ページ1:

3年 現代社会
2.
日本国憲法と国民生活①
クラス:
○国民の政治参加と選挙制度
【選挙の目的】
国民の意思を政治に反映させる最も重要な役割
憲法による参政権の保障
選挙権
[1
] (参政権の一つ)
を通じて,国民が政治参加すること
国会議員や地方公共団体の首長・議員などの選挙
【選挙の原則】
・[②制限選券]… 身分・財産・性別などによって選挙権・被選挙権が制限
・[③普通選制〕…身分や経済力,性別などで制限せず,全ての成年者に選挙権を認
選挙制度の五原則
める
【衆議院の選挙制度
10 選挙区
[10
【参議院の選挙制
選挙区制
【選挙における
Cf) 投票率の低
【公正な選
[12公職
[13治
普通選挙、 平等選挙、 直接選挙、 秘密選挙、 自由選挙
○日本の選挙制度と課題
【選挙制度の特色】
大選挙区制
【選出方法】
1つの選挙区から
(2名以上〕の代表
者を選出
〇政党と
[1D]
国民の意
15マ
選挙で
小選挙区制
比例代表制
【選出方法】
【選出方法】
【政党
1つの選挙区から
国民が政党に投票し,各政党
(16
)に
比例して議席数を配分
【特徴】
【特徴】
[⑤ 1名〕の代表者の(⑥得票数
選出
【 特徴 】
死票が
)
少ない
・死票が⑧多
)
・小政党に有利
・大政党に有利
・小政党の議席数が増え、政
・少数意見が反映されないお
・死票が(⑨少ない
・小政党の議席数が増え、政
治が不安定化しやすい
治が不安定化しやすい
それがある
Cf) ドント方式による計算、 ゲリマンダー
[

ページ2:

3年 現代社会 2. 日本国憲法と国民生活②
○明治憲法の成立
・憲法に基づいて政治を行うという考え方=(①
・なぜ、憲法が必要だったのか
クラス:
(①立憲主義
●大日本帝国憲法と
)の採用
大日本帝
明治維新以降、 近代国家として認められるため
自由民権運動に対応するため
(2天皇主権)
○明治憲法
民定憲法
神聖不可侵で、 元
(2 )す
天皇に直属する
明治政府は 1889 年、君主が強い権力を持つ(② プロイセン憲法)などを参考に、
(③大日本帝国憲法)を制定した。この憲法は、天皇が定めた (④欽定憲法)
の形をとっており、 その内容として天皇が統治権を持つ天皇主権があげられ、国民の権利
)と呼ばれる。
の保障も不十分であったため、(⑤外見的立憲主義
○明治憲法下の政治
大正時代に入ると、 明治憲法の立憲主義的な側面が重視され、 明治憲法の下で民主主義
をおし進める (⑥ 大正デモクラシー)という運動が活発になり、(⑦ 政党)の
活動も活発になり政党内閣も誕生した。 1925年には (⑧ 普通選挙制 )が定め
られたが、同時に社会主義運動の弾圧を目的とする(⑨治安維持法が制定され、
間もなく大衆運動や言論の弾圧が起きた。
Cf. 天皇機関説
国体を変革し、
民本主義
又は私有財産を
否定した。
男子のみ
(2統帥権
臣民としての
(2)法律の
天皇の立法権
憲法上の制度
が天皇を(2
天皇の名に。
規定なし
天皇の発議
○日本国憲法の成立
1945年、日本政府は(⑩ ポツダム宣言を受諾して連合国に無条件降伏した。(⑩ )
には日本の占領方針として、 非武装化、 民主主義の復活 強化、基本的人権の尊重などが
示されており、占領政策を実施した(連合国軍総司令部)の最高司令官であ
る(12マッカーサー)は憲法改正を指示した。日本政府は (13 松本烝3) 委員長
の下に(⑩憲法問題調査委員会)を設置し、新たな憲法草案である (13 松本案)
を作成した。 しかし、 明治憲法と内容があまり変わらないものであり、(1)自ら憲法
草案(⑩6 マッカーサー草案)を作成し、政府に示した。
○日本国憲法
三大基本
.
●国民主
主権が
天皇は
政治的
基本的
すべて
この改正案は、日本で初めての (⑩ 女性
)によって選ばれた衆議院議員で
侵略戦
構成される第 90 回帝国議会に提出された後、修正の後に可決され、(18日本国憲法)
全世
が成立した。
なお、この憲法は明治憲法の改正手続きにのっとり制定されたが、制定過程と内容から、
国民が制定した(19民定憲法)である。
●最高
憲法
天皇

