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化学

2023大阪公立大(前)化学解説

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るーつ

るーつ

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この春から本格的に大阪公立大理系を目指す受験生の皆様に、2023年度の化学を詳しく解説したので載せます。
数学や物理はネットにある解答例に詳しく記述例も書いてあるので、それを参考に勉強してほしいと思います。
2023年度の化学は、
第1問 脂肪族ペンタンの誘導体、フタル酸ジエステルの構造決定。
第2問 電子式・分子の形と極性・シュウ酸カルシウム水和物の熱分解+硫化カドミウムの溶解平衡、溶解度積。
第3問 同位体と原子量・混合気体の燃焼+イオン結晶、分子結晶の水への溶解・イオン結晶の限界半径比。
の問題でした。『水和物の熱分解』や『硫化物の溶解度積』『限界半径比』など、ラスボス級の問題が出題されていました。
教科書とセミナー化学などで各論の勉強を一通り終えたら、夏休みが終わるまでに『重要問題集』で入試レベルの基本パターンを叩き込む。
余裕がある人または医学部医学科を志望する場合は『化学の新演習』で公立大で出題されそうなパターンの問題だけ取り組みましょう。
過去問は本格的には9月以降でも良いが旧市大、旧府大できれば2019〜2023のそれぞれ5ヵ年分は解いておきたい。
資料集は学校のでいいと思いますが、なければ『サイエンスビュー化学総合資料集』がおすすめです。

ノートテキスト

ページ1:

2023 大阪公立大前期化学
第1問 脂肪族炭化水素Cs Hi2の誘導体、芳香族ジエステルの構造決定
(1) CsHiの構造異性体の炭素骨格は
1/7
C-C-C-C-C
Úi c-c-g-c
(iii) C-C-C
C
C
表よりCは水素原子一つまたは二つをヒドロキシ基に置換した場合の構造異性体の数が
1.であるから (iii)と決まる。 [一] CH3
[二]
CH2OH
H3C-C-CH3
CH2OH
H3C-C-CH3 単結合は自由に
回転できる
CH2OH
またAは水素原子一つをヒドロキシ基に置換した構造異性体の数が3であるから、
(i)と決まる。 CH3-CH2-CH2-CH2-CH2OH CH3-CH2-CH2-CH-CH3 CH3-CH2-CH-CH2-CH3
Hs)
OH
次にAの水素原子二つをヒドロキシ基に置換した場合の構造異性体は
一つの炭素に複数のヒドロキシ基が結合していないことに注意して
OH
CH2-CH2-CH2-CH2-CH2 CH3-CH-CH2-CH2-CH2 CH3-CH-CH-CH2-CH3
I
ÓH
OH
OH
OH
OH DH
⑥
OH
OH
OH
④CH3-CH2-CH-CH2-CH₂ ⑤ CH3-CH-CH2-CH-CH3 CH2-CH-CH2-CH2-CH3
OH
OH
の計6つ
OH
Bは炭素骨格がUVと決まり、水素原子一つをヒドロキシ基に置換した場合の構造異性体は
OH
①CH3-CH2-CH-CH2-OH CH3-CH2-C-CH3
CH2-OH
④ Ho-CH2-CHューCH-CH3 の計4つ
CH3
CH3
CH3-CH-CH-CH3
Bの水素原子二つをヒドロキシ基に置換した場合の構造異性体は
OH CH3
一つの炭素に複数のヒドロキシ基が結合していないことに注意して
OH
①CH3-CHューCH-CH2-0H ② CH2-CH-CH-CH3 ③ Ho-CHューCHューC-CH3
CH₂-OH
OH
OH OH CH3
CH3
OH
OH
⑦
© CHI-CH₂- C-CH₂-OH © CH₂-CH-E-CH3 CH2-CH₂-CH-CH © CH3-CH-CH-CH₂-OH
④
CH3
OH
OH
⑤
⑥
OH CH3
CH3
CH3

ページ2:

以上より アミ イ:6 ウク
(2) 元素分析の結果より
C: 792 × 弉 = 216(g)
=22(g)
H:198×1/28
0:302-(216+22)=64(g)
CHO のモル比は
2/7
また本文より、Dを加水分解したところ E,F,Gが得られ、Eは
加熱すると酸無水物が得られることからジカルボン酸、F
とGは金属ナトリウムと反応して水素を発生することからアルコ
ールと考えられる。
C: H: 0 = 216 22 64
= 18:22:4
よってDの組成式はC18H2204
これよりDはジカルボン酸1つと2つのアルコールからなる
ジエステルとなるので酸素原子の数は4となる。
よってDは分子式 C18H22O4
(3)、(4)をフタル酸
C-OHと仮定すると、HはO-キシレン CtbでE(フタル酸)を加
S-OH
CH3
熱すると分子内で脱水が起こり無水フタル酸
Dの不飽和度は分子式がCugH2204より
2x18+2-22 =
2
= 8 Dはフタル酸のジエステルである
からベンゼン環の不飽和度が4、エステル結合由来の不飽和度
が1×2=2,FとGはそれぞれ環状構造を1つもつから
不飽和度は合わせて2。合計で4+2+2 = 8
2
不飽和度=2C+2-H-X+N
C:C原子の数 X:ハロゲン原子の数
H:H原子の数N:N原子の数
二重結合、環が1個あると不飽和度が1.
三重結合があると不飽和度が2増える。
.F.
よってFやGの炭素鎖に不飽和結合は存在しない。
Fは五員環のアルコールで不飽和結合、及び不斉炭素原子
が存在しないことを考えると、構造式は→
CH2
CH2 CH
OH
CH2-CH₂
加水分解 E+F+Gより
またD+2H2O
Gの分子式はC18H22O4+2H2O
G
し、四つの炭素原子と結合している炭素原子が一つ
存在するから
CH2
-(C8H6O4+C5H100)
\\CH₂-OH
= C5H100
CH2-C
Gは三員環が1つ存在し不斉炭素原子が存在
CH3
これらより DE
F.
0-H20
CH21
cHz
CH
•COH HO⋅
OH HO-CH₂
-H₂0
CH₂-CH₂
CH2
CH2
CH2
G
CH2
CH2
CH3
CH3
CH2

ページ3:

(4) E フタル酸 HO-キシレン
(5) 同一炭素数のアルカンの異性体の沸点を
比較すると、真鎖のものが最も沸点が高く、
枝分かれが多くなるほど低くなる傾向があ
るから、沸点が最も低いのは※C
※枝分かれが大きくなるほど、分子は球形に近
・づく。球形になるほど分子の表面積は小さくなるの
で、分子どうしが近づいたとき、分子の表面に生じる瞬
間的な電荷の偏り(極性)に基づくファンデルワールス
力が弱くなってしまうからである。
※
(6)化合物Bはヨードホルム反応陽性であり,
3/7
炭素骨格から 構造式はCH3-qH-qH-CHs
OH
化合物Ⅰは
CH3
CH3-CH-C-ONa
0
※ヨードホルム反応の化学反応式
-CH3+4NaOH +3I2
CH3
-ONa+CHI3+3NaI+3H2O
(7)Bは、CH3-CH-CHューCH (2-メチルブタン)
JとK
CH3
→
ヨードホルム
CH2-0H
Bの水素原子二つをヒドロキシ基に置換した化合物で
一つの炭素に複数のヒドロキ溝が結合しておらず、不
炭素原子をもたないJKは
また不斉炭素原子をもっ構造異性体は
OH
OH
CH2-CH2-CH-CH2でこれから水2分子を分
CH3
子内で脱水すると天然ゴムの熱分解で得られるM
はイソプレンで構造式は
CH3
I
CH3-C-CH2-CH2
I
OH
OH
CH3-CH2-CH-CH₂
GH3
OH
(8)化合物Cは HC-C-cHsで、Cの四つの水素原
CH3
子をヒドロキシ基で置換して得られる化合物Nは
一つの炭素に複数のヒドロキシ基が結合していない
ことに注意して
Nは分子につき
4ヶ所で水素結合
していると考えられる。
CHOH
HOHC-C-CH2OH
CH2OH
188℃付近で結晶構造が変化する理由は
・分子間の水素結合が切れていくから。(1字)
M
CH3
CH2=CH-C=CH2
第2問 電子式分子の形と極性の有無、シュウ酸カルシウムの熱分解の実験
①ミフッ化ホウ素の電子式 ①
(2)
:F:
:F:B:F: を参考にして
FBF4の電子式は
② また NHの電子式 HNH を
参考にして PH3の
H
FB:F:
H:P:H
H
電子式

ページ4:

