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評論一
『境を越える言葉
長田弘
モノや人、経済も情報も、
国境を行き交うようになった。
けれども、言葉はどうだろうか。
(行き交わないのでは?)
なぜなら…「言葉は人の生活の日常に
深く結びついている」から
T
それだけに、「言葉の限界」ができてしまう
◎「言葉の限界」とは…
言葉の二面性
・言葉と共有する相手とは親密になるか(親和的)
異にする相手とはコミュニケーションが困難で、
時には人をはじく (排他的)
共有し、親しい相手でも、各個人の日常は
微妙に異なっており、言葉を完全に共有
することはできず、伝えられない部分がある。
むしかし、日常のコミュニケーションツール
として言葉は重要である
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「
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けれども、「もう一つの言葉」がある
在り方・働きが異なる、
どこにもないもの・誰も見たことがないもの
について言うことができる
たとえは:社会言葉は知っているか、
これだ!と指すことができない
⑥「国境を越える言葉」とは、実際に物体として存在せず、
見ることもできないものについて言う言葉なのでは?
概念
国境を越える」
その言葉の表す概念を
異なる国、言葉でも同じように
感得する(感じとる)こと、
介
◎概念を共有することが異なる言葉をもつ人々の
共生を可能にする
具体例)
宮沢賢治の「鳥の北斗七星」
パジェッホの「群衆」
二人の「同じ思い」
「死者への深い祈りと沈黙」
が国境を越えて共有
戦争によって個人が死ななければならぬ無念と
殺さねばならぬ理不尽さ
その中で死んだ者に捧げずにいられない
哀悼の気持ち
争ゆえの死への哀悼と平和の希求

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国境を越えるのは、言葉ではなく、
言葉が表す概念
概念って音楽に似ている
No.
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概念
⇒ 言葉
概念や楽曲は見えない
ものだか、言葉や楽器に
よって顕在化する
見えな
表現
音楽
楽器
どのような言葉・楽器を、
どのように用いるかによって
さまざまな表現になる
きこえな
国境を越えて共有できる
⑥概念の共有が求められなければ、
たやすく過ってしまう
部分がある