ページ3:

3年 現代社会 2. 日本国憲法と国民生活 ③
○平和主義の確立
アジア太平洋戦争での加害 被害の経験 その反省から、徹底した平和主義を採用
・[①平和的生存権]… 全世界の国民が平和のうちに生存する権利(前文)
「…われらは,全世界の国民が, ひとしく恐怖と欠乏から免かれ, 平和のうちに生存
する権利を有することを確認する。」
[②憲法第9条〕 戦争の放棄、戦力の不保持、国の交戦権の否認を定める
「1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる
戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永
久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は, これを保持しない。国の交戦
権は,これを認めない。」
○憲法第9条と防衛力の増強
[③警察予備隊」の発足 反共の防波堤
クラス:
防衛関係
5
兆円
50
3
2
日
0
1965
〇安保体
1951
1950年
連合国軍総司令部の指示
5非軍事化から再軍備へ
朝鮮戦争の勃発をきっかけとする
1952年
1954年
(④保安隊]へ改組
・対日平和条約 日米安全保障条約締結が背景
(⑤自衛隊 〕が発足
***
米国との相互防衛援助協定 (MSA協定) 調印が背景
[⑥文民統制の原則〕･･･ 国防上の重要事項の決定権を文民(職業軍人でない者)がもつ
こと
<目的> 軍隊の暴走を防ぐため
(1)国家安全保障会議・外交・安全保障に関して、内閣総理大臣と少数の閣僚が日常
National Security Council的に情報交換や審議をおこなう機関
★ 「自衛隊」に対する政府見解 (創設時、 憲法違反ではないかという議論が巻き起こった)
→[⑥自衛のための必要最小限度の実」であって、第9条で禁じられた〔⑨戦力]
ではない。
2003/05/31
首相
岸田文雄
官房長官
松野
外相
林
防衛相
浜田
19
O
核
"
C

ページ4:

3年 現代社会 2. 日本国憲法と国民生活④
○安保体制の変容と自衛隊の海外派遣
一方で、同時期には(③湾岸戦争
)が締結されて以降、 安保体制は米ソ対立を軸
1951年に(① 日米安全保障条約
とする(②東西冷戦 )を背景として構築されてきたが、 1990 年の東西ドイツ統一
や1991年のソ連解体による「雪解け」により冷戦は終結した。90億ドル=1兆2千億円
消極的
や旧ユーゴ内戦のような地域紛争が激化して
おり、 日本においては、 世界秩序の維持・ 形成のためにも、 自衛隊の海外派遣を含めた積極
的な国際貢献のあり方が問われることとなった。 そうした中、 政府は 1991年に自衛隊をペ
ルシャ湾の掃海活動へと派遣している。その後、1992年に (④PKO協力法)が成立
し 自衛隊のPKO (国連平和維持活動) への派遣が可能となった。
機雷除去
●冷戦終結後の安保体制の見直し
クラス:
●防衛力と司法判断
氏名
砂川事件
日米安保条約
第1審判決
最高裁判決
◆統治行為論
高度に政治性をおびた
対象としないとする理論
るべきであるとされる。
1996年
(5日米安全保障期宣言
の発表
・・・日米安保体制の新たな意義付け
(⑥新ガイドライン)の決定
1997年
…(⑦周辺事態)の際の日米協力の在り方を定める
長沼ナイキ訴訟
・ミ
1999年
○自衛隊派遣と有事法制
(⑧周辺事態法)の制定
･･･(⑦ )の際の自衛隊による米軍の後方支援活動などを規定
2001年にはアメリカ同時多発テロ事件が発生し、テロリストの拠点となっていたアフガ
ニスタンへの攻撃がアメリカによって行われた。 こうしたテロとの戦い (「対テロ戦争」)
に際して日本は2001年に(⑨テロ対策特別措置法)を制定、同法失効後の2008年に
は (⑩ 補給支援特別措
を制定し、自衛隊は後方支援に従事した。
2003年に発生したイラク戦争)では、主要な戦闘終結後も戦争状態が継続す
る中で(⑩イラク復興支援特別措置法)を制定し、自衛隊をイラクへと派遣した。
また、2009 年にはソマリア沖の海賊に対処すべく(13海賊対処法)が成立し、自衛隊
の海外派遣の機会は増えている。
Cf. 平賀書簡問題
恵庭事件 百
自衛隊イラク派遣
差し止め訴訟
○沖縄と基地
サンフランシス
におかれてきた。
の国土面積の 0.0
また、2003 年には武力攻撃事態法をはじめとした (14有事関連3法)が、2004年
には国民保護法をはじめとした (15有事関連 7法)がそれぞれ成立し、武力攻撃を受
けた際の対応が規定された。2014年には(⑩ 集団的自衛権)の限定的な行使を容認
する閣議決定を行い、2015年に国際平和支援法をはじめとする(⑩ 安全保障関連法) 中しており、かえ
が成立した。
Cf. 積極的平和主義
六つの事態
れている。 県民
Cf. 瀬長亀次郎

