ノートテキスト
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<配偶子の形成> 始原生殖細胞 (2) 精巣内 精原細胞 (2n) DNAの複製 一次精母細胞 (2n) ↓ 成長 二次精母細胞 (n) m 精細胞 (n) ↓ ↓ ↓ 精子 (11) 【発生と遺伝子発現】 | 始原生殖細胞 染色体 卵巣内 体細胞分裂 減数分裂 DNAの複製 肥大成長 (2n) 卵原細胞 (2n) 次卵母細胞 (2n) ※ 二次卵母細胞 -第一極体 ( ) (n) 動物の配偶子である卵と精子は, 始原生殖細胞からつくられる。 始原生殖細胞は、発生の初期から他の 体細胞とは区別されて存在し,未分化 な精巣や卵巣に移動して精原細胞 (2n)や卵原細胞 (2n) となる。 期 (母細胞) 前期 2月 体細胞分裂 -第二極体 ( 2 ) G, SIR G2期 DNA合成準備期) (DNA合成期) (分裂準備期) 期 (母細胞) 分裂期 間期 (娘細胞) 卵 () 数分裂 ※第一極体が分裂しないものもある。 G₁NA S G₂MB (DNA合成準備 (DNA合成期) (分裂準備期) 第一分裂 ) 期 (母細胞) 第二分裂 分裂期 細胞 第一分裂 第二分裂 中期 後期 期 前期 中期 後期 期 細胞 分裂前に DNAが複製 される 染色体の乗換え 二価染色体 染色体は凝縮して太く短いひも状になる。 相同染色体どうしが対合する ぼうずいたい 新 体 細胞板 対合した二価染色体 染色体が両極へ移動 が赤道面に並ぶ する 細胞板により細胞質 が分かれる 染色体が赤道面に 並ぶ 染色体が両極へ移動 染色体の凝縮が解除され、 核膜が形成される。 する 細胞質が分けられ, 娘細胞ができる ①精子の形成 精巣内で,精原細胞(2n) は体細胞分裂をくり返して増殖し,一部は DNA の複製を終え,一次精母細胞(2n) となって減数分裂を開始する。 頭部 中片部 先体 核 尾部 ミトコンドリア 鞭毛 →一次精母細胞は,減数分裂の第一分裂を終えると二次精母細胞(n)となる。 ⇒二次精母細胞は,減数分裂の第二分裂を行い, 4個の精細胞 (n) となる。 →精細胞は変形して精子となる。 ②卵の形成 卵巣内で,卵原細胞 (2n)は体細胞分裂をくり返して増殖し, 一部は DNA の複製を終え, 一次卵母細胞(2n)となって減数分裂を開始する。 →一次卵母細胞は,減数分裂の第一分裂の前期の間に、卵黄, リボソーム, mRNA など初期発生に必要な成分を細胞質にためこみ、著しい肥大成長を行う。 ⇒肥大した一次卵母細胞は,二次卵母細胞(n,細胞質の大部分を受け継いでいる) と第一極体(n, 細胞質は非常に少ない)とに分裂する。 →二次卵母細胞は、減数分裂の第二分裂を行い, 大きな卵 (n)と 第二極体(n, 細胞質は非常に少ない)とに分裂する。
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○卵の各部の名称 卵の極体を生じた部域を 動物極,その反対側を植物極という。 赤道面より動物極側を 動物半球, 植物極側を植物半球という。 動物半球 植物半球 受精・ 卵と精子が融合し、受精卵をつくりだす過程 <受精> (ウニの場合)精子が卵に到達し,卵に進入を始める。 →卵の細胞質の外側にある卵黄膜が受精膜に変化する。 -動物極 赤道面 ・植物極 ⇒受精膜は,他の精子が卵に進入するのを防ぐ役割をもつ。 A ウニの受精 ・ゼリー層 一卵核 4- *ゼリー層 卵を保護するゼリー状の物質の層で, そこに含まれる物質が精子の進入に重要な役割をはたす。 受精膜 星状体 星状体が2つに 分かれる (精子由来) 0-0-0-0-0 ○ 受精丘 受精膜 精核 未受精卵 精子の進入部分は盛り上がり受精丘と 精子の頭部は180°回転し卵核に近づく。 なる。 盛り上がった膜は受精膜となる。 精子の中片部から星状体が現れる。 精核と卵核は融合し, 複相 (2n) となる。 精子の進入 精子 3 多精拒否 複数の精子が受精することを防ぐしくみがある。 Victor D.Vacquier. Lini 核 バインディ アクチン ⑥表層粒の内容物が放出され, 受精膜ができる (表層反応)。 