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・芳香族化合物 1.芳香環 分子中に(ベンゼン環)(芳香環)を持つ化合物を(芳香 族化合物)という。ベンゼン分子CoHoは安定な正六 角形の平面構造をしている。 H H C 略記 C-H または H H HC' ベンゼン(構造式) *実際の結合はその中間的な状態(等価である) である。 2. 芳香族炭化水素(アレーン) (ベンゼン) C6H6 (ナフタレン) Clo He (アセトラセン) C14Hio CH3 CH3 CH 3 CH3 CH3 PC2H5CH3 -CH3 (トルエン) (カーキシレン) (オルトー) (m-キシレン) (メター) H3C-CH-CH3 CH=CH2 CH3 (P-キシレン) (パラ) C6H4(CH3) 2 キシレン(ジメシルベンゼン) は位置異性体の存在 (クメン) (スチレン R Jo 0- 0- M- M- P-
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<性質> コールタール(石炭の乾留で得られる)や石油に含まれる。 水には溶けにくいが有機溶媒にはよく溶ける。 ベンゼンやナフタレンには発がん性。 空気中では不完全燃焼して多量のすすを出す。 *ナフタレンは常温で固体で昇華性がある。 固体→気体 <反応> ① 置換反応 非常に安定なベンゼン環は壊れる付加反応より置換反 応のほうが起こり易い。 (a) ハロゲン化 ベンゼンに鉄を触媒としてC2を反応させると、 (クロロベンゼン) C6H5Clを生じる。 (塩素化) 1 + clz + Hcl Fe ベンゼン クロロベンゼン 一般には(ハロゲン化) (b) ニトロ化 ベンゼンを濃硝酸と濃硫酸との混合物(混酸) を反応させると(ニトロベンゼン) C6H5NO2 を生じる。 NO2 H2SO4 + HO-NOz 脱水 + H2O ベンゼン 硝酸 ニトロベンゼン (HNO3) C6H5N02
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この反応を(ニトロ化)といい、ニトロ基(-NOz)をもつ化合 物を(ニトロ化合物)という。ニトロベンゼンは甘い香りをもつ 液体で(中性)の化合物。 トルエンを混酸でニトロ化するとローやPの位置がニトロ化 CH3 CH3 CH3 CH3 NO2 O₂N NO2 トルエン (ローニトロトルエン) NO2 (C)スルホン化 NO2 (アーニトロトルエン) (2.4.6-トリニトロトルエン) TNT ベンゼンに濃硫酸を加えて熱すると(ベンゼンスルホン酸) C6H5S03Hを生じる。 S03H 加熱 +HO-SO3 H + H2O ベンゼン 硫酸 ベンゼンスルホン酸 (H2SO4) C6H5S03 H この反応を(スルホン化)といい、ベンゼンスルホン酸は不揮発性 の強酸で有機溶媒にとけにくい。
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②付加反応 ベンゼンはClzと付加反応を行い、 (1.2.3.4.5.6-ヘキサクロロシクロヘキサン)CoHoCloを生じる H +302 H-C ベンゼン ce ce 1,2,3,4,5,6- C-H ヘキサクロロ (Ce) H" シクロヘキサン ベンゼンはNiを触媒としてH2を付加させると、 (シクロヘキサン) C6H1を生じる H H 1+3Hz H- CH Ni H シクロヘキサン H HH 3. 酸素を含む芳香族化合物 (1)フェノール類 芳香環にヒドロキシ基(-OH)を持つ化合物。 OH OH OH -CH3 -CH3 OH (フェノール) OH (ロークレゾール) (m-クレゾール) 00:00 OH CH3 (P-クレゾール) OH ・COOH (1-ナフトール) (2-ナフトール) (サリチル酸)
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<性質> 中性 ・フェノール類のヒドロキシ基はアルコールのものと異 なり、わずかに電離して(弱酸)性を示す。 OH ·0° = + H+ フェノール (フェノキシドイオン) *酸の強さ 塩酸>スルホン酸カルボン酸 >炭酸フェノール酸 mww ・フェノール類は強塩基の水溶液には中和して塩をつくる フェノール OH +NaOH→ -ONa + H2O (ナトリウムフェノキシド) 中和塩!! <反応 > ・フェーノールはNaと反応してH2を発生する LOH 2 +2Na→ 2 ONa +H2 フェノール (ナトリウムフェノキシド) ●フェノールの塩にCO2を通じると弱酸のフェノールが遊離 ONO +COz+ H2O OH +(NaHCO2) 自分よりもつよい酸がやってくると弱い方の酸が反応する