ページ5:

「安全保障関連法」制定(1)
政府「集団的自衛権行使を限定容器(
防庁防衛省に昇格
イラの法制定(0)
テロ対策特別措置法制定(1)
法制定(3)
「中期防衛力整備計画」決定(笑)
防衛費GNP1%枠はずしを議決定)
クラス:
氏名:
□防衛関係費の推移
5
三義を採用
文)
兆円
4
のうちに生存
予備隊設置(3)
3
保安設置(5)
自衛隊設置 (5)
日米安保条約改定(8)
防政
衛府
定める
2
の発動たる
としては, 永
1
80
80
い。 国の交戦
2.0
%
3
1.0
音)がもつ
1955 60 65 70 75
85
90
95
2000
05
10
0
|16年度
○安保体制の展開と自衛隊の増強
1951年
1960年
1978年
僚が日常
った)
○非核三原則
(1) 日米安全保障条約
(安保条約)
(サンフランシスコ平和条約」と同時に締結
････アメリカ軍の駐留を認め、基地 (施設および区域) の提供を決め
た
(1)米相互協力及び安全保障条約)(新安保条約)
〔1〕を改定したもの
日本領域内で日米いずれかに対する攻撃のさい, 「憲法上の規定
に従う」条件つきで、共同行動をとることなどが決められた
(1)日米地位協定」
新安保条約第6条に基づく
在日米軍基地や米軍人の法的地位を定めた協定
(14日米防衛協力のための指針〕(旧ガイドライン)
いやり予算・アメリカの求めに応じて,在日米軍駐留
→それ以後, 日米共同作戦の研究や日米共同演習が実施される
(15
経費の一部を日本側が負担する制度
核兵器を「[⑩もたず、つくらず、わち込ませず
戦力コ
...
日本政府の基本方針 (1971年, 国会決議)
Cf) 核拡散防止条約 (NPT)
広島1995.8.6
1967.1.1時点の核保有国のみ 長崎 1945.8.9
核の保有を認める
米英仏中
終戦 1945.8.15
]」
60年安保闘争

ページ6:

の選挙
を認
クラス:
氏名:
【衆議院の選挙制度】
重複立候補可能!
①
[ 選挙区比例代表
並立制
小選挙区制+比例代表制
【参議院の選挙制度】
順位のない名簿。 各政党内で個人得
票が多い順に当選する方式
選挙区制+ [⑩氷拘束名簿式比例代表 重複立候補不可!
【選挙における課題】
Cf) 投票率の低下、 1票の格差
【公正な選挙を実現するための規制】
[1]公職選挙法]による規制
戸別訪問の禁止,文書配布の規制,
連座制の強化
[13政治資金規正法〕… 政治家個人の政治団体に対する献金を禁止
○政党と政党政治
政治資金の透明性確保が目的
[⑩ 政党 ]…共通の政治理念をもち、その実現のために結ばれた団体
国民の意見や要求をくみあげて政策や綱領にまとめる
[15 マニフェスト 〕･･･政策の内容や数値目標, 実施期間などを具体的に示したもの
選挙で示し、国民の支持を求める
←
=
【政党政治】
(⑩6 予党
11 野党
〕 ・・・選挙で議席の多数を獲得した政党で,政権を担当する
[〕…政権に参加しない政党で, 与党や政府の批判、 行政の監視を行う
政権交代を前提に、両者が,よりよい政策を有権者に提案し, 支持獲得の競争をおこなう
]
(18政党政治
【各国の政党政治の形態】
[⑩二大政党制
(多党制
〕… 2つの有力な政党が対抗 (イギリス、アメリカなど)
] 3つ以上の政党が競争 (フランス, ドイツ, イタリアなど)
...
*1つの政党が議席の過半数を獲得できない場合、複数の政党が政策協定をむすんで政権を
担当する = (2連立選挙
〕

