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214>次の文章を読み, 下の問いに答えよ。
病原体が体内に侵入すると,まず, 白血球の一種である
マクロファージがこれを取り込み,分解する。マクロ
ファージは病原体の構成物質を抗原として認識し、その一
部を細胞表面に出す。その後,リンパ球のT細胞とB細
胞が抗原の無害化に働く。 まず, この抗原と相補的な結合
部位を細胞表面にもつT細胞が接着する。抗原と結合し
たT細胞はア]とよばれる物質を放出する。この物
質は,その抗原に対する受容体をもつB細胞に対して,
抗体を作るように刺激する。 刺激されたB細胞は, 増殖·分化して抗体を産生するため
この抗体と抗原が特異的に結合して抗原抗体反応が起こる。
B細胞によって作られた抗体は, イ』とよばれる Y字状をしたタンパク質で, 2
本のH鎖と2本のL鎖がS-S 結合により連結したペプチドからなる(図)。 H鎖のアミ
ノ酸配列を指定する遺伝子は四つの領域から構成されていて, V領域, D領域, J領域
は成熟したB細胞ごとに異なるが,残りの部分は共通である。同様に, L鎖を指定す
る遺伝子領域においても, V領域と了領域はB細胞ごとに異なるが,残りの部分は共
通である。その結果, Y字状に開いた側の先端部はアミノ酸配列が変化に富んでいて,
ウ」とよばれ, この先端部の立体構造の違いによって, 抗体タンパク質は抗原と特
L鎖
b
C
d→
td
0
ウ]より内側(Y 字状タンパク質の基部側)の領域は同じアミノ酸
とよばれる。Y字状の抗体には ウ]が2箇所あるため,1分 。
異的に結合する。
配列をもち、
子の抗体は,同時に2分子の抗原と結合することができ, 抗原が集まって巨大な複合体
を形成する。こうした抗原と抗体の複合体形成により病原体は無害化される。
問1 文中の口ア
問2 T細胞とB細胞は,どこで生成するか。適当な器官を記せ。
問3 T細胞が成熟する器官を記せ。
問4 S-S 結合を切る薬剤で処理した抗体タンパク質はL鎖2本とH鎖2本になり,抗
原との結合能力が失われた。抗原と結合できなくなった理由を簡潔に述べよ。
問5 抗体をタンパク質分解酵素であるパパインで分解すると, 抗体は H鎖の1箇所で
切断されることがわかった。分解後の抗体は, 抗原との結合能力を保持していたが、
同時に2分子の抗原と結合する能力は失われた。パパインが切断すると予想される犯
体の位置を図のa~dから選び,記号で答えよ。
問6 抗体をペプシンで分解した場合にも, 抗体はH鎖の1箇所で切断されることが
かった。分解後の抗体は, 抗原との結合能力を保持しており, 同時に2分子の抗原と
エ
エ
に入る適語を答えよ。
結合することもできた。ペプシンが切断すると予想される抗体の位置を図のa~d
から選び,記号で答えよ。
(13立教大改)