ウニ 細胞外からナトリ ウムイオンが流入 卵の細胞膜の早い多精拒否 位が変化 →多精拒否 卵と精子 の融合 2 物の放出 先体 受精膜 ゼリー層 先体酵素 先体突起 卵黄膜 ③ 受精丘 卵腔 透明層 哺乳類 卵と精子 の融合 細胞膜 表層粒 ⑤ 卵 ①卵の化学物質で精子が誘引。 →種の識別 ②先体酵素を放出。 -先体反応 ③先体突起ができる。 ④バインディンが卵黄膜の受容体 と特異的に結合。 →種の識別 ⑤精子の内容物が卵内に放出。 ウニの電位(m) 精子が卵の 精子を加える 20 40 60 80 100 120 140 時間(秒) → 透明帯が変化 遅い多精拒否 卵に複数の精子が受精することを多という。 多精が起こると 通常は発生が停止するので、 多精を防ぐしくみがある。 ウニの場合 卵の細胞膜に精子が融合すると, すぐに卵の膜電 位 (Op.172) が変化し、 多精の防止が起こる (早い多精拒否)。 し かしこの反応は1分程度でもとの状態に戻ってしまう。 卵と 精子の融合から約1分後に、受精膜をつくるなどの表層反応が 細胞膜に融合 Jate (1980による 起こり、多精拒否が持続される(遅い多精拒否)。 哺乳類では、 早い多精拒否はなく、 表層粒の内容物の放出によ って透明帯が変化することで多精拒否が起こる。 約1~3秒以内 カルシウムイオン が細胞内に避難 約10~30秒 表の内容 受精膜の形成遅い多精拒否 約20~60秒 カルシウムイオン が細胞内に避難 表層粒の内容 物の放出 細胞外からナトリウムイオン が流入し膜電位が+になる <カエルの発生> ○精子は動物半球から卵内に進入する。 →卵の表層全体が細胞質に対して約30°回転する (表層回転)。 →精子進入点の反対側の赤道部に灰色三日月環が 未受精卵 動物極 (前方) 左 植物極 (後方) 生じる。 灰色三日月環が生じた側は、将来の背側となる。 受精卵は体細胞分裂をくり返し,細胞数が増えていく。 卵割・・・発生初期に見られる体細胞分裂 ○卵割の特徴 右 細胞は成長を伴わないので、胚全体の大きさは変化せず,細胞の大きさは小さくな っていく。 ・卵割によって生じた細胞を割球とよぶ
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精子進入点 卵割が進むと桑実胚になり、 胚 の内部に卵割腔とよばれる空所 ができる。 →さらに卵割が進むと, 胞胚と ほうはいこう なり,卵割腔は胞胚腔とよばれ るようになる。 ○原腸胚 未受精卵 受精卵 4 細胞期 8細胞期 桑実胚期 胞胚期 表層の細胞質 灰色三 日月環・ 動物半球 植物半球 動物極側に 色素粒が多 く見られる 動物 卵割腔 胞胚腔 30 灰色三日月環 植物極 灰色三日月環のできた位置の細胞が変形し、胚表面に原口ができる。 かんにゅう 陥入・ ・原口の周囲の細胞群が胚の内側にもぐりこむ。 原腸・・・陥入によって新たにできた空所をという。 この時期の胚を原腸胚という。 →原腸形成が進むと,外胚葉・中胚葉・内胚葉の3つの胚葉の区別が明瞭になる。 ⇒胞胚腔は小さくなり、やがて消滅する。 →原腸の先端部は外胚葉に接し, そこが将来, 口になる。 原口は細くて小さな穴と して残り、この位置に肛門ができる。 ○神経胚~幼生 背側の外胚葉から神経板が分化する。 残りの外胚葉は表皮へと分化する。 この時期の胚を神経胚という。 →神経板の陥入によってできた神経溝のふちがつながり, 神経管が形成される。神 経管は将来,脳や脊髄などの中枢神経になる。 ⇒尾のもとになる膨らみが生じて, 尾芽胚になり、ふ化する。 →幼生になると口が開き、食物を摂取して成長するようになる。 原腸胚期 神経胚期 神経胚期 神経板 神経清 尾芽胚期 脊索 消化管 脊髄 縦断面 神経しゅう 卵黄栓 肛門 神経管 腸 腸 神経板 胞胚腔 神経溝 神経しゅう 表皮 -脊索 -脊索 一体節 一腎節 □ができる 尾 眼胞 脊髄 脊索体節 消化管 腸管 胞胚腔 卵黄栓 | (消化管) 横断面 鼻ができる □ができる 肛門 原口 ○外胚葉・中胚葉の分化 母性因子.. ・卵形成中に合成され、卵の細胞質中に蓄積される母方の遺伝子由 来のmRNA やタンパク質などの物質。 