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第12章 高度成長の時代
1.55年体制
・冷戦構造の世界>
1.米の対立、「冷戦」の継続」
(1) 軍備拡大競争 水素爆弾、大陸間弾道ミサイル(ICBM)
(2) 宇宙開発
①人工衛星→ソ連(スプートニク, 1957) 米(1958) 仏(1965)、日中(1970)
②宇宙ロケット→ソ連(1961)米(1962) アポロ11号の月面着陸 (1969)
2.平和への気運
(1) ジュネーヴ4巨頭会談(1955)米・英・仏・ソチ首脳 雪どげ
(2) ソ連首相フルシチョフが東西平和共存路線提唱.
→訪米し、アイゼンハウアー米大統領と首脳会談(1959)
(3)危機回避
ベルリンの壁問題(1961)}ケネディ・フルシチョフ会談(1961)で米協調
キューバ危機 (1962)
(4)部分的核実験停止条約(1963)→米・英・13国間、仏・中は不参加
(5) 核兵器拡散防止条約(1968)→英・米・ソ・西独(1969)日本(1970)
3.二大陣営の多極化
(1)資本主義陣営(西)→ヨーロッパ経済共同体(EEC)(1957)と、フランス
(大統領ド=ゴール)の独自路線→ヨーロッパ共同体(EC)(1967)へ発展、
後にイギリス加盟(1971)
(2) 共産主義陣営(東)→ゆり対立→中り論争(1962~) 国境紛争(1969)
4. 中華人民共和国の躍進
(1) 「文化大革命」による国内引締め
(2) 核兵器 原爆 (1964)、水爆(1967) 開発
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5. アジア・アフリカ諸国(第三勢力)の台頭
(1) ネルー・周恩来の平和五原則(1954) アジア・アフリカ会議(19554)
→バンドン会議:29カ国参加、反植民地主義、平和共存宣言
→平和+原則(バンドン+原則)
(2) アジア・アフリカ諸国が国連加盟国の過半数に11960年代)
6.ベトナムの独立と外国軍の介入
(1)インドシナ戦争(1946~54)→フランスからの独立戦争、休戦協定で仏軍撤退
*1946年に始まったホーニチェミン率いるベトナム民主共和国(ベトナム)と
フランスとの戦争(第1次ベトナム戦争)。フランスは1949年ベトナム国(南
ベトナム)を建てたが劣勢で1954年に休戦協定を結ぶ。
(2)ベトナム戦争(1960~73)→内戦・アメリカ軍の北爆(1965)に対する
ベトナム民主共和国(北ベトナム)と南ベトナム解放、民族戦線のゲリラ戦
<独立回復後の国内再編
1.保守政策と安保体制の推進 吉田茂内閣
(1)再軍備政策→自衛力の増強
海上警備隊新設(1952) 警察予備隊創設(1950)→保安隊と改組
→MSA協定(日米相互防衛援助協定など4協定の総称)による。
アメリカの援助で、自衛隊の発足、防衛庁の新設(1954)
(2) 治安対策の強化
①破壊活動防止法の制定(1952) 公安調査庁を設置し、暴力主義的
破壊活動団体の解散・活動制限を規定
「血のメーデー事件」(皇居前広場事件)が契機
②新警察法(1954)→自治体警察廃止、警察制度の中央集権化復活

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(3) 教員の政治活動禁止
① 教育二法制定(1954)
→教育の政治的中立に関する特別措置法などによる教育統制
②新教育委員会法(1956)→教育委員の公制から任命制へ。
2.革新勢力の反発→政府の施策を「逆コース」ととらえ、抗議
(1) 「血のメーデー」事件(皇居前広場事件)(1952)
(2) アメリカ軍基地反対闘争(運動)
①内灘事件(石川県)(1993)
②砂川事件(東京都)(1956)
③ 富士山麓基地反対闘争(1955~60)
(3) アメリカ軍水爆実験中に日本漁船、第五福竜丸がビキニ環礁で
‶死の灰"を浴びて被爆(1954)※乗組員の久保山吉死亡
→原水爆禁止世界大会が広島で開催(1955.8)
< 55年体制の成立と
1. 政界の再編成
(1) 日本民主党の結成
①公職追放解除→復帰した、鳩山一郎ら自由党の反吉田勢力
改進党」と合同→日本民主党結成
② 吉田茂内閣退陣→鳩山一郎内閣成立(1954.12)
(2) 保守合同と社会党の再統一→二大政党時代→55年体制
①日本社会党・再統一(1955,10)