[H2S][OH-] 2
[S²-]
Kw² [H25]
=kik2=
= 10-2x[S2-]
=
kw2
また式より
より[Has] = KiK2102x[S2-]
[HS] = flo*[s2]
[s2-]
kıkı
M = [5²²] + k = 110 x (5* ] + kk 2-10 (52)
1 = [5²-] { 1 + 10% k₁ + 10% kik₁ }
10-xki102xkk2
よって
よって
エ溶解平衡時の
[cd2+] =m[mol/L]
またウより
kw
ioxki
(1+ ·10-2x kik₂ )
Ksp = [cdz+][s2-]
= mx
m
[s2-]=
I+. 10k1102kk2 [mol/L]
kw
kw²
+
PH6.0,pH8.0の緩衝液A|Lに溶解
[する] [CdS] [の]物質量をそれぞれ][mol],M[mol]
とおく。 溶液BのPHと温度は実験を通じ
て一定で、このとき溶解度積kspも一定と
なるから
m,2
1 + + Khok
1 + 100 k₁ 101 kik₂ =
第3問
kw
m²
10th kık₂
+
kw
kw
問1 同位体と原子量混合気体の計算問題
m
kw
+
kw²
+ 10*k₁ + 10*kk,
It
kw
m²
kw2
1+10xki+102kka [mol%/[2]
kw
kw2
kikz.kwkspの値を代入して
100×1.0 10-12×1.0×10-7
1.0×10-141.0×10-28
|+
=
2
1+
108×1.0円
1.0×10
1+108 +109
=
T+10°+105
108(10+1)
=1000
105(10+1)
+
10-1x10x10-
T.0×10-28
I
5/7
M₁ = √1000 = 10√10
M2
= 31.6
3.2×10
オ
(1) 同位体は原子番号が同じで質量数の異なる
原子どうしのこと。
アミ陽子 1:中性子
(2) 12Cから成るメタンCH4分子は
"C'H4, "C'H₂H, "C'H₂ "H₂, "C'H₂² H, "C²H
の5種類。BCについても5種類あるから
5×2=10
(3) エタン分子C2H6について質量数が最小の (4) 0.758×0.242×2=0.366872
ものと最大のものはそれぞれ
最小: 12×2+1×6=30
最大: 13×2+2×6=38
質量数は30から38の連続する整数値を
とることができるから
38-30 +1 =
9
よって 36.7%
(5) はじめにあったエタンをクX(mol)とおくと
メタンは6x(mol)と表される。また加えたアルゴンを
y[L]とおく。
本文より 6x+7x+y+100=468
13x+y=368... ①

ページ5:

(ii) CO2(二酸化炭素)は直線状分子. C2H4
(エチレン)は平面状分子であるから
③ ⑤
つつの原子間の極性と分子全体の形を
考慮するとPH3(ホスフィン)はP-Hに極性が
あり三角錐形であるから極性分子。
CHCl3(トリクロロメタン)はCCl4(テトラクロロメタン)
が 正四面体形で無極性分子であることより
この1つの塩素原子が水素原子に置き換わってい
ることより極性分子となる。よって
(2) (1) 混合物中にCaC204 H2O が Xmol,
CaC204.2H2Oがymolあるとする。1回目の
加熱で
CaC204 H2O
CaC204・2H2O >
CaC204となり水和水
を失ったと考えられるのでCaC204-H2O=146,
CaC204.2H2O=164で18.0%質量が
減少したことから
18% +36y = (146x+164y) ×0.18
:: |00x+ 200g = 146x+164y
46%=36y
4/17
===1.227.
1.3.
(Ⅲ) 実験2においてカラムでH2O, カラム2でCO2
を捕捉すると考えると
充填剤1にP4010 充填剤2にNaOHを用いれ
ばよい(順番を逆にするとNaOHがH2OもCO2も両
吸収し正確な質量が測れなくなる)。
(ii) 化学反応式はそれぞれ
カラム1の
化学反応式
P4010+6H2O→4H3PO4
カラム2の
化学反応式
2NaOH+CO2 Na2CO3+H2O
充填剤1:(エ)
充填剤 2:(イ)
(IV) 気体Zは一酸化炭素であり、一酸化炭素は水に溶け
にくい気体なので捕集法は水上置換。 (C)
(V) 一酸化炭素と水素から金属触
媒の存在下メタノールが得られる反応
なので
・CO+2H2-
→CH3OH
問2 加水分解定数、硫化物の溶解度積
(1)ki-
=
[HS][OH-]
[S2-]
よってki
CHS-]
=
([H20]は一定)
[s2-]
x [OH-]
k2
[H2S][OH]
[HS]
[HS]
kw
kw[HS]
=
[S2-]×1.0×10×
=
ここで水のイオン積kw=[H+][OH]、PH=X
より、〔H+]=1.0×10-x
kw [HS-]
=
-ア
10x [S²-]
10%[HS]
イ
[OH-]=
kw
kw
=
[H+] 10×10-x
(2)溶液Bには、固体のCdSから溶け出して生成した
S2,HS,HzSのすべてが溶存するので、硫黄原子
についての物質量保存より
K2についても同様に
M=
[S2-] + [HS-] + [His]
(1)+(ii)より
S2 +2H2OH2S +20H-