母性因子のかたよりが初期の発生過程に影響 を与える。 カエルの受精卵では,植物極側に VegT という遺伝子のmRNAがかたよって分布す る。→VegT タンパク質の分布にもかたよりが生じる。 ・VegT タンパク質を多く含む植物極側 の割球は、内胚葉に分化する。 ・VegT タンパク質を含まない動物極側 の割球は、外胚葉に分化する。 VegTの mRNAが 植物極側に かたよって 存在 受精卵 動物 8細胞期 胞胚期 植物極 卵割 卵割 VegTタン パク質を 含まない VegTタン パク質を 含む
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○中胚葉誘導 カエルの胚では,植物極側の 予定内胚葉が,隣接する予定外胚葉の細胞を 中胚葉に誘導する。(=中胚葉誘導) 植物極側の細胞に含まれる VegT タンパク質は,ノーダルという タンパク質の遺伝子の発現を活性化する。 ノーダル・・・中胚葉誘導を引き起こす物質。 動物極 予定外胚葉 ノーダルの作用 によって中胚葉 に分化する 予定内胚葉 ノーダル 植物極 -VegT タンパク質 (ノーダルの合成) を活性化する 誘導・・・ 胚のある領域が隣接する領域の細胞に作用してその分化を引き起こす現象。 〇形成体の誘導 受精の際に精子が卵に進入すると、表層回転が起こり、将来の背側になる部分に灰 色三日月環が形成される。 →植物極側に分布しているディシェベルトというタンパク質が背側に移動する。 ⇒ディシェベルドは母性因子であり, 胚全体に分布しているβ カテニンというタン パク質の分解を阻害する。 →背側の割球でβカテニンが多く蓄積する。 →βカテニンを多く含む予定内胚葉の割球は,形成体(オーガナイザー)を誘導す る ・形成体は原腸陥入によって背側の外胚葉を 裏打ちし,予定外胚葉域にはたらきかけて その領域を神経に分化させる(=神経誘導)。 未受精卵 ディシェベルド 胞胚 受精卵 -O ・形成体自身は,その後,脊索などに分化する。中国業務用 9.0 Or B 表層回転 前後軸, 背腹軸 [受精] 動物 [表層回転] 胞胚腔 30 ずれる [幼生 前 VegT (植物極側に同在) 回転 -βカテニン (背側に局在) 「青の中業 (形成体)を誘 灰色三日月環 → 軽の背側に移 動し、βカデニン の分解を阻害 する 「将来の背側 移動する 後期原胚 「神経 誘導 初期胚 A 中胚葉誘導のしくみ 形成 精子 背 動物 外胚葉 背 灰色三日月環* 背 表層 植物極 *内部の暗色部が透けて三日月形に見える。 背腹を決める因子 精子進入 表層回転 99999 |ディシェベルド β-カテニンの分解を 阻害する物質の勾配 β-カテニン 分解 安定 原口 背 ディシェベルド 後 GSK-3 阻害 促進 B-カテニン分解 発現 アクチピン Vg-1 促進 ディシェベルドが移動 β-カテニンの濃度勾配 |グースコイド → 背側化 アフリカツメガエルの未受精卵は、 動物極植物極軸を持ってい るが、体軸の決定は精子の進入後になる。 精子が進入すると、 受精卵の細胞膜とその直下の細胞質 (表層) が、 内部の細胞質 に対して約30°回転する (表層回転)。 これによって背腹軸が決 定し、それと同時に前後軸も確定する。 β-カテニンのmRNA (母性因子)は一様にあって翻訳される。デ シェベルド(母性因子) は局在していた。 表層回転によって 灰色三日月の位置にディシェベルドが移動する。 ディシェベル ドはβ-カテニンの分解を阻害するため、 β- カテニンの濃度勾 配が生じ、 それによって背腹が決まる。 A 競争的阻害 酵素 活性部位 活性化 ノール VegT BHUR B-カテニン VegT のmRNA 母性因子 植物極 動物極側にある VegT の mRNA (母性因子) から作られ た VegT は、ノーダル遺伝子 を活性化する。 そのため、ノ ーダルが蓄積し、ノーダルは 動物極側の細胞を中胚葉に分 化させる (中胚葉誘導)。 ま また、β-カテニンもノーダル 遺伝子を活性化するため、 β-カテニンが存在する側は ノーダルが高濃度になるよう な勾配ができる。 質 中胚葉誘導 + ノーダル 内胚葉 VegT | B-カテニン 低ノーダルの濃度高 腹側の中胚葉 背側の中胚葉 ノーダルの濃度が高い部分は 背側の中胚葉に、低い部分は 側の中胚葉になる。 B 非競争的阻害 酵素 活性部位 Tax Fox 質とよく似た 阻害物質が 本来の質が もつ 酵素と結合 結合できない 阻害物質が 酵素と結合 活性部位が 変化 質が結合 できない