②保守合同(1955,11) 自由党・日本民主党 自由民主党結成
→以後、1993年6月の宮沢喜一内閣まで55年体制続く。
・総選挙で与党自民党の大敗で退陣
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2. ソ復交
(1)日ソ共同宣言調印 (1956.10)→モスクワ
鳩山一郎(日本首相)、ブルガーニン会談
→北方領土問題以外を解決することで同意。日本の国連加盟支持
(2)北方領土問題→日本は四島の返還要求。ソ連は国後島・択捉島は
解決済み、歯舞群島・色丹島は平和条約締結後に引き渡すと主張
3.国際連合への加盟(1956.12)→国際社会への完全復帰
<安保条約の改定と安保闘争>
1. 第3次鳩山内閣(1955.11~56.12)→石橋湛山内閣(1956.12~57.2)
2.岸信介内閣(1957.2~60.7)→「日米新時代」をとなえ安保改定
(1)背景→日本の国際的地位の向上と経済力の向上、自衛力の強化
国際連合安全保障理本会の非常任理事国に当選(1957.10)
(2)日米相互協力及び安全保障条約(新安保条約)調印(1960)
→アメリカ軍の日本防衛義務・事前協議制、相互防衛力強化
経済協力推進、期間10年
3.60年安保闘争
安保改定阻止国民会議を指導部とする日本社会党・日本共産党
総評・全学連(全日本学生自治会総連合)・一般市民からなる国民デモ
→政府の強硬姿勢が大きな混乱を招き、岸内閣総辞職
<保守政権の安定>
1.池田勇人内閣(1960.7.~64.11)「寛容と忍耐」
(1) 経済政策の促進→「所得倍増」がスローガン
(2)日米協力の緊密化→日米貿易経済合同委員会の開催

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(3) 中華人民共和国との貿易拡大→LT貿易(廖承志、高崎違え)(1962)
→>>
日中覚書貿易(1963)
(4) 東京オリンピック (1964.10)後に退陣
2.佐藤栄作内閣(1964.11~72.7)→非核三原則を明確にした外交渉
(1)日韓復交→朴正熙政権と日韓基本条約を締結(1965,5)
→国交正常化、韓国併合条約の無効、韓国合法的政府承認
※付属協定(4つ)、韓国、日本への賠償請求権放棄。
->
日本の経済発達に協定の姿勢
(2) 小笠原諸島返還(1968)
(3) 日米共同声明(1969)→安保体制堅持、自衛力漸増
→安保自動延長(1972.5)
※佐藤・ジョンソン共同声明
(4) 沖縄復帰運動→沖縄島議会(1951)→日本復帰決議(日本復帰
促進期成会)沖縄県祖国復帰協議会(1960)
→沖縄返還協定(1976)→沖縄県復帰(1972.5)
3. 政局の変動
(1)保守長期政権(自由民主党)→日米協調と、経済成長
(2) 野党の多党化→社会党から民主社会党の分立(1960)
→民社党と改称(1969)
(3) 公明党の結成 11964) 創価学会を母体
(4) 過激派の台頭→新左翼の活動→大学紛争(1968~69)
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2. 経済復興から高度成長へ
<朝鮮と経済復興 >
1.特需景気(1950~53)
吉田茂内閣
(1)アメリカ軍の多大な特殊需要(特常→→日本経済の復興を促進
→輸出増加→鉱工業生産の回復 (1951)
(2) 1951年以降、重点産業への国家資金投入と税制優遇措置
→電力・造船・鉄鋼各産業の活発な設備投資
(3)国際通貨基金(IMF)世界銀行加盟(1952)
2.神武景気 (1955~57)
鳩山一郎内閣
(1) 大型景気→日本経済の急速な成長
(2) 生活難の緩和←食糧難の解消、公営住宅の供給
(3) 「もはや戦後ではない」(1956年「経済白書」)
<高度経済成長〉
1. 日本経済の高度成長
→経済安定本部(47) 経済企画庁('55~)
(1)大型景気→神武景気(1955~57)→岩戸景気(1958~61) オリンピック
景気(1963~64)→いざなぎ景気 11966~70)→経済大国へ発展
(2)積極財政・金融政策→国民総生産(GNP)の上昇(資本主義国第2位)(1968)
(3)企業の技術革新・経営合理化→設備の更新による効率化
→設備投資ブーム
2. 産業構造の高度化
(1)重化学工業の発展 石炭から石油へのエネルギー転換(エネルギー革命)
