦場では、アメリカの部隊長は、小銃を持って指揮しているのに、日本軍の指揮官は、日本刀。
38歩兵銃に銃剣をつけると長刀みたいになるから、日本兵は、さながら戦国時代の足軽ですよね。
（第２次世界大戦当時、歩兵の装備は、ライフル銃と機関銃が入り交じっていたので、日本軍の装備が極端に劣っていると言うわけでも無いですが、38歩兵銃+銃剣の長さは、当時の軍隊の銃としては、槍のように一番長かった。日本の軍隊に武士の文化が根付いていたから、こんな感じになった側面があるのかなと個人的には思っています。）
総攻撃のシーン
https://www.youtube.com/watch?v=RJi4oe6-9Xg
武装解除のシーン
https://www.youtube.com/watch?v=_Nng2xtS4d8
刀の振り方（ささげつつの士官版）は、西洋の様式だと思われる。時代劇や大河ドラマで、江戸時代以前にはあのような様式は見ない。
③とはいえ、明治時代は、西洋の文化を取り入れるために、強引な運動も起こる。
廃仏毀釈で、多くの文化遺産が無くなる。奈良の興福寺の五重の塔も売却の噂がでるほど。
④思想
産業革命により、大量生産が可能になり、消費地を安い原料の確保が必要になる。これが、帝国主義（植民地政策）つながっていく。
殖産興業も、欧米による日本の植民地化を防ぐための施策の１つだったが、物事は表裏一体であり、日本の帝国主義（植民地政策）による膨張を誘引してしまう。
なぜなら、産業革命は資本主義と密接に関連している。資本主義の市場経済の市場の確保をするために、軍による侵攻があるのであり、本質は、資本主義（市場経済）である。
資本主義は、資金を借りて利益を出して、借りた金を返さなくてはならないので、計画通り永遠に成長し続けないと行けない。だから、欧米は、世界中を植民地にしようとした。でも、地球は有限であり、植民地政策が限界になった時期におこったのが、第２次世界大戦。
戦後は、軍事侵攻や植民地が姿と消したが、貿易による経済戦争であり、経済植民地といて、発展途上国は政治軍事的には独立しても、経済的には独立しきれない国も多くあった。
とはいえ、資本主義の元、経済成長も限界に達したのが、現在の世界です。地球に限界があるなら、バーチャル空間に広がろうとしたが、ITバブルがはじめ、リーマンショックもおこって、コロナショックで、お金を無限にすりだしている。今が一番資本主義的にヤバい。実は、大戦（第三次世界大戦）前夜かも知れません。
★資本主義や市場経済は今の社会です。勝ち組や負け組という考え方です。その規模が、国家間から、会社単位や個人単位になっただけ。
植民地はないけど、国内に、同じ仕事しているのに、正社員と派遣社員の差はありますよね。
さらに、現在は、IT革命（産業革命が第二の技術的革命で、IT革命は第三の技術的革命）で、GAFA（プラットフォーマー）が出現して、勝ち組から、一人勝ちの時代になりましたね。
では、江戸時代はと言うと、身分＝教育（キャリア教育）＝就業が直結していました。今の大河ドラマ「青天を衝け」でも描かれていますが、金のない武士が威張って、豪農（農民）や商人から、年貢（税金）以外に、色々なお金や使役を強制していた。
江戸時代は、お米が納税対象で、石高＝米のできだから、低成長というか、毎年同じはず。でも、貨幣経済が発達してきたので、幕末は、経済の枠組みが成り立たなくなってきていた時代でもありました。
ももさんは、身分で教育内容が違いますか？その受けた教育で、就職先が決まりますか？これが、江戸時代との決定的な違いです。
だから、長州藩の高杉晋作は、ライフル銃があれば、武士という職業軍人がいらないつまり、誰でもある程度訓練（教育）すれば兵士になれるから、「奇兵隊」を作ったのです。
武士を否定する奇兵隊の存在が、ある意味、江戸時代と明治時代の大きな差です。
そして、倒幕に成功した薩長も、奇兵隊という時代の流れに逆らえませんでしたから、武士の時代が終わります。
お殿様は、お殿様で無くなりませいた。（反乱を未然に防止するために、華族として東京に集められます。）
薩長土肥では、戊辰戦争で勝利したのに、武士団が解体され、倒幕に参加した武士が不満をもって、明治時代に反乱をしています。
最後の大きな反乱が、西南戦争。
命をかけて戦って、勝ったのに、褒美や出世どころか、「はい、武士（あなた）の時代は、終わりましたので、失業です」という処遇に倒幕側の武士はおちいります。
最後に、
★歴史とは、今であり、未来に続きます。
この回答を元に、時代の変わり目である現在をうまく立ち回って下さいね。
現在は、VUCAの時代の時代です。パラダイムシフト（大きな社会変革）がおこった幕末に近い状態だと思っています。
【3分でわかる】VUCAの時代で何が変わる？取り残されないための4つのスキルとは
https://www.dodadsj.com/content/201222_vuca/
だから、学校では、GIGAスクール構想が始まったのです。
VUCAは、約20年前ごろ米軍が言い出した軍事用語です。
冷戦終了、米軍が直面した事が、経済にも出てきたのです。
これって、幕末～の歴史に似てますよね。
★軍事的な変革が幕末の倒幕運動時期で、明治時代、殖産興業や文明開化で国民全員が変革を生活で体験することになったのと同じ流れが今起こっています。
コンピュータもインターネットも元々、軍事技術の民需転換ですからね。
長くなりましたが、後は、ももさんが自分で、私の書いた知識を吸収して、昇華（消化）して下さい。
先人の日本人が、欧米の経済、文化、思想を吸収し、昇華したようにね。
勉強がんばってください。
お褒めの言葉ありがとうございます。
とはいえ、お恥ずかしい話ですが、誤字もいくつか散見していますね。
誤字
事実、オランダは、日本の武士を用兵にして、太平洋のスペイン領を攻撃している。つまり、その実力を認めている。
×用兵
○傭兵
バーチャル空間に広がろうとしたが、ITバブルがはじめ、リーマンショックもおこって、コロナショックで、お金を無限にすりだしている。
×はじめ
○はじけ
他にもまだあるかも知れませんね。
誤字発見
×お殿様は、お殿様で無くなりませいた。
〇お殿様は、お殿様で無くなりました。
【補足解説】
島津久光は、幕府内での権力の向上とか、最後は、討幕後に、自分が一大名以上地位になろうとした節があります。
薩摩藩は、討幕が成功し、明治新政府が発足しました。
でも、廃藩置県で、
彼は、薩摩の元下級武士（自分の部下）の参画する明治新政府によって、殿様の地位を剥奪されます。
大名をやめても、華族になるので、無職というわけではないですが、大名ではなくなります。
つまり、彼が大名であれたのは、彼の実力ではなく、徳川幕府が彼の地位を保証していたのです。
その地位を保証するものを、彼は壊してしまったので、彼を大名と保証するものがなくなったのです。
武士にとって、鎌倉時代の「一所懸命」という幕府との主従の関係が、武士の本質だったのです。
彼は、幕末の政治闘争の根幹を理解していなかったのです。
彼は、ただの権力闘争だと認識していたのでしょうね。
その点、奇兵隊を設立した高杉晋作は、その点を理解していた可能性はあります。
技術革新による社会変革は、本当に怖い物です。
こんなに長く説明してくださり本当にありがとうございます！！
参考になりました！！！