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○神経誘導 (i)形成体からのはたらきかけがないとき BMP というタンパク質のはたらきで, 外胚葉の細胞は表皮に分化する。 (i) 形成体からのはたらきかけがあるとき 受容体 形成体の細胞から分泌される阻害タンパク質 (ノギンやコーディン)のはたらきで, BMP が受容体に結合できない。 →BMP がはたらかず, 外胚葉の細胞は神経に分化する 核 -BMP ノギンL BMP -コーディン 核 表皮に分化 神経に分化 背 形成体による胚全体の組織の分化 表皮 神経 形成体から分泌される BMP 阻害タンパク質の濃度は, 背側の形成体付近で最も高くなり, 形成体から離れた腹側ほど低くなる。 ノギン コーディン C 側板腎節体節 脊索 などの阻害 タンパク質 内胚葉 BMP 阻害タンパク質の濃度に応じて, 分化する組織が異なる。 BMP など 低 ―背側の内胚葉 高 阻害タンパク質の濃度 中胚葉由来の組織の分化 (腹側)低い←BMP阻害タンパク質の濃度→高い(背側) 側板 腎節 体節 脊索 B 中胚葉誘導の研究 歴史 中胚葉誘導の発見(ニューコープの実験) 外胚葉 せきさく 動物極 ・脊索 1 胚の予定運命 フォークトは、局所生体染色法を用いて原基分布図をつくった。 中胚葉 筋肉 A 局所生体染色法 おさえのスズはく イモリの経 00 | 動物極側の細胞由来 の中胚葉を形成 中性やナイルな どの色素を含ませた寒 天井での表面を染色 し、保護された部分が どのように移動するか 認証 初期原 後期胚 初期神経歴 <背面図) 102 01 支持用の/ 16 パラフィン 色素を含んだ寒天 を追跡する。 5 02 700308/ 01 植物極 未分化な植物極側組織 植物極側の細胞が動物極側の細胞から中胚葉を誘導している。 背側と腹側の誘導の違いを示す実験 血液など 脊索 筋肉 胞証期 背 器官のもとになるの集まりを原といい、胚の各部 自分が正常な発生で将来どのような原を形成するか(予定 運命)を示した模式図を原基分布図(予定命という。 フォークトは、 生体に無害な色素でイモリの脳の表面 を染め分け (局所生体染色法), 原基分布図をつくった (1929年)。 B原分布図 (側面図) (15) <新> (UF) 6 BLEER EVERE <側面図> <背面図 > 腹側の中胚葉 を誘導する 背側の中胚葉 を誘導する 植物極の背側と腹側では, 中胚葉を誘導するためのシグナルが異なる。 ○誘導の連鎖 表皮 外 神経 (資 体 内区 開銃 体節 入が始まる位置(原) 神経 配管 体語 Column 胚の発生運命を探る研究 フォークトとシュペーマンは同じドイツ人で、ほぼ同時期に、 別々の方法によって胚における原基の分布を調べようとしてい た。 フォークトは胚を生きたまま染色する手法を研究し、 シュ ペーマンは、色の違う別のを組み合わせて交換移植するこ とによって、それぞれの移植片の発生過程を追った。 シュペーマンはフォークトの研究を参考にしてさらに研究を 進めることができ、その後の形成体(オーガナイザー)の発見 (p.109) にもつながった。 フォークトの業績は、シュペーマ ンへの影響だけでなく、 胚の造形運動と器官形成についての理 論体系の確立という多大な成果を発生学にもたらしたのである。 ある部位の誘導を受けて分化した組織が,さらに別の 組織の誘導を引き起こすことがある(=誘導の連鎖) 表皮 表皮 眼杯 +4-4-0-0 眼胞 角膜 網膜 水晶体