→石炭工業の斜陽化→三井鉱山三池炭鉱大争議 (1960)
(2)労働者の賃金上昇→国民生活の向上→「春闘」方式の定着
(3)農業基本法の制定(1961)→池田勇人内閣、農業構造の改善

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3. 貿易伸張
I
・輸出:鉄鋼・船舶・自動車・電気製品・化学肥料
輸入:石油・重化学工業原料など
→大幅な貿易黒字
4.開放経済体制 貿易の自由化(1960)→国際通貨基金(IMF)8条国
移行、経済協力開発機構(OECD)加入(1964) 為替と資本の自由化
5.産業界の再編成
(1)大型企業合併 三菱重工の再合併(1964)、新日本製鉄の創設(1970)
(2)都市銀行中心の巨大企業集団を形→三井・三菱・住友・富士・三和・第一
<消費革命と社会の変貌>
1.農村の変化
(1)農家戸数の減少 農林水産人口20%、うち第2種兼業農家50%(1970)
→「三ちゃん(じいちゃんばあちゃん・かあちゃん)農業」
(2)農業機械化・生活近代化→耕耘機・小型トラクター、家電製品の普及
2.生活様式の変化
(1)消費革命家庭の電化、マイカーの増加・テレビ・電気洗濯機・電気
冷蔵庫の「三種の神器」(1953~)→自動車、カラーテレビ、クーラーの
「新三種の神器(3C)」
(2) 衣食住の多様化→合成繊維、食生活の洋風化、インスタント食品・
冷凍食品・外食産業、スーパーマーケット、核家族の住む高層アパート
公団住宅
(3) 余暇の普及→レジャー産業が発達
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3. 国土開発
(1) 新産業都市建設促進法(1962)→産業の地方への再配置
(2)国通網整備 道路整備、鉄道電化・民間航空の発展「マイカー」時代
の到来→東海道新幹線(1964)、名神、東名高速道路開発(1965-69)
4.マス・メディアの発達と教育の普及
() マスメディア→新聞・雑誌・書籍出版部数の激増 テレビ放送開始。
(1953) 大衆文化、大量の広告(CM)提供
(2)「中間小説」と漫画の盛況→三島由紀夫、大江健三郎(純文学)。
松本清張(社会派推理小説)、司馬遼太郎(歴史小説)、手塚治虫
(ストーリー漫画・アニメ)、漫画週刊誌
(3) 「教育熱」の高揚→高校・大学への進学率上昇→受験戦争の激化
(4)「中流意識」→所得・消費水準の上昇
5.科学研究
(1) 南極観測 (1956~)
(2)原子力研究・利用 東海村原子炉の点火(1957.9).原子力発電所の建設
(3) ロケット開発、海洋開発、宇宙開発
(4)国際的科学者、文学者の輩出。
ノーベル賞受賞→朝永振一郎(1965)川端康成(1968) 江崎玲於奈(1973)ら
6. 国際交流
(1)海外旅行の普及
(2)国際的催しの誘致→オリンピック東京大会(1964)、大阪で日本万国
博覧会(1970)札幌冬季オリンピック (1972)

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<高度経済成長のひずみ>
7. 過疎過去
(1)農村の過疎化の進行→農村共同社会の衰弱、食糧自給力の低下
(2)大都市の過密化→交通渋滞、騒音、大気汚染、住宅不足
2.公害問題の深刻化と人権問題 (SP391)
(1)四大公害訴訟 新潟水俣病・四日市ぜんそく、富山イタイイタイ病.
熊本水俣病
有機水銀 石油コンビナートの大気汚染ムカドミウム
(2) 公害対策基本法制定(1967) 環境庁設置(1971)
(3)同和対策事業特別措置法(1969)→地域改善対策特別措置法(1982
*第2次世界大戦後の1946年、全国水平社を継承して、部落解放全国
委員会が結成され、1955年に、部落解放同盟と改称した。しかし、
部落差別解消はたち遅れ、1965年に出された同和対策審議会の
答申にもとづいて、1969年に同和対策事業特別措置法が施行され、
1982年の地域改善対策特別措置法に引き継がれた。1987年
からは、財政上の特別措置に関する法律(地対財時法)が実施された。
3.革新自治体の出現
美濃部亮吉(達吉の子)ら草新知事(東京・京都・大阪など)・市長の誕生.
→公害規制条例の制定、老人医療の無料化など福祉政策に成果
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