ページ6:

メタン、エタンの燃焼の化学反応式はそれぞれ
CH4 + 202 → CO2 +2H2O
6%
C2H6+1/2022CO2+3H2O
6x
14%
二酸化炭素の体積について
7x
6x+14x=409-369
20%= 40.
x = 2.0 [L]
よってエタンは7x=14(L)ありその物質量は
=
22.4
32 = 5 = 0.625 (mol)
0.63mol
(2)x=2.0を①に代入して
13.2.0+y=368
y = 368-26=342(L)
342L
6/7
(iii)必要となるプロパンの標準状態における体積を
Z(L)とおく。プロパンの燃焼の化学反応式は
C3H8 +502 → 3CO2 +4H2O
メタン、エタンの燃焼で消費された酸素は
6%×2+7xx/2/2 = 2x=22.2=73(L)
よって燃焼後残っている酸素は
100-73=27(L)
これより必要となるプロパンは
Z=27×5=5.4L
問2イオン結晶と分子結晶の溶解、イオン結晶の高点と限界半径比
(1) ア、水素イ. 親水ウ、疎水
CH3-CH2-OH
~
疎水性 親水性
(2)(1)
水は折れ線形の分子で電気陰性度の大きな
酸素原子がわずかに負に、水素原子がわずか
に正に帯電しているので、分子全体として極性
をもつ。
H
H ヒドロキシ基の
6+
C2H5-01
.H.
水分子の水素原子とエタノール分子の酸素原子
水分子の酸素原子とエタノール分子の水素原子
ヒドロキシ基の
O-H
図の点線(・・)は水素結合を表す。
・H
(3) 下線部②より、静電気力の大きさは、イオンの
電荷の大きさに比例し、イオン間距離の2乗に
反比例する。 化合物群には1または2価の
陽イオン、陰イオンから成る化合物が存在する。
図より融点を比較して{(う)、(ソ)(あ)}
が1価、{(か)、(おり(え)}が2価の陽イオン、陰イ
オンから成る化合物群を示すと考えられる。
これより(くう)、(い)(あ)}(a)(b), (c)のいずれか
{(カ)、()(え)]→(d)、(e)、(f)のいずれか
次にイオン間距離を比較する。一般にイオン半径
が小さいとイオン間距離も小さくなるから、(a)(b)(c)
の陰イオンを比較して、融点は高い順に(a)(b)>(c)
になると考えられる。最後に(d)(e)(f)の陽イオンを比較して
融点は高い順に(d) > (e)>(f)になる。
よって
(C)
(b)
(a)
à (f).
£ (e)
(d

ページ7:

(4) (1)
図2
(b)
に
(ii) 図2(d)
a
r
1 + 1 + = = = = 1 7/17
21.=12.
③④より
1=+1+= 1/2
-
④
√za
2r=a... ①
2(r-+r+)=Ba...②
②①より
に+r+ = √√3
に
=
+
.: √2 = 1 + 2 +
2r
√21=-=1+1+
=12-1=141-1=0.41
√3-1 = 1.73-1
= 0.73
(III) CsCl型の結晶では、陽イオンが中心に
1個、陰イオンが5×8=1(個)含まれる。
陽イオンに配信する陰イオンの数は8である。
NaQ型の結晶では陽イオンが1+1/2×6
=4(個)、陰イオンが1/2×6+1/2×8=4(個)
含まれる。 配位数は中心のNatに注目す
ると6である。
半径比がX(CsO型)<1の範囲では
配位数が8のCsC型が安定である。
半径比がX(NaCl型)<<X(CSC型)の
範囲では配位数が6のNaCl型が安定
である。 <X(NaQ型)の範囲ではNaCl
より小さい配位数をもつ別の結晶構造が
安定になる。 配位数4の閃亜鉛鉱
AI
B8
C 4
D6
E 8
F 6
き Cscl
< Cs Cl
け Nacl Nacl
※参考(化学重要問題集)
・安定
0.23
0.41
0.73
B
配位数
図cCsQ型
8
図B Nace 型
型構造のこと。
陰イオン
図A閃亜鉛鉱型
6
4
●
陽イオン
・陽イオンと陰イオンが接触していると安定
より多くの相手イオンに接している方が安定

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