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背側の内胚葉 ↓誘導 赤道部の細胞 背側の中胚葉(形成体) (予定外は異様の細胞) ↓誘導 外胚葉 →神経管 →眼胞 →眼杯 網膜など 眼胞を除去する と, 水晶体は誘 導されない。 眼胞による水晶 体の誘導。 表皮 ┃誘導 →水晶体 両生類の胚の頭部 応答能のない表 皮は、眼胞によ る水晶体の誘導 を受けない。 誘導は、それを受ける能力(反応能・応答能)を持った特定の領域で、 特定の時期に起こる。 I 誘導 表皮 角膜 神経胚期 神経胚期 上皮細胞 神経板 神経溝 接着タンパク質 神経しゅう 神経管 密着結合 アクチンフィラメント 神経板 -脊索 神経溝神経しゅう表皮 -体節 接着結合 一脊索 腎節 中間径フィラメント デスモソーム ギャップ結合 腸管 (消化管) 細胞間結合・・・特に動物 (多細胞生物)が同種の 細胞同士で組織をつくる時に重要 A 細胞接着 細胞間に接着の強弱が生じる。 カドヘリン Op.29 基底層 結合組織 ヘミデスモソーム A プログラム細胞死 ヒト 細胞死が起こる部分 ニワトリ 発生の決まった時期に、決ま った場所で起こる細胞死をプロ グラム細胞死という。 例えば、 指の形成過程で、 指と指の間 が、 ヒトやニワトリでは死滅し て切り離されるが、 アヒルでは 細胞死があまり起こらず、 水か きが出来る。 細胞膜 カドヘリン 細胞膜 Ca2+ 細胞間のすき間 888000 アクチン アヒル N-カドヘリン E-カドヘリン N-カドヘリンとE-カドヘリン 接着 接着 接着しない + B アポトーシス アポトーシス カエルの尾 の消失もプ ログラム細 胞死による。 細胞死にはアポトーシスと ネクローシスがある。 アボト ーシスは細胞自ら細胞死するこ とで、プログラム細胞死の多く を占める。ネクローシスは、環 境変化などがおこり、 内容物を 流出して周りに影響を残す。 同じ種類の細胞の細胞表面には、 同じ細胞接着分子があ る。代表的な細胞接着分子にカドヘリンがあり、カドへ リンには100種類以上が知られている。 同じカドヘリ ンを持つ細胞同士は強く接着する。 カドヘリンは膜貫通 タンパク質で、 機能するには Ca²+ を必要とする。 B 誘導 細胞間でシグナル伝達する。 Op.109, 110 正常細胞 縮小 断片化 白血球 ネクローシス 正常細胞 膨潤 溶解 アポトーシスを 起こした細胞 伝達方法 Op.28 |受容体 シグナル 誘導 細胞 A 細胞 B 細胞 A 細胞 B 細胞 A H 誘導の連鎖によるパターン形成 B B B 誘導 細胞 B 細胞 A |細胞 B E 誘導 ある領域の細胞が、 隣 接する胚域の細胞に働き かけて、その細胞の分化 を引き起こすことを誘導 という。 接触 細胞表面の 拡散 分泌されたシ ギャップ結合 グナル分子が、 隣接 タンパク質同士が直 シグナル分子が中空 する細胞の受容体に接接触し、シグナル シグ 部分を通過し、 結合し、シグナルが 分子が伝達される。 ナルが伝達される。 伝達される。 C C D 誘導 A A A 神経管の形成 p.99, 109 神経板 表皮 脊索 神経細胞 □E-カドヘリンが発現 □N-カドヘリンが発現 20 AがBに作用 して,Cが誘 導される。 CがAとBに作用し て, それぞれDとE が誘導される。 ~神経管
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<ショウジョウバエの発生> ショウジョウバエの初期発生では,まず核分裂だけが進行し, 13回目の核分裂の後 に表層部の核の周囲に細胞膜が形成されて細胞の層ができる。中央部には卵黄を含 む多核の細胞が1個残る。 →腹側から原腸陥入が起こり, 14体節からなる幼虫のからだができる。 幼虫は脱皮をくり返し,蛹を経て成虫になる。 核 核分裂 背 多核の細胞 細胞層 極細胞 実際の大きさ 腹側の正中線に沿って陥入 ショウジョウバエの卵では,卵の前方にはビコイドという遺伝子の mRNA が,後方にはナノスという遺伝子のmRNA が局在する。 これらのmRNA は,母親の体内で卵形成中に合成されて卵に蓄積する。 このような遺伝子を母性効果遺伝子という。 受精後,母性効果遺伝子のmRNA が 翻訳されて,タンパク質がつくられる。 