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*アルコールのとき エステル化 =-COOH+OH- 酢酸エチル CH3COOH) + HO C2H5 → CH3-C-Q-C2H5 酢酸 エクトール ●フェノール類はアルコール同様カルボン酸やその無水物と 反応し、(エステル)を生じる。 OH OCOCH3 +(CH3CO)20 →→ -O-C-CH3 0 +CH3COOH 無水酢酸 (酢酸フェニル) ・フェノール類は塩化鉄(Ⅲ) FeCl3と反応し、(青)や(紫) などの呈色反応を示す。 <フェノールC6H5OH • 石灰酸ともいわれ有毒。(弱酸)性を示す。 殺虫剤や殺菌消毒剤に用いられる。 ・フェノールを希硝酸でニトロ化するとローやP-の位置がニトロ化 OH OH OH 希HNO3 NO2 フェノール (ローニトロトル) OH HNO3 ON -NO2 NO2 NO2 (アーニトロフェノール) (2.4カートリニトロフェノール) (ピクリン酸) ●フェノール類ではベンゼン環のロー、P-で置換反応が起こりやすい OH 1+3Br2 → フェノール QH Br Br + 3HBr Br (2.4.6-トリブロモフェノール)
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0 工業的には(クメン)法で得られる。 ベンゼンをプロペンで(アルキル)化して、クメン(イソプロピルベンゼン) をつくり、これを酸化して過酸物をつくり、希硫酸で分解する。 (アセトン)が生じる。 CH3 CH3 CH3 02 アルキル化 + CH CH C-0-0H ベンゼン CH2 CH3 CH3 (プロパン) クメン (クメンヒドロペルオキシド) ✓ OH CH3 -OH + c = 0 I フェノール CH3 OHとれる (アセトン) <クレゾールとナフトール> クレゾール C6H4(CH3)OHにはO-,m,p-の3つの 位置異性体があり、これらは消毒剤に用いられる。 ナフトール C10H7OHには2つの構造異性体があり、 染料の原料などに用いられる。 OH CH3 OH クレゾール イーナフトール 2-ナフトール *クレゾールにはフェノールでない他の構造異性体も CH20H -O-CH3 ベンジルアルコール メチルフェニルエーテル m P
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(2)芳香族カルボン酸 芳香族にカルボキシル基(-COOH)をもつ化合物を (芳香族カルボン酸)という。 CDOH COOH COOH -COOH OH -COOH Coor (安息香酸) (フタル酸) (テレフタル酸)(サリチル酸) <反応> ・芳香族カルボン酸は水に溶けにくいが、温水には 溶けて、(弱い酸)性を示し、塩基と中和して水と塩を生じる ・COOH COONa +NaOH→ + H2O 安息香酸 (安息香酸ナトリウム) ・ベンゼン環に直接結合する炭化水素基を酸化する を得られる。 いつも根元のCが酸化される!! CH3 2 +30z- →2 COOH +2H2O トルエン 安息香酸 ・トルエンやベンジルアルコールをゆるやかに酸化すると、 (ベンズアルデヒド)を経て安息香酸が生成 CH3 ・CHO トルエン (ベンズアルデヒド) 安息香酸 CH2OH (ベンジルコ アルコール COOH ↑酸化 CH2CH3 (エチルベンゼン)
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<無水フタル酸> 水やアルコールにとける昇華性結晶で、(可塑剤などに用いられる。 ●無水フタル酸はフタル酸C6H4(COOH)2(0-)を熱すると、 水分子がとれて(無水フタル酸)が生じる。 ● COH 分子内脱水 OH + H2O (水フタル酸) ・工業的にはナフタレンやローキシレンを酸化して合成 CH3 + 302 0 0-キシレン +3H2O V205) C 無水フタル酸 <テレフタル酸>C6H4(COOH)2(P) 工業的にはP-キシレンを酸化して合成 C6H4(CH3)2 H3C >CH3 Co. Mm P-キシレン Hooc -COOH (テレフタル酸) ●テレフタル酸と(エチレングリコール) HO(CH2)20Hを縮合重合させると、 耐熱性や耐酸性にすぐれる(ポリエチレンテレフタラート) (PET) (ポリエステル)を生じる。 n HOOC fco (CH212-OF H2O X ・COOH + η HO-(CH212-OH -07m+ CO-0-(CH2)2-0 (ポリエチレンテレフタラート) +2nH2O mm