ページ7:

天皇の立法権の (24協賛)機関
クラス:
氏名
●大日本帝国憲法と日本国憲法
大日本帝国憲法
(2天皇主権)
日本国憲法
主権
(26国民主権)
民定憲法
神聖不可侵で、 元首として統治権を
(2)する
天皇
日本国および日本国民統合の
天皇に直属する陸海軍
"を参考に、
定憲法)
(2統帥権)の独立
国民の権利
臣民としての権利
(23法律の留保 法律の範囲内で
(2象徴)
戦争と軍隊
(2恒久平和主義)
認められる
国民の権利
永久不可侵の基本的人権
議会
国権の最高機関で唯一の立法機関
で民主主義
党)の
憲法上の制度ではなく、各国務大臣
が天皇を(25 )する
内閣
行政の最高機関
)が定め
天皇の名による裁判
裁判所
司法権の独立を保障
定され、
規定なし
地方自治
(2地方自治の本)を尊重
天皇の発議 議会の議決
改正
国会の発議 国民投票
.
三大基本原理・・国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和主義
●国民主権
・主権が国民に存することを宣言 (憲法前文)
○日本国憲法の基本原理
(10)
重などが
令官であ
委員長
案)
憲法
議員で
(法)
から、
天皇は日本国および日本国民統合の象徴=(象徴天皇制) (第1条)
政治的機能は持たず、 国事行為のみを行う (4条)
●基本的人権の尊重
・すべての人間をかけがえのない個人として尊重 = (31個人の尊重) (13条)
平和主義
侵略戦争への反省から恒久平和主義を採用 (9条)
・全世界の国民の ( 32 平和的生存権)を保障(前文)
●最高法規性
憲法は国の (33
3 最高法規)であって、それに違反する法律などは無効(98 条)
天皇、国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員の(法尊重擁護煮物 (99条)
②

ページ8:

④
クラス:
氏名
●防衛力と司法判断
米ソ対立を軸
西ドイツ統一
62千億円
日米安保条約そのものの合憲性が争われた訴訟。
争が激化して
を含めた積極
に自衛隊をペ
砂川事件
第1審判決…在日米軍は憲法で禁止された戦力に当たり違憲 18 伊達判決)
最高裁判決・・・ 1. 憲法は自衛権自体の否定をしていない
2. 在日米軍は9条で禁止された戦力には当たらない
3. 安保条約は(19高度に政治的な問題)(20統治行為論)
)が成立
◆統治行為論
高度に政治性をおびた国家行為について、 裁判所の法律的判断が可能であっても司法審査の
対象としないとする理論。 政治部門である国会や内閣、 最終的には主権者である国民が判断す
るべきであるとされる。
長沼ナイキ訴訟
・ミサイル発射基地の建設に際して自衛隊の合憲性が争われた訴訟。
第1審判決…自衛隊は9条で禁止される戦力に当たり違憲。 (2島判決)
第2審判決･･･統治行為論に基づき憲法判断を回避
最高裁判決 憲法判断を回避。 統治行為論には言及せず
規定
Cf. 平賀書簡問題
恵庭事件
百里基地訴訟
いたアフガ
一口戦争」)
■2008年に
自衛隊イラク派遣
差し止め訴訟
が継続す
派遣した。
自衛隊
○沖縄と基地
・自衛隊のイラク派遣を、 平和的生存権の侵害を理由に差し止めを求めた訴訟
名古屋高裁判決
・・・1. 航空自衛隊による米軍などの輸送活動は憲法9条1項で禁止される武
力の行使にあたり、違憲
...2. (2平和的生存権)を法的な権利として認める
(本件訴訟では侵害されていないと判断)
2004年
サンフランシスコ平和条約発効以降も沖縄は(2 1972年)に至るまで米軍の軍政下
におかれてきた。 そして、本土復帰に際しても米軍基地はそのままであった。 沖縄県は日本
の国土面積の 0.6%にとどまるにもかかわらず、 現在、在日米軍施設の (2470%)が集
関連法) 中しており、かねてより基地の騒音問題や墜落事故、米兵による犯罪などの被害に苦しめら
攻撃を受
使を容認
れている。 県民の不満は高まり、沖縄の基地負担軽減が大きな課題となっている。
Cf. 瀬長亀次郎 (軍政下の沖縄において、アメリカによる統治に対する抵抗運動を行った。)