タンパク質の拡散などによって mRNAの濃度勾配 (未受精卵) 前極 ビコイドをコー ドするmRNA ビコイド mRNA ナノス mRNA 前 タンパク質の濃度勾配が生じることで, 胚の前後軸が形成される。 タンパク質の濃度勾配(受精卵 ) ビコイド タンパク質 ナノス タンパク質 母性効果遺伝子のタンパク質の濃度勾配 受精卵 後極 ナノスをコード するmRNA 前 後 後 =卵における相対的な位置情報 前後軸にそって体節という連続する区切られた構造がつくられる。 体節をつくるときにはたらく遺伝子をまとめて分節遺伝子という。 どの体節にどのような構造が形成されるのかということには, ホメオティック遺伝 子という調節遺伝子がかかわっている。 ホメオティック突然変異体・・・ ホメオティック遺伝子の突然変異によって生じる からだのある領域の性質が別の領域の性質に置きかわる ような突然変異体。 Lab Pb Dfd Ser Antp Ubx AbdA AbdB (例) ウルトラバイソラックス遺伝子(Ubx)に突然変異 →はねを4枚もつ突然変異体になる (通常,ショウジョウバエのはねは2枚)。 B ホメオティック突然変異体 例 ショウジョウバエ アンテナペディア突然変異体 触角(ラテン語でアンテナ)が形 成される位置に脚 (ラテン語でペデ ィス)が形成されている。 中胸の発 生を制御する Antp 遺伝子が、頭部 で発現するように突然変異した。 バイソラックス突然変異体 胸部 腹部 平均こんを形成する後胸が中胸に変 化し、羽根が胴体に形成された突然変 異体。 平均こんとは、退化して小さな こん棒状になった後ろ羽根である。 Ubx 遺伝子の突然変異で生じる。 BED
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マウスやヒトでも, ショウジョウバエ のホメオティック遺伝子と塩基配列が 似た遺伝子が発見されている。 ショウジョウバエのホメオティック遺伝子の位置 Lab Pb Dfd Ser Anty Uba AbdA AbdB A1 A2 A3 A4 A5 A6 A7 哺乳類の ホックス B1 B2 B3 B4 B5 B6 B7 B8 B9 遺伝子群 A9 A10 All A13 B13 の位置 DI C4 C5 C6 D3 D4 C8 C9 C10 C11 C12 C13 D8 D9 D10 D11 D12 D13 脊髄 ・・・ホメオティック (Hox) 遺伝子群と総称。 これらの遺伝子は, 染色体上で, からだの前方で発現する 遺伝子から後方で発現する遺伝子へと順に 哺乳類の胚での 遺伝子発現 並んでいるという特徴がある。 ホックス遺伝子によってからだの領域ごとの性質が決まるという現象は,種をこえ て共通して見られる。 ○細胞の分化が起こる仕組み 細胞の分化のしくみ ① 細胞分裂で生じた2つの細胞で,受け継いだ細胞質に含まれる物質が異なり,そ の物質に応じた分化が起こる。 (例)カエルの胚で VegT タンパク質を多く受け継いだ細胞が内胚葉に分化する。 ショウジョウバエの胚でビコイドタンパク質を多く受け継いだ細胞が,からだの前 方の構造を形成する。 細胞の分化のしくみ ② 周囲の細胞から受ける誘導に応じた分化が起こる。 (例) カエルの胚で内胚葉から分泌されるノーダルを受容した細胞は中胚葉に分化 し,ノーダルを受容しなかった細胞は外胚葉に分化する。 ホメオティック遺伝子 体軸上の位置に応じて発現する一群の調節遺伝子 ホメオティック突然変異の原因になる遺伝子。 ショウジョウバエの場合、8つ存在する。 調節遺伝子の一種で体節ごとに決まった構造をつくる。 ホメオボックス ホメオティック遺伝子のうち相同性の高い (共通する)塩基配列 Hox 遺伝子 ホメオボックスを持つ遺伝子 (ホメオティック遺伝子も含む)。 ほとんど動物が持つ 胸部3体節が第2体節へ変異 したホメオティック変異体 (バイソラックス変異体)
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詳しくまとめられていて、復習やテスト勉強にもぴったりですね♪
素敵なノートをありがとうございます!