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<サリチル酸>CoH4(OH) COOH(o-) ヒドロキシ基とカルボキシ基の両方の官能基をもつので、 フェノール類(Feceろによる呈色反応)とカルボン酸 (エステルをつくる)など両方の性質を示す。 ●サリチル酸は(ナトリウムフェノキシド) C6H5ONaを原料に、 サリチル酸ナトリウムを経て合成される。 -ONa 硫 (CO2) LOH (H2504) -OH Cao Na COOH ナトリウムフェノキシド サリチル酸ナトリウム サリチル酸 ●サリチル酸に無水酢酸を作用させると、ヒドロキシ基がアセチル化 され、(アセチルサリチル酸)C6H4(OCOCH3COOHを生じる。 TOH CH3CO. + ・COOH H2504 → CH3CO(アセチル化) 無水酢酸 ・OCOCH3 アセチル基 COOH +CH3COOH (アセチルサリチル酸) 酢酸 *アセチルサリチル酸は(アスピリン)ともいう。 酢酸と くっつく!! サリチル酸にメタノールを作用させると、カルボキシル基が(エステル)化 され(サリチル酸メチル) C6H4(OH) COOCH3を生じる。 LOH COOH M H2SO4 + H-O-CH3 -OH m (エステ) メタノール H2O M CO-OCH3 (サリチル酸メチル) +
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4. 窒素を含む芳香族化合物 分子中にアミノ基(-NH2)を持つ化合物を(アミン)といい。 一般式 R-NH2で表す。Rが鎖式炭化水素のときは (脂肪族アミン)、芳香族炭化水素の場合を(芳香族アミン)という。 <アニリン> C6H5NHz • アニリンは芳香族アミンの代表的なもので、水にはわずかしか 溶けないが、塩酸にはとけて、(アニリン塩酸塩) C6H5NH3C を生じる。 ° ・NH3 + HCl → NH3+Ce (アニリン塩酸塩) ・アニリンはアンモニアと類似していて(弱塩基性を示す。 このため、NaOHのような水酸化ナトリウム(強塩基)を加えると、 アニリンが遊離する。 -NH3C+ NaOH→ NH2+ NaCl+H2O アニリン塩酸塩 アンリン アニソンはニトロベンゼンの還元で得られる NO2+3H2→ -NH2 + 2H20 Ni, PA ニトロベンゼン アニリン ・アニリンに酢酸または無水酢酸を作用させるとアミドの一種 (アセトアニリド)を生じて塩基性失う H NH+ HỌ -CH3 ・C-CH3) 10 アセチル基 -N-C-CH3 [ +CH3COOH アミド結合 (アセトアニリド)
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<アニリンの呈色反応 > *アニリンは(酸化)されやすく、無色→(褐色に変化 *さらし粉を加えると(赤紫色になる *(ニクロム酸カリウム)の硫酸性溶液を加えると (アニリンブラック)と呼ばれる水にとけにくい染料に!! <アゾ化合物> ①ジアゾ化 NaNo2 アニリンの希塩酸溶液に亜硝酸ナトリウムを加えると、 (塩化ベンゼンジアゾニウム)6H5N2Cが生じる -NH2+ NaNO2+2HCl cl + NaCl+2H2O (塩化ベンゼンジアゾニウム) -NTENの構造をもつジアゾニウム塩をつくる反応を(ジアゾ)化という。 -NaCl + H2O -OH + HCl + N2 (加熱 (フェノール)
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②カップリング 塩化ベンゼンジアゾニウムの水溶液に(ナトリウムフェノキシド)を 加えると、(P-ヒドロキシ)を生じる アゾベンゼン -N2Cl + ONa→ N-NOH m +Nacl (ナトリウムフェノキシド) (P-ヒドロキシアゾベンゼン) 芳香族ジアゾニウム塩が他の芳香族と反応し、(アジ基) -N=N-をもつものを生じる反応を(カップリング)という。 アゾ化合物は(黄)(橙)(黄)色を呈色し、pH指示薬 などに用いられる。 HO -NH2 シネゾ化 アセチル化 HO-C-CH3 0 DoNa NEN ce → N=N-OH (塩化ベンゼン H N-C-CH3 (アセトアリンド ) (P-etD.. (NHCOCH3)
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みいこさんは、まとめ方